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東大よりも京大に行きたい(受験、大学生活,友情、恋愛、結婚、家族)

作者:小林さとる
1 東大模試の会場で、周囲の「東大志望こそ正義」という空気に違和感を覚えた高校生の主人公。中学時代に塾で見た京大入試数学の“無駄を削ぎ落とす美しい問い”が忘れられず、なぜ東大なのか答えられない自分に気づく。合理性を重んじる父や友人・正の東大志望と衝突しながら、単身で京都を訪れ、京大の静かな佇まいに心を奪われる。その帰路、鴨川の夕景を眺めながら初めて自分の道を確信する。帰京後は京大過去問に打ち込み、正との学び合いや母の静かな励ましに支えられ、夜遅くまで孤独な闘いを続ける。試験当日は問いの先にある論理美を追い求め、幾度か迷いながらも全力で筆を走らせる。受験直後の大阪・道頓堀を歩きながらも、不合格の不安が頭をよぎる日々を過ごす。やがて正の落選を知り、競争ではなく支え合いだったと実感する。合格発表の日、スマホに表示された自分の番号を見た瞬間、これまでのすべてが確かな「春」へと変わり、赤門の先へ歩み出す決意が胸に宿る物語。

2 京都大学に入学した主人公は、自由と孤独のあいだで自分の居場所を探す。図書館で佐伯慎一の著作に触れ、メール相談員や学生相談ボランティアに挑戦し、他者との対話を通じて少しずつ自分を取り戻す。講義や履修選択に迷いながら、清家陽太や中野真帆、西園寺ら多彩な仲間と出会い、作問サークルで数学の美を再発見する。春休みには西園寺に誘われ高野山や隅田八幡神社を訪れ、旅先で歴史と思想に触れる。真帆と恋仲になり、観覧車の告白、梅田や大阪の街を歩き回る日々を経て、連休には金沢へ雪見旅。やがて結婚し、妊娠・出産を経験しながら学生生活を続け、数学講師として塾で教える道を選ぶ。京大と東大の入試問題の比較を巡る友人・正との再会から、「学び」と「生きる」ことの本質を実感し、家族との鴨川の夕暮れが、すべてを肯定してくれると気づく。京大で学ぶ日々の中で揺れながらも、親や仲間の言葉を胸に刻み、真の幸せを見出す姿が描かれる。
十三 合格発表
2025/05/31 09:13
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