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44 エルエル、妨害する!

 私達がいる岩場から海岸の反対側に位置する岩場を見る。

 するとエミー達は楽しそうにじゃんじゃんモンスターを釣り上げていた。


「入れ食い状態よーっ♡!!」

「エミー様!!見て見てー!私も釣れたよー!!」

「大量でござる!大量でござる!」


 エミー達の後方には釣り上げた(モンスター)達が重なって山になっていた。


「な、なんであいつらはあんなに釣れるんですか!!!」

「あっちの釣り竿は変な商人から買ったとはいえちゃんとした物らしいからねぇ……やっぱり、手作り釣り竿じゃ役に立たないのかしら……」

「おい!!!アルルまでそんな事言うなああああ~~~!!!!」

「揺らすな」


 釣り竿を振って竿の先に糸でグルグル巻きになっているアルルをゆらゆら揺らして遊んでいるとまたあちら側から声が聞こえてくる。


「わあ~すごいのです~!!」

「ゆ、ゆ、勇者さん達は釣りの才能もあるんですね!!」


「いやいや……それほどでも……あるけどね♡!! きゃーっはっはっははは♡!!!」

「えっへん!!」

「ござるござるござる!!」


 フィオナとボロニアはどんどんモンスターを釣り上げるエミー達を羨望の眼差しで見つめていた。

 そしてそんな2人に褒められると調子に乗ってエミー達は高笑いをする。


「勇者さん達すごいのです!ね!ボロニアお姉ちゃん!!」

「う、うん!フィオナちゃん!!」


 ボロニアはフィオナにくっついてすっかり心を開いている様だ。フィオナあいつ大人にかわいがられるコツを知ってる子供だな。全くいやらしい女ですよ。

 

「くっそ~あのガキと人魚野郎……!!こっちの事なんかすっかり忘れやがって裏切り者が~~……!!」

「なんでそこに矛先が向くのよ。別に何も悪い事してないでしょ」

「うるせー!!!じゃあこのイライラをどこにぶつければいいんですか!!!!

 ……あ、そうだ」

「何よ」



「奴らの釣りを妨害しましょう!!!」



 アルルは私の提案を聞くと呆れかえった顔ではぁと溜め息をついた。


「おらあああ!!!!!!!!!なに呆れてんですかクソアルルコラ!!!!!!!!」

「あのねぇ、このモンスター釣りはボロニアを助ける為にやってるんでしょ。妨害してどうすんのよ」

「うるせー!!アイツらとの釣り勝負に負けたらこの手作り釣り竿がショボいって思われたままだぞ!!」

「うっ……それはそうだけど……」


 当初はボロニアを助ける為に釣りをしようとは思っていたがそれは次だ。今は手作り釣り竿をバカにしたエミーに釣りで勝ってほえ面かかせるのが第一目標になっていた。


「いいですか?これから海に直接潜ってバレない様に奴らの釣り針近くまで泳いで行きます。そして釣り針になんか変な物ひっかけて釣れなくなる様に細工しましょう。単純だけどこれなら確実に奴らは釣れなくなります」

「エルエルアンタ本気で言ってんの……?その作戦はダメよ。だって……」

「かーっ!!!この後に及んでまだ悩んでるんですか!!!もういいです!!!私一人だけで行きます!!」


 優柔不断なアルルなんかほっといて私は軽く準備体操を済ませて奴らの方へ向かって海に飛び込む。


「いやそうじゃなくって今、海に入ったら……」


 アルルは何かを言いかけていたが着水音で最後までは聞こえなかった。


「――――」


 水中で目を開けると綺麗な海の世界が広がっていた。

 カラフルなサンゴや小さくて綺麗な貝や生き物が海底にたくさんある美しき青い世界。

 太陽の光が海の中に入って来てピカピカしていてとても幻想的な空間で少し感動する。

 綺麗だな……。それに海の中は冷たくて気持ちがいい。特に今日は暑かったからなぁ。


 そういえば、海に来たってのに全く泳いでいなかったな。こんなに暑いってのになんで泳いでいなかったんだっけ。

 あぁ、そうかボロニアを追いかけて来たモンスターが水中にいるからだったな。


 …………ん?モンスター?


 次の瞬間、私のお尻に何かがガブリ!と食いついた。


「――――!?!?!」


 その激痛に私は水面まで飛び上がる。


「おげええええええええええええっ!!!?!いでえええええええええええええ!?!!!」


 そのままの勢いでエミー達がいる岩場まで飛び上がりべちゃっと仰向けに倒れる。


「きゃあああっ!?!な、なによコイツ!?なんで海から出て来るのよ!?!!」

「エミー様、エルエル釣っちゃったの~?」

「人間も釣れるとは……やはり釣りは奥深いでござる……」


「ハァハァ……く、くそおおお……!!」

「だから言ったでしょ。今、海に入ったらモンスターに襲われるって」

「てんめええええ!!!もっと早く言えや!!!!!!」


 釣り糸でグルグル巻きのアルルがさっき飛び込んだ場所からパタパタ飛んできて呆れながら話しかけてくる。

 そして、その横でフィオナとボロニアが何故か真っ青な顔してこっちを見ているのに気付いた。


「え、エルエルお姉ちゃん!!お、お尻にモンスターさんがくっついてるのです!!」

「わ、わ、わ、わ!?た、た、大変です……!!」


「え……?ぎゃあああああああああああああああああっ!?!!?」


 魚型モンスター≪ビースト・フィッシュ≫が私の尻に噛みついてそのままビチビチしながらくっついてるのを発見した。手で引っぱたいたり殴ったりしても全然離れないので私は振り払う為にそこら辺をグルグル走り回る。


「おぎゃあああああああああああああああああっ!!!!」


「「「わはははははははははははは!!!!!!」」」


「ったく……本当バカエルエルなんだから……」


「てめえら見てないで早く助けろやあああああああああああ!!!!!!!」


 エミー達は私を指さしてお腹を抱えて大爆笑している。その横でアルルもとんでもないアホを見る目でこちらを見ている。こ、こいつら覚えておけよ~……。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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