97 エルエル、雪合戦をする!
「け、決闘って……!?」
「"この遊び場は誰の物かを決める決闘"を行うんですわ! おーほっほっほ!」
「よっ!リーダー!」
「やったるぞー!」
「激しく決闘」
リーダーが手を掲げるとワッと周りのガキが盛り上がる。
「決闘ってアンタ達ねぇ……」
「最近のガキは物騒ですね」
「ふん!いいではないか! やってやるのじゃ! して、その方法は!?」
「その決闘方法は……"雪合戦"ですわ!!」
「「「「「ゆ、雪合戦!?!? ……え?雪合戦?」」」」」
「そうですわ! 雪の日は雪合戦という神聖な戦いをしなければならないと言うルールが決まっているのは当然存じ上げてますわよね?」
「何じゃそのルール」
「どこのルールよ」
「お前ら知ってる?」
「知らないぜ」
「この町のローカルルールですか……?」
「わ、私も知らないのです」
「と、とにかく! 今からチームに分かれ雪合戦でこの場所は誰の物なのか決める勝負をするんですわーっ!」
リーダーの提案はこの遊び場所は誰の物なのかを決める戦いを雪合戦の決闘で決めるという物。
"私達のチーム"と"子供チーム"に分かれ雪玉をぶつけ合う戦いだ。
一度でも雪玉がクリーンヒットしたら脱落で味方が全員脱落したチームの負け、雪玉をぶつけて相手チームを全員脱落させたら勝ちのゲームだ。
……まぁ普通の雪合戦だな。
「って、ただの遊びじゃないですか」
「あ、遊びじゃないですわ! この町で最強の雪合戦王を決める神聖な戦いですわよ!!」
「そうだそうだ!」
「リーダーの言うとおりだ!」
「激しく雪合戦」
子供達はまたワーワー盛り上がる。
「あのさ……」
リンネットが子供達に聞こえないように小声で私達に話しかけてくる。
「ど、どうしましたリンネットさん?」
「あの子達さ、決闘とかなんとか言って本当は一緒に遊んで欲しいだけなんじゃねえの?」
「あっ……」
「たぶんそうなのです。 あの子達はいつもああやって大人に遊んでもらいたがってるのです」
「か、かわいいですね……」
「へへっ、じゃあしょうがねーなー遊んでやるか?」
「そ、そうですね……うふふ……」
「リンネットお姉ちゃん……ありがとうなのです」
リンネットとボロニアとフィオナはあの子達が一緒に遊んでほしいのを察して遊んであげようとする。
「な?お前らもいいだろ?遊んでやろ……」
「クックック……クソガキ共が~……ぶっ潰してやるのじゃ!!」
「フフフ……決闘を挑まれちゃあしょうがないわよねぇ……!」
「大人の怖さを思い知らせてやりますよ……!!」
「おいおい……」
「あ、あはは……この人達はやっぱりいつも通りですね……」
「お、お姉ちゃん達……」
しかし、私とアルルとミュゼッタは生意気な子供にはお灸をすえてやらなければならないと考え本気でぶっ潰してやろうと思い、腕をポキポキとならしニヤつきながらガキ共にどう雪玉をぶつけてやろうか画策していた。
「ではそろそろ始めますわ!!範囲はこのフォークテイルタウンの北エリア全域!!チームに分かれ雪合戦の決闘を行う!!雪玉を当てられた物は失格とし、最後まで生き残ったチームの勝利となるですわ!!」
「「「「「「よっしゃああ!!!」」」」」」
お互い向かいあって整列した後、リーダーが手をあげて改めてルールをおさらいしていき、それに応えるように皆口々に気合を入れる。
「それでは!!神聖なる雪合戦の決闘をはじめ――――」
「きゃーはっはっは♡!!その勝負待ちなさああああい♡!!!」
今にも勝負が始まろうという瞬間、突如大声が聞こえてきた。
「「「えっ!?」」」
「なっ!? こ、この声は誰ですわっ!?」
「「「「「「………」」」」」」
どこからか聞こえて来た声に子供達は驚き周りを慌てて見回す。
が、私達はこのアホそうな声が誰の物なのか一瞬で分かり呆れた顔をする。
「このフォークテイルタウン北エリアを支配するというのなら私達を抜きで話されちゃ困るのよねぇ……♡」
「雪合戦と聞いて黙ってられないでござる……!」
「わーい!! 遊ぶなら私達も入ーれて!!」
「なっ!? 何者ですわああああああ!!?」
予想通りエミー達……もといアホ勇者共が着込んだ服と共にいつの間にか登っていた木の上から雪を踏みしめカッコつけたポーズで私達の前に着地する。
「お前ら居たんですか」
「家の前で遊んでたのに出て来なかったから今日はいないのかと思ったわよ」
「ふんっ♡ 夜に火の管理を怠って凍死しかけてただけよ♡!
それより勝ったチームがこの付近を支配出来るというなら私達も勇者パーティとして参加するから!はい決まり~♡」
なんかとんでもない事を言ってた気がするがとにかくエミー達もこの雪合戦に加わるようだ。
「ま、まぁ参加したいならいいのですけど……フィオナさん誰なんですわこの方々は?」
「勇者さんなのです! ほら焼きそば屋さんの……」
「……あっ! ああ~あの夏祭りの……!!」
「美味しかったよ~!」
「焼きそば最高~!」
「激しく美味」
「ふふん♡ そうよ!私達はすごくて偉い勇者様パーティなのよ~♡!」
「すごーい! 私達有名人だね~!」
「この知名度……さすがエミー殿でござる……」
子供達のリアクションじゃ勇者というより焼きそば屋としての知名度の方が高そうだがそれでいいのかお前ら。
「これで三つ巴の戦いってわけね♡! 全員倒すわよ~♡!」
「がんばるぞー!」
「殲滅でござる……!」
「えっお前ら私達のチームに入らないんですか?」
「一緒にあいつら潰しましょうよ」
「アホ♡ あんた達と一緒のチームなんてごめんよ~♡
それにこの決闘に勝利すればこの北エリアを支配できるんでしょ♡?
という事はここに住んでるアンタ達も私の下僕に出来るって事よね~♡? 楽しみだわ~♡」
「「なんでそうなる!!!!」」
「またアホな敵が増えたのじゃ……」
「な、なんだか大変な事になってきましたね……」
「エミー達は子供達のチーム入ってくれた方がオレ達のチームと人数のバランスも良いんだけどな……まぁいいか……」
まぁそんなこんなで色々ありつつ……。
かくして≪田舎者チーム≫VS≪勇者パーティ≫VS≪フォークテイル団≫の"雪合戦の決闘"が始まった。
【雪合戦参加メンバー】――――――――――――
≪田舎者チーム≫
エルエル
アルル
フィオナ
ボロニア
リンネット
ミュゼッタ
≪勇者パーティ≫
エミー
ティオ
ユウギリ
≪フォークテイル団≫
リーダー
子供A
子供B
子供C
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