80 エルエル、ボスと戦う!
「さあ!!わらわの作り出した≪デッド・リピート≫軍団よ!!
わらわをバカにしたそやつらを痛めつけてやるのじゃ!!」
「オオオオオオ――――!!!!」
「「「うぎゃあああああああああああああっ!!!」」」
ミュゼッタは水晶に力を込めモンスター軍団に命令をする。
デッドリピートと呼ばれるゾンビのようなモンスター達は私達の周囲を囲み一斉に襲い掛かって来る。
私とアルルとエミーはそれに驚いて目を閉じ抱きつきあって悲鳴をあげるしかなかった。
キンキンキンッ!!
「むむ……!?」
「エミー殿には近付けさせないでござる!たあっ!!」
「アルルエルエル!大丈夫だよ!私達が倒しちゃうからっ!!がおーっ!!」
おそるおそる目を開けるとこちらに向かって来たモンスター軍団は全員弾き返され尻もちをついている。
襲って来たモンスターの攻撃をユウギリの剣技とティオの火の魔法ではじき返したようだ。
そしてティオとユウギリはすかさず自分から攻撃を仕掛けて行き次々とモンスターを倒していく。
「おおっ!!やるじゃないですかお前ら!!」
「かっこいいわ!!ティオ!!ユウギリ!!」
「どうよ♡? これが私達勇者パーティの力よ♡!!きゃーはっはっはっは♡!!!」
「「だからお前は何もしてないだろ」」
「ほう……獣の力と素早さを持つ≪ビーコル族≫の獣人に
東の大陸の特殊な魔術を扱う≪クーカー族≫のエルフか……。
100年前にも戦った事があるが身体能力が高くて厄介な奴らじゃったのう。
しかし……これならどうじゃ!!」
ミュゼッタはまたしても水晶に力を込める。
すると今度はさっきまでデッドリピートを召喚していた物のとは比べ物にならないほど大きな魔法陣が奴の頭の上に出現する。
「あっ!アイツまた何か召喚しようとしてるわよ!!」
「止めましょう!!」
「ちょ……あ、あんたら危ないわよっ!!って……」
「「「のわああああああああっ!!!」」」
また何か召喚しようとするのを阻止しに走ろうとしたがユウギリにやられたモンスターが目の前にすっ転んで来たのに驚いて3人で一緒に尻もちをついてしまった。
そして尻込みをしている間に魔法陣からまたモンスターが召喚されてくる。
「オオオオオオオオオオオオオ………!!!」
「「「うわ……うわああああああっ!?!なんじゃありゃああああ!!!」」」
「「えっ!?」」
大きな地鳴りと共に魔法陣の中から出て来たのはさっきミュゼッタが召喚していたデッドリピートと言う同じゾンビのようなモンスターではあったが……。
さっきまでのデッドリピートは私達より少し大きいくらいの背の高さだったが今召喚されて来たのはそれの2倍ほど大きい巨大デッドリピートであった。
「わっ!!」
「くっ!!!」
巨大デッドリピートはユウギリとティオに向かって大きな腕を振るい攻撃を仕掛けてくる。2人はそれを防御するが衝撃で後ろに吹き飛ばされる。
「ああっ!ティオ!!ユウギリ!!だ、大丈夫っ!?」
エミーが叫ぶと2人は吹き飛ばされながらも空中で1回転して無事着地する。
「ちょ、ちょっと2人共無理しないでよ!?」
「お前達無理なら逃げてくださいよ!!」
「これくらい大丈夫大丈夫!!」
「なかなかのパワーでござるな……!!」
その後も2人は巨大デッドリピートと交戦する。怪我や大きいダメージは受けていない様だが相手にもダメージを与えられていない。これは苦戦しているんだ。
このモンスター大きいだけあってさっきまでのデッドリピートとは強さが桁違いの様だ。
「ハハハハハ!!これぞわらわの切り札≪大・デッドリピート≫なのじゃ!!
魔法によって普通のデッドリピートを何倍も強化している……!!
"こやつに弱点などは一切無い……決しておぬしらに倒す事はできない"のじゃ!!
さあそいつらをどんどんいたぶるのじゃーっ!!!」
「オオオオオオオオオオオオオ!!!」
「「わわわっ!!」」
ミュゼッタがまた水晶玉に力を入れるとデッドリピートは雄たけびをあげ更に攻撃は激しくなる。
ティオとユウギリも防御するので精一杯になっているように見えた。
「おい!エミー!!アンタ勇者なんでしょ!なんとかしなさいよ!!」
「そ、そんな事言ったって今の私には伝説の剣が無いんだから~っ!!」
「……」
「エルエル!アンタもなんか言いなさいよ!!」
「な、何考えてるのよ田舎者エルフ」
アルルとエミーがワーワー言い合っているいる横で私は"ある事"を思いつく。
「いや……アイツってあの"手に持っている水晶玉"でモンスター操ってるんですよね?」
「た、多分そうだけど……それがどうしたのよ?」
「じゃあアイツが持ってる水晶玉奪っちゃえばいいんじゃないですか?」
「「あっ」」
そう、さっきから召喚するにもモンスターに命令するにもずっとあの水晶玉で何か力を込めているのが見えている。と言う事はあの水晶玉さえなんとかすればモンスターを操ったり召喚するのが出来なくなるんじゃないかと考えたのだった。
「で、でもアイツめっちゃ遠い所にいるわよ!」
「部屋の真ん中でモンスターが暴れてるし……」
私達は部屋の入口近くに居てモンスターを操るミュゼッタはその真逆の部屋の奥に位置を取っている。
部屋の中心ではミュゼッタの操る巨大デッドリピートが暴れているのをなんとかティオとユウギリが抑えていてくれているがとてもじゃないが近付く事はできない。
「ここからミュゼッタまで何本か柱が立っているし柱の影を移動してこっそり近付いたりできないかしら?」
「で、でもっ!途中であのガキに見つかってこっちがターゲットにされたら逃げ切れないわよ!」
「フフフ……だから"こういう作戦"をやるんですよ」
「「"作戦"?」」
私はアルルとエミーに思いついた作戦を耳打ちする。
「「え……ええええええええええええ!?!?」」
「ま、まぁ私は良いけど……そんな上手く行くかしら?」
「大丈夫です!!アイツまた例によってバカっぽいから行けますよ!!」
「わ、私は嫌よ!!な、なら私が田舎者妖精の役を……」
「この役は妖精の私じゃないと無理よ!!我慢しなさい!!(私もエミーの役やりたくないし……)」
「だ、だってなんか……も、もっとあるでしょ!!こう……」
「うるせー!!!ティオやユウギリが戦ってくれてるだろ!!お前もそれくらい我慢しろ!!!」
「う、うう~~~……わ、分かったわよ!!」
「よし!!じゃあ作戦開始ですっ!!えいえい……」
「「おーーーーっ!!!」」
「お、おー……!」
こうして私達はミュゼッタを倒す為の作戦を実行し始めた。
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