92 エルエル、みんなで宴をする!
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≪フォークテイルタウン北・めがみはうす前≫
「えー今日はみんなお掃除にご協力ありがとうございます―――」
すっかり日も暮れて辺りは辺りは暗くになる。
見上げると聖樹の花越しに夜空の綺麗な星空がくっきりと見えるほどだ。
そんな暗闇の中めがみはうすの前におこした焚き火の光が辺りを照らす。
また例のごとくエミーのテントやめがみはうすの家の中から人数分の椅子を持って来てみんなで火の前に座って焚き火を囲む。
焚き火の周りに大きい石を積み重ね網を置く。更に網の上には家に保管してある肉や魚、掃除が終わった後買い足して来た野菜だったり拾って来た栗だったり……。
とにかくみんなで色々な食材を持ち寄って家の前で掃除お疲れ様会のバーベキューをする事にした。
なんだかんだこいつらと集まるといつもこういう食事会になる。まぁ楽しいからいいんだけど。
網の上で焼けている食べ物から発する美味しそうな匂いを目の前にみんな席に座りながらコップを片手に私が乾杯の音頭を取るのをうずうずしながら待つ。
「みんなのおかげで家の中は綺麗になりました。これも普段の私の人望があっての事―――」
「もういいから早くしなさいよ!!」
私の隣に座り食べ物を前によだれを垂らしているアルルからヤジが飛んでくる。
「ちょっと田舎者~いつまで待たせるのよ~♡」
「お腹すいたよー!!」
「早くするでござる!!」
「は、はやくしろーっ!」
「おっボロニアも言うな~!」
「あはは! ミュゼッタちゃんみんな面白いのです~!」
「ったく、アホな奴らじゃのう~」
他の奴らも笑いながら私に早くしろと急かしてくる。
私がありがたいお言葉を授けようとしてるというのにこいつらは……。
「……まぁいいか!! 細かい事は抜きだ!! それじゃあお前ら!!
今日は私とアルルのおごりだ!! 大いに飲めや食えや歌えや!! かんぱーい!!!!!」
「「「「「「「「かんっぱーい!!!!!!!」」」」」」」」
私が乾杯の音頭を取りコップを夜空に向かって掲げると焚き火を囲っているみんなもコップを掲げ叫ぶ。
そして町で買って来たぶどうで作った飲み物が入ったコップをみんなグイッと飲む。
「よっしゃあ! 食べるぞー!!」
「肉!! 肉食べるわよ!!!」
それぞれ網の上で焼いている自分の好きな食べ物を手に取りかぶりつく。
「―――――――――っ!!!」
「「「「「「「「「おいしいーーーーーーーーっ!!!」」」」」」」」」
私も含めてみんな笑顔で食べた物の感想を空に向かって叫ぶ。
「わーっ!! お魚美味しいね~!!」
「はいなのです!! 魚醤が効いていて素晴らしいのです!!」
「きゃーはっはっはっは♡!! この鶏肉最高よ~♡!!」
「ふふふ……拙者が味付けしたでござるよ!!」
「うむ!味付けも合格点なのじゃ!!」
「うふふ。リンネットさん口汚れちゃってますよ」
「ちょ……じ、自分で拭けるって……」
「うう~……やっぱこの肉が最高ねええええええ!!!」
「そうですねえええええ!!!」
それぞれ好きな物を食べている中、私とアルルが最初に食べたのはこの町に来て最初に食べた串焼き肉。前に買った同じ屋台で生の状態でもあの肉が売っていたのでここで焼く為の夕食として購入してきたのだった。
私とアルルはその肉にかぶりつきながら感想を言い合う。
「なにそのお肉♡!? 美味しそうじゃない♡! 私にもちょーだい♡」
「おっ! わらわも一口もらうのじゃ!!」
「だーっ!! お前らの分もあるんだから自分で焼いてくださいよ!!」
「ったく、もっと静かに食べなああああ!! 何かじりついてんじゃミュゼッタコラアアアア!!!」
「あはは! アルルが怒ったぞー!!」
「ミュゼッタちゃんダメなのです~!」
「み、皆さん相変わらず賑やかですね~」
「この雰囲気がいいよね~」
「おっ!みんな!シチューもう食べられるでござるよ!!」
「「「「「「「「シチュー!?!やったあああああ!!!!」」」」」」」」
焚き火で加熱していた大きい鍋をユウギリが確認し、お皿に盛って行く。シチューが食べられるらしい事を分かりみんな大喜び。
みんなの分のシチューを取り分けてみんなで食べる。これもまた絶品で大騒ぎ。
まだまだ焼ける肉や野菜もたくさんあって宴はまだまだ終わらない。
エミーの自慢話を呆れ顔で聞いたり
ティオとユウギリのエミーと出会った頃の話を聞いたり
ボロニアの歌をみんなで歌ったり、リンネットとの祭りでの話を話したり
ミュゼッタが昔いた魔王軍の話を聞いたり
フィオナが私達が優しいだのなんだの褒めて歯がゆくなったり
アルルと同じ肉を取り合って言い争ったり……。
星空の下でドンチャン騒ぎをしながら食べて飲んで笑ってケンカして喋って……
私は友達と一緒に楽しい時間を過ごした。
「アルル」
「ん?なにエルエル?」
「来て良かったですね。修行の旅……」
「ふふ……そうね」
隣にいるアルルが笑いながら肩で私の肩にこつんとぶつかって来た。
私も軽く押し返して笑う。
楽しい仲間に囲まれた楽しい時間。
こんな時間がずっと続けばいい、終わらなければいいなと思って焚き火の煙を追って夜空の星を見上げた。
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ラピス様へ
今日はめがみはうすの掃除をみんなでしました。
壁や屋根に出来ていた隙間も修繕して
とってもピカピカの家になりました。
普段は変な奴らだけどこういう時に手伝ってくれて
良い奴らです。しかし……こんなめちゃくちゃな
状態の家だなんて一体前はどんなだらしない人が
住んでいたんでしょうね~。本当にね~。
エルエル
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≪現在の状況≫
【エルエル】
魔法 ≪グリーン・グロウ≫ ≪ボディー・ブロー≫
【アルル】
魔法 ≪アクア・サークル≫ ≪アルル式ドロップキック≫
所持品 手作り釣り竿x2 弓矢x1
バニースーツx1 妖精用スクール水着x1
所持金 4000ルピー
([日々の食費等 -300ルピー]
[無駄遣い -200ルピー]
[回収屋さんへの依頼 -200ルピー]
[宴の食費 -1000ルピー])
聖樹 開花率…………85%
これにてお掃除回終了です。
次回からは雪合戦回です!
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