51 エルエル、屋台を見つける!
『登場人物紹介』
≪エルエル≫
エルリア族のエルフ。ぐうたらで適当な性格。
アルルと共に聖樹の花を咲かせる為にフォークテイルタウンに住む。
≪アルル≫
フェアロン族の妖精。ツンツンしてしっかりものな性格。
エルエルと共に聖樹の花を咲かせる為にフォークテイルタウンに住む。
≪勇者エミー≫
魔王を倒す旅をしているヒュルド族の勇者。
仲間の≪ティオ≫、≪ユウギリ≫とフォークテイルタウンに滞在中。
≪フィオナ≫
フォークテイルタウンに住むヒュルド族の少女。エルエル達の友達。
≪フォークテイルタウン北・めがみはうす≫
ちゅんちゅん―――――
小鳥のさえずりを聞きながら焼いたパンを一口かじる。コップに注いだミルクを飲みながら壁の隙間から入ってくる爽やかな日差しを感じる。私はアルルとテーブルに座りながらのんびりとした朝を過ごしていた。
「あ~のどかな朝ですね~……」
「そうね~……」
少しの眠気が逆に心地よく自然とまったりした顔になる。アルルも気の抜けた顔でコップを持ちながらテーブルに広げた本なんか読んでいる。
最近暑い日が続いていたが今日は朝から少し涼し気な気候。過ごしやすい一日になりそうだ。
今日は珍しくまったりした日になるんだろうなぁ。なんて思っていると……。
「……?……くんくん」
家の外からあまり嗅ぎなれないなんだか香ばしくてとても食欲をそそる匂いがしてくる。なんだろうこれ。
「どうしたのよ?」
「なんか美味しそうな匂いがしますよ」
「……!本当ね。なにかしら?」
ドドドド……
「「ん?」」
そんな事を言っていると外から何かの音が聞こえてくる。
「なんですかね……?」
「外に誰か来てるのかしら……?」
ドドドドドドドドド……!!!!
何て会話してたのも束の間、どんどんその音は大きくなっていき家の中に居てもやかましいくらいになってくる。
「ああああ!!うるせえ!!!なんだこりゃ!!!!」
「外見てみましょうよ!!」
私とアルルはたまらず玄関まで走り扉を開ける。すると……。
「「え……えええええええええええええええええええっ!?!?」」
そこには今まで人気の無かったフォークテイルタウンの北エリアからは考えられない程の人がたくさん居て何に並んでいるのかめがみはうすの前を横切る様に大行列が出来ていた。
私達は外に飛び出てフォークテイルタウン中央エリアの方からずらーっと並ぶ行列を首を左右に何度も振りながら見る。
「ま、町の人達が並んでいるのかしら……?」
「何かあったんですかね……?」
私達はとりあえず行列に並んでいる人達が向いている方向を見る。あっちで何かやっているのかな。
そういえばこの先って何か知ってる物があった様な……。
と、そこで私とアルルは手をぽんと叩き考えつく。
「「勇者達のテント!!」」
「そうよ!この行列の先にあるのってエミー達が住んでる方向よ!」
「もしかしてアイツらまた何かやってるんですかね?」
「よし!行ってみましょう!」
私達は行列に横を沿ってエミー達のテントに向かって走っていく。
近付くにつれてさっきの美味しそうな匂いも同時に近付いてくる。
少し走るとすぐエミー達のテントの場所についた。が、その場所には見慣れない物があった。
「「な……なんじゃこりゃああ!?!?!」」
エミー達のテントの前には昨日までは無かった木で出来た簡易的なカウンターがある屋台が作られていた。
カウンターの席に座ったり、屋台の周りに座ったりして"何か"を美味しそうに食べている町の人達がいた。
屋台を見ると中に大きな鉄板があり、その上でユウギリは見慣れない鉄の道具を使って何かをせっせと焼いていた。
ずらーっと並ぶ行列はその"何かの食べ物の屋台"の順番待ちをしている人達だった様だ。
「いらっしゃいませー♡!!」
「ユウギリー!!もう1個追加だよー!!」
「あいよーでござる!!」
カウンターの奥でエミー達は忙しそうに料理を作ったり注文を取ったりしている。
この屋台やっぱりこいつらが開いたお店の様だ。
一瞬こちらをチラと見たエミーは顔をニヤニヤさせながらカウンター越しに肘を置いて話しかけてきた。
「あら~♡? そこの田舎者コンビのお客様~!横入りしないでちゃんと並んでくださ~い♡! きゃーはっはっはっは♡!」
「あっ!アルルー!エルエルー!おっはよー!」
「あ、おはよーでござる!忙しい!忙しいでござる!」
「な、なにやってんのよアンタ達……?」
「え~?屋台よ屋台♡ 見て分からない~♡?」
「だから何の屋台か聞いてんですよ」
「ククク……そこまで聞くんなら教えてあげるわ~♡
これは…… "焼きそば" の屋台よ♡!!!」
「「や、焼きそば!?!?!?!?!!
……って何?」」
私とアルルがそれを知らなかった事にエミーは自慢した手応えが無くずっこける。
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