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55 エルエル、祭りの話を聞く!

 

 エミーはカウンターから体を乗り出して喋り続ける。


「そうよ!今度フォークテイルタウン全域で開催される夏のお祭りがあるのよ♡!!」

「夏祭り……"蒼橙祭(そうとうさい)"。

 女神様に祈りを捧げ五穀豊穣、無病息災を祈願するフォークテイルタウンのお祭りで様々な催し物が出されるらしいでござる」

「町の人達に聞いたんだ~!楽しみだよね~!」


「へーそんなお祭りあるんですか」

「そういえばフィオナが近い内にお祭りがあるって言ってたわね」


 思い返すと家に遊びに来たフィオナが「お祭り楽しみなのです~」と何度か嬉しそうに言っているのを聞いていた気がするな。

 エルリアの森でも豊作を祈願する祭があったのを思い出す。小さい頃ラピス様に手を引かれて森に住んでる人達と一緒に神殿でお祈りとかさせられてたな。地味で退屈な行事だった気がするけど町だともっと派手なお祭りなのかな。


「そ・こ・で・♡!! その祭の中でどれが一番良い催し物だったか、町の人達の投票で決めるコンテストがあるのよ~♡!!」


「なるほどね。アンタ達はお祭りにこの焼きそば屋台を出してそのコンテストの優勝を狙うってわけね」


「そうだよ~!!今日はその予行練習で屋台を開いてみたんだ~!!」

「フフフ……当日はもっとパワーアップした焼きそばを作るでござる」


 いつもなら勇者共の浅はかな考えだなと笑い飛ばす所だがこの焼きそばは本当に美味しかったし、町の人の評判も良さそうに見えた。確かにこれならコンテストでもいい成績が残せそうだな。


「そしてコンテストで余裕で1位になって"優勝賞品"は私達がいただくのよ~♡ きゃーはっはっは♡!!」

「がおがお~!」

「ござるござる~!」


「えっ!?そのコンテストで優勝したら賞品なんて貰えるんですか!?」


 優勝賞品。心躍る単語を私は聞き逃さず聞き返す。


「うん!なんでも町長さんが用意したとっても豪華な賞品らしいよ~!」


「「豪華な賞品……」」


 私は大きいお肉やこの間食べた魚やさっきの焼きそば……今まで食べた美味しかった物が山になっているのを思い浮かべる。

 そんなのが賞品だったら私も欲しいなぁ。っと、いけないいけないヨダレが垂れそうだった。

 横を見るとアルルはヨダレを垂らしながら空想にひたっている。似た様な事考えてやがったな。


「ねーねーアルル達もお祭りで何かお店出せば?」

「町長公邸に申請すれば誰でも出れる規定でござるよ」


「そ、そうか!私達も出れば賞品もらえるんだ!!なら出ましょうよアルル!!」

「おお!!そうね!!優勝して賞品もらいましょう!!」


 腕をガシっと組み交わした私達の頭の中は優勝賞品の食べ物(予定)でいっぱいだった。


「きゃーはっはっは♡!! 優勝賞品もらうですって?片腹痛いわ~♡

 あんた達田舎者ごときが何をやって優勝するって言うのよ♡?」


 すかさずエミーが横槍を入れてくる。


「はぁ!?!?なめんな!!私達だってなんか美味しい物作って屋台出して優勝してみせますよ!!」

「そうよ!!町にいるのは私達の方が長いんだから町の人の食の好みも……」


「あんた達料理なんて出来るの~♡?」


「「あっ」」


 たしかに私とアルルこの壊滅的に料理が出来ないコンビで何をすればいいんだ。2人でバツの悪そうな顔を見合わせる。さっきまでやる気満々だったがなんか急に無理な気がしてきた。


「あ!だったらアルルとエルエルも私達と一緒に焼きそば屋さんやろーよ!」

「ダメよティオ~♡ こいつら料理もできない田舎者なんだから足手まといになるだけよ~♡」


「「お前もできないだろ!!!」」


 エミーに突っ込みを入れた後私とアルルは顔を見合わせ少し相談した後こう言った。


「ティオありがとう……。でも私達は私達のやり方で優勝して見せるわ!!!」

「そうです!!料理なんかできなくてもなんとでもなるって事を見せてやらぁ!!」


 ティオが誘ってくれたのは少しうれしかったがエミーの言い方にムカついたので半ばやけくそで私達は自分達だけで催し物コンテスト優勝を目指す事を宣言した。


「じゃあ対決だねー!負けないぞー!」

「宿敵現るの巻……」

「ふんっ、私達の優勝を彩る為に精々無様にあがいて見せるといいわーっ♡!!きゃーはっはっは♡!!

 ……ていうか、片付けあるんだからあんた達いつまでも座ってないで帰りなさいよ」


「よーし!私達が夏祭りのコンテストで優勝して賞品もらうぞーーっ!!!」

「「えいえいおーっ!!」」


 私とアルルは天に拳をつきあげて意気込んだ。


「だから帰れって……」


ここまで読んでくれてありがとうございます!

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