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62 エルエル、屋台をする!


「さあ!よってらっしゃいみてらっしゃいだぜ!!」

「世にも珍しい魚がすくえるゲームが出来る屋台ですよーっ!!」

「今なら1回100ルピーよーっ!」

「や、や、安いですーっ!」


 お祭りが始まり人通りがさっきより多くなり、普段じゃ騒音になりかねない喧騒とステージ上で楽器を演奏し続ける人達の大音量の音楽とで共に更に祭りはにぎやかになっていく。

 そんなにぎやかな喧騒の中、私達は屋台の前で歩いていく人達に声を出して宣伝をし呼びかけていた。声を出していると自分達も一緒に祭りを盛り上げている感覚になって楽しくなってくる。

 ……。楽しくなってくるんだが……。



「「「全然客来ねえええええええええ!!!!」」」

「あ、あわわわ……」



 全く客が来なくて私達はその場に崩れ落ちる。

 たまに呼びかけに足を止める人もいるが、屋台の中の水槽でビッチャビチャ騒いでる魚にビクついてそのまま歩いて行ってしまう人ばかりだった。


「み、皆さん元気出してください~……」


「どうやらみんな水の中にいるボロニアにビビって近づけない様ですね」


「え、え、ええええええっ!?!わ、我のせいなんですかあああ!?ご、ごめんなさいいいい!!!」


「ったく、わけないでしょ。ボロニアもこのバカに合わせないでいいわよ」


 アルルに肩をどつかれた。


「で……リンネット。前の優勝した時のお祭りではどうだったの?最初はあんまり屋台に人が来ないものだった?

 ……ってあれ?」

「ん?リンネットアイツどこ行ったんですか?」


 リンネットが座っている椅子の方に目を向けるといつの間にか姿が消えていた。

 ふと正面を見ると目の前を行き来する人達の向こう側から声が聞こえてくる。


「おーい!!みんなーこれ楽しいぞー!!!」


 リンネットは頭にお面なんかつけて更には屋台で買ったであろうおもちゃ等を腕いっぱいにかかえてこちらに歩いて来ていた。


「「てめえなに一人で祭り堪能してるんだあああああああああああ!!!!!!」」


「ひいいっ!?!!」


 私とアルルは屋台から飛び出してリンネットを成敗しに走る。リンネットは私達の形相に逃げようとするが速攻捕まえて2人で絞めあげる。周りに見られているが知った事か。成敗してやる。


「オラアアアアア!!何サボってんだこのアホ鬼があああああ!!!」

「このサボり魔が~~~!!!」

「おげええええええええっ!!だ、だってせっかくのお祭りなんだから遊びたいじゃーん!!お、お前達の分もあるから許して~~……」

「「えっそうなん」」


 自分の分もある事が分かりパッと離す。






「「「「………」」」」


 その後、私達は客が来ない屋台の中で座りながらリンネットが買って来たおもちゃを出してみんなで遊んだ。

 しかし、即効飽きた。


「こういうのはやっぱ子供向けですね~」

「小さい頃に作ったわね~こういう簡単な飛行機……」


「えへへへ~」


 横を見るとボロニアだけは未だに楽しそうに水が入った風船にヒモをつけたおもちゃをぼよぼよさせて遊んでいる。


「ははは、こういうのは雰囲気だよ雰囲気!!買ったり食べたり遊んだり話したりしてさこういうお祭りの空気を楽しむ物なんだぜ!!」


「雰囲気ねー」


 そう言われて私とアルルは周りを見回す。楽しそうな人達にお店に飾り……。

 言われてみれば楽しいお祭りの喧騒……自分達もその一部になっている気がしてちょっと楽しい気がする。

 お祭りの楽しさってこういう所にあるのかもしれないな。


「ま、確かにこういう雰囲気を楽しむのもいいかもしれませんね。なんだかいい雰囲気で気抜けてきました。優勝とかもう目指さなくていいかもですね~」

「エルエルアンタ……まぁそうかもねぇ~……」


「ははは!冗談言うなよ~……え?冗談だよな?」

「た、多分この2人は冗談じゃないと思います……あはは……」

「い、一応目指そうぜ!!そういう(てい)で集まったんだからさ~!!」



「あのー……これってなんのお店なんですかぁ~?」

「ふぅむ。変わったお店だねぇ」



「「「「え!?」」」」


 男女2人組が屋台の前に突然立ち止まり私達に声をかけてきた。

 完全に気の抜けてた私達はお客さんに対応しようとバタバタしながらおもちゃを片づけ立ち上がる。


ここまで読んでくれてありがとうございます!

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