69 エルエル、優勝を逃す!
「「「うううう~~~~ありがと~~~~!!!!」」」
その後、町兵達が駆けつけ火は完全に消え去りエミー達は泣きながら膝をつき感謝しはじめた。
私達も手伝ってくれた町の人達もほっと一息つきその場に座り込む。
「ま、間に合って良かったです~」
「ったく、もっと周り見ろっつーんですよお前ら」
「もう本当よアンタ達ねぇ」
「まぁまぁ助かったんだから良いじゃねえかよ」
「お姉ちゃん達消火活動ご協力感謝するのです!!」
引き連れてきた子供達に解散命令を出したフィオナがかわいい敬礼をしながらやってくる。
そういえばフィオナなんか当日は別の何か手伝いあるって言ってたけど……。
「ところでフィオナ、お前何してたんですか?」
「あっ、そうよどうしてあんなにいっぱい人を引き連れて……」
「えーと……実は……」
フィオナは"町の少年団"という子供達だけで出来た会があってそれの幹部として所属しているとの事。だから町の色んな人とも顔が効いていたんだな。
行事や町で何かがある度に少年団として毎度手伝いを行っている様で今回も祭りの運営の手伝いを他の子供達と交代制で行なっていた様だ。
「休憩の時間になったらお姉ちゃん達の所へ行こうと思ってたのですが……凄い事になっちゃってたのです~!」
「そうだったんですか、フィオナは偉かったんですね。助かりましたよ」
「よしよし」
「えへへ……」
私とアルルはフィオナの頭をなでなでした。
「よう。お嬢ちゃん達」
「あ、鍛冶屋オヤジも手伝ってくれたんですよね。助かりましたよ」
するとそこへエミー達と鉄鉱石を奪い合ったあの依頼をした鍛冶屋のオヤジが声をかけてきた。
「いやぁこっちがお礼したいくらいだぜ。お嬢ちゃん達が迅速に火事に対応してくれたから町は大した被害にならずに済んだんだしな助かったぜ」
「え、ま、まぁ良いですよそんなの!!な!?!」
「ぎくっ……。そ、そうじゃのう~……!!」
私は少し遠くで大人に囲まれている女神信者ジジイに圧をかける様に声をかけた。
その後も周りにいた町の人達に感謝の言葉を投げられるがそもそも出火の原因作ったのは……
……いや無関係と言わんばかりに焦りながら口笛を吹いているあの女神信者ジジイのせいだな。私は悪くないはずだ。
「ところで……アンタ達は魚屋でもやってたのかい?」
宝箱屋のお姉さんは私達の横に置きっぱなしになっている水槽の中の魚を指して質問する。火を消す時一緒にまたそこら辺にぶちまけてしまったから水槽の中に戻した魚達だ。
「魚屋というか……」
「まぁ間違っては無いのか……?」
「そ、そうですかねぇ……」
「まぁそんなもんですよ。全然売れなかったからですけどね」
「ふーん……じゃあ一個貰おうかね。おい、アンタ達も買いな」
「「「はい姉さん」」」
「「「「えっ」」」」
「い、良いんですか?」
「アンタ達が一番頑張ってたからねぇこれくらい買わせなよ。いくらだい?」
「ふぅん、そういう事ならボク達も貰おうかねハニー」
「そうねダーリン!」
「エミー様を助けてくれたお礼に買いましょうぞ!!」
「おう!じゃあ俺も買ってやろうか!!」
「「「「あ、ありがとうございまーす!!!!」」」」
その後も町の人達が集まって来て魚を買っていく。
当初の金魚すくいとは全く違う売れ方だが……。町の人達の優しさに救われすくわれなかった魚達は完売していった。
●
「集計の結果……今年の"蒼橙祭催し物コンテスト"の優勝者は―――――――」
ステージが燃えてしまったので女神信者ジジイは噴水の上に立ち町の皆に聞こえる様に喋り出す。
町中の人達がそれを注目しながら息をのむ。
「―――勇者様御一行の焼きそば屋台に決定じゃあああああ!!!!」
「「「「ですよねー」」」」
私とアルルとボロニアとリンネットは同じ事を口走った。
町の人達はその発表にワッと盛り上がり、パーティ用のクラッカーやテープが鳴ったり投げられたりして騒がしくなる。
「よっしゃああああ!!!優勝よおおおおおっ♡!!!!」
「わーいやったねーっ!!!」
「ござるござる!!!」
エミー達は抱き着きあって町の人達以上に喜んで盛り上がっているのが見える。そしてその後みんなの前に立ち女神信者ジジイや町の大人達から賞状や花等を受け取っていた。
「優勝賞品は後日家に配送するのじゃ!!おめでとうございますなのじゃ!!勇者様こそ女神様の再来じゃあああああ!!!」
「おめでとう勇者様!!」
「うおおおおエミー様!エミー様!エミー様!」
「ティオ様ああああ!!!!」
「ユウギリ様に踏まれたい。それが我が本望……」
「きゃーはっはっはっは♡!!」
女神信者ジジイがそういうと拍手喝采が起き、エミー達はそれに応える様にいつもの様にドヤ顔で高笑いをする。
「うう……いいわねぇ~優勝賞品……きっと美味しい物よ……」
「くっ!!私達も最後は金魚すくいちょっと流行ったんですけどね~」
「まだまだ金魚すくいの道を深いと言う事なんだぜ……」
「さ、最後は金魚すくいというかお魚屋さんでしたけどね……」
私達はそんなエミー達を見ながら落ち込みつつ乾いた拍手をしながらも、なんだかんだ楽しいお祭りだったなと思うのであった。
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