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40 エルエル、ボロニアと話す!

 人魚がなんとか落ち着いた後、私達は全員自己紹介をした。


「わ、わ、わ、(われ)は≪ボロニア≫と言うでありまして……」


 このオドオドした気弱な人魚……もといウォーラ族のこいつは≪ボロニア≫というらしい。

 この間、エミー達を生き埋めにしようとした山『ライフマウンテン』の反対側に位置する『フォークテイル湖』の水辺にある里に住んでいると言う。

 ウォーラ族は水中でも呼吸が出来るらしく、その湖からこの海岸まで通じる水路を通ってここまで来ていたという事。


「ふーん……で、ボロニアはこんな所まで来て何をしていたんですか?」


「は、はい……。だ、だ、大好きな歌の練習をしていたんです……」


「歌の練習?まぁ歌うならこういう広い場所の方が気持ちいいもんね」


「そ、そ、それもあるんですが……さ、里のみんなに我が歌っているところを見られるのが恥ずかしくってですね……。わ、我が歌うのが好きなんて里の誰も知らなくって……。ま、ま、まぁ我の歌なんか他人様に聞かせられる様なレベルじゃない酷い音痴ボイスというか……誰にも聞かせず一人で孤独に歌ってる方が我なんかにはお似合いかなというかなんとというか……え……え、えへへへ……」


 ボロニアは人差し指で地面をいじいじしながら引きつった半笑いで結構ぺらぺらと喋りまくる。


「なんか卑屈すぎて逆に嫌な感じですねコイツ」

「やめなさいよアンタ……」


「田舎者に賛同したくないけど私もそう思うわ」

「小心翼翼でござる」

「ねーねー。お魚さんの部分って食べられるの?」


「ひいいいいいい!!ご、ご、ごめんなさいいいいい!!う、う、産まれて来てごめんなさいいいい!!お、お、音痴でごめんなさいいいいいいいっ!!!」


 ボロニアはまたビクビクしながら地面に丸まってしまった。

 直後、アルルに後頭部をドカッと強めに殴られた。痛い。


「そんな事ないのです!!」


「は、はわわわっ!?!」


 フィオナはしゃがみ込み怯えているボロニアの手を優しく掴む。


「ボロニアお姉ちゃんの歌声はすごく素敵なのです!!私達とってもとっても感動しちゃって聞き入っちゃったのです!!ね?お姉ちゃん達!」


「うん、そうよ!!私も感動したわ!!」

「ボロニアは歌上手だよね~!!」


 アルルとティオがフィオナに便乗して褒める。アルルとフィオナがこっちをジロリと目くばせしてくる。

 ちっ。このまま褒めなきゃまた私が悪者になりそうな流れだ。まぁ……実際歌はめちゃくちゃ上手かったしな。


「うん。私も歌すごく良かったと思います」

「そうね!勇者である私の次くらい上手かったわ!」

「ござる!ござる!」


 エミーとユウギリも便乗してきやがった。


「里のみんなもボロニアさんの歌声を聞いたらとっても感動すると思うのです!!」


「あ、あ、あ、あ……ありがとうございましゅ……!」


 フィオナの言葉にボロニアは顔を真っ赤っかにして俯いてしまった。だけど顔はニヤニヤしてて凄く嬉しそうだった。


「で、でも……」


 ところが一変してさっきみたいなしょぼくれて悲しそうな顔になってしまった。


「わ、我、里に帰れなくなっちゃったんです……!」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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