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85 エルエル、重い物を運ぶ!

 

「「お、重い~!」」


 私達は家の中に置かれている壊れた棚やよく分からない壺や木箱等いらない物を家の外に運ぶ。

 使い物にならなくて放置している大きいゴミを捨てる為に一度外にまとめておく事にしたのだ。


 アルルと協力して家の中のいらなくて重い物を持ち上げて運んで外へ置いて持ち上げて運んで置いての繰り返し繰り返し……。


「ふぅ、なかなか運び終わらないわね~……」

「あー疲れました……」


 外に運んだ木箱に手をついて二人でうなだれながら呼吸を整える。


「はぁはぁはぁはぁ……い、一旦休憩するじゃ~……」


 ミュゼッタは私達が何度も家と外を往復していた頃、ボロボロになった本の束を一人で運搬していた。

 私達の元にフラフラと歩いてきて地面に置いてへばるのを繰り返しようやく外に本の束をどんっと置いた。そして私達の横にへろへろになりながら座りこむ。


「ったく、あんたがそれひとつ運んでる内にだいぶ作業進んじゃったわよ」

「お前魔王とか言うすごい奴の配下なんですよね? そんな力弱くてやっていけてたんですか?」


「ふんっ愚問じゃな。自慢じゃないが大魔王様の元に居た頃はわらわがみんなの家事担当をしていたのじゃ!すごいだろう!

 ……まぁ全部モンスターを呼び出してやらせてただけじゃがの」


「えっ?そんな事出来るんですか?じゃあそのモンスター呼び出して掃除させましょうよ!」

「ちょ……やめなさいよ!!アンタあの水晶玉無いと操れないんでしょ!!」


 アルルの一言で思い出す。そういえばこの間もミュゼッタが水晶玉が無くて操れない癖に勝手にモンスターを家の中で召喚してとんでもない目に会ったんだった。


「うぅ……そ、その通りなのじゃ……。モンスター召喚は時間をかければたくさん出来るがあの≪魔の水晶玉≫が無い事には思い通りに操れる事はできないのじゃ~……」


「じゃあその水晶玉また作ってくださいよ」


「あれは大魔王様が特殊な技法で作り出したから魔法道具じゃからのう……。

 簡単にもう一度作れたりする物ではないぞ」


「えぇ~ラク出来ると思ったのに~」


「モンスターに頼ろうとしない!!ほら!!まだ残ってるんだからやるわよ!!」


「うひぃ~……わらわをこき使いすぎなのじゃ~……」


「お前ほとんど何もしてないじゃないですか」


 ズシン……。


「「「ん?」」」


 何かの重い音がして私達は周りを見回す。

 家の中から外へ運び出した大きいゴミ達が置かれた場所をよく見ると、運んだ記憶の無い物が紛れ込んでいた。


 ……"女神信者ジジイ(町長)の胸像"だ。


 この代物には随分見覚えがある。

 フォークテイルタウンのお祭り"蒼橙祭(そうとうさい)"の催し物コンテストの優勝賞品だ。


 この優勝賞品は私の知る限りでは焼きそばの屋台を出したエミー達がコンテストで優勝して家に送られて来ていた記憶があるのだが……。


 と、周りを見回してみると胸像の奥の草原にこそこそとテントの方へ帰って行くエミー達……もといアホ3人組が見えた。

 私とアルルはそいつらに向かって全力で走り出し、そして―――


「「クソボケ勇者共がああああああああああああ!!!!!」」


「「「おげえええええええええええええええ!?!!?!」」」


 ―――そのアホ共に飛び蹴りを喰らわせた。

 私とアルルの攻撃でエミー達は吹っ飛びながら地面に転がり回る。


「てんめえええらああああ!!!なにゴミ置いていってるんだコラ!!!!」

「こんな物アンタ達が自分で捨てなさいよおおお!!!」


 地面に倒れているエミー達に向かって私達は叫ぶ。


「だ、だってあんた達優勝賞品欲しがってたからあげようと思って……きゃは♡」


「「いらねーよこんな物っ!!」」


「あのね!!少しは考えなさいよ!!私達もこんなもんいらないけど勇者パーティである私達が大っぴらにこういう賞品捨ててたら町の評判が落ちるでしょ!?

 あんた達が勝手に捨てた事にして犠牲になりなさいよ~♡!!」


「「ふざけんなボケえええええ!!!!」」


「あはは!やっぱり怒られちゃったね~」

「うう~ごめんでござる~……」


「はっはっは!これこれ!よせよせ!」


「あ、出たわね」

「むむ。ミュゼッタ殿でござるか」

「ミュゼッタおっはよー!」


「うむ、おはようなのじゃ。そしてエルエルにアルル、まぁ良いではないか」


 私達がキレているとミュゼッタが向こうから余裕の表情で大物ぶって歩いてくる。


「はぁ?良いわけないじゃないですか」

「そうよそうよ。こいつら勝手にゴミ押し付けて来たのよ」


「わらわに案があるのじゃ。その像もこっちの家から出たゴミももっと簡単に片付く方法を思いついたのじゃ」


「なによ?それ?」


 アルルが当然の疑問を聞くとさっきまでヘラヘラしてたミュゼッタの表情が一気に邪悪な笑みに染まり悪魔の様に喋りだす。


「それはだな……"こやつらにも掃除を手伝ってもらうのじゃ"……ククク……」


「「……そうだな!!!」」


「「「へ?」」」


 名案だ。私とアルルは即同意した。こいつら3人にも家の掃除を手伝ってもらえばこの辛くてめんどくさい掃除がもっと早く終わる。


 私とアルルとミュゼッタはエミー達の方を向き、捕まえる体勢を取り飛びかかった。


「「「お前らも手伝ええええええええええええええ!!!!!!!」」」


「「「えっ!?えっ!?わ、わああああああああああああっ!?!!?!」」」


 かくして私達は無理やり掃除を手伝わせる為アホ3人組をとっ捕まえたのだった。


ここまで読んでくれてありがとうございます!

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