表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『先生、仕事ですか?恋ですか?』――女性が苦手なTL作家は、なぜか私にだけ距離が近い   作者: 古東 白


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/25

プロローグ

現代恋愛ものです。

『カクヨム』にも投稿しています。

よろしくお願いします!

 中性的な見た目の色素の薄いイケメンの人。

モテモテで泣かした女性は数知れずとの噂があった。

私も噂は本当だと思っていた。


――私、糸谷桜(いとやさくら)は、大学の時に文芸サークルに所属していた。


「あ、部室に忘れ物があったんだ。取りに行かなくちゃ!」


 文芸サークルの部室に到着してドアをガラッと――


「うわっ!」


 誰かが飛び出してきて、お互いにもつれあって転んでしまった。

転んだ拍子に鼻をぶつけて、痛みがツーンときて涙目になる。


「いたた……もう、誰……」

顔を上げて相手を見た。


ぶつかってきたのは、大学のミスコンで準ミスの美人な先輩。

よくみると胸元がはだけている。

彼女は、鼻を啜りながら小さく震えた。

それが、ピタッと止まったかと思うと――


「綾野君なんて、○✕△(ピー)になればいいのよ!」

ちょっと文に書けない言葉を叫んだ。


綾野先輩って。

あの、綾野先輩だよね。


「うわーん!!」

美人の先輩はひと声上げて、胸元を押さえ走っていってしまった。



「なんだったの?」

呆気に取られていると、部室の中から綾野先輩(イケメン)がこちらをじろりと見ていた。


「入るの?入らないの?」


「あ、入ります!」

不機嫌そうに言われて、思わず大きな声で答えた。


「君、声大きい、うるさい」


「はあ?」


 ソファにもたれ掛かった綾野先輩のシャツは、ボタンが外れ、裾が乱れている。


「せ、先輩こそ、ここで何してたんですか!?」


 綾野先輩はきょとんとした顔をして答えた。


「何って、見てわかんない?小説のネタ考えてたの」


「は?分かりませんが、ネタ?」


 小説?ネタ?そういえば、別の先輩が綾野先輩の小説のジャンルを教えてくれたな。

確か――


「官能小説!!」


「うーん。そうだけど、ちょっと違うな。正確にはTL(ティーンズラブ)ってやつ」


 ちょっと待って!

 小説のジャンルはおいといて、部室でイチャコラするのは、おかしいですよね?


「なに?その顔」

綾野先輩は眉間に皺を寄せ、心外だと口にした。


「ただ、ポーズをしろ。って言っただけなのに。あの女が俺のシャツを脱がそうとしたから、拒否したら怒ったんだよ。俺は悪くないね」


 悪びれず悪態をつくイケメン綾野。


「あ、そうですか。失礼いたしました――」


 何も見なかった、聞かなかった事にして帰ろう。

――でも、なぜか呼び止められた。

綾野先輩はソファに座ったまま、ゆっくりと足を組み換えてじっと私を見据えた。

綺麗な顔で、真剣な眼差しを向けてくる。


「そうだな……丁度いいから、お前が相手役やれ」


「遠慮します!!」

顔に見とれた私が軽率だった。中身は屑かもしれない。いや、きっとそうだ。


「あっ、おい!!」


――全力で逃げ出した、大学時代の厄介な思い出。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ