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32 エルエル、伝説の剣を折る!

≪現在の目的≫

 鉄鉱石を掘って鍛冶屋のおじさんに届ける依頼(報酬:10000ルピー)をこなす為、山の採掘場で採掘中。

 勇者パーティとどちらが先に依頼をこなせるか勝負中。

「うえーん!!やめてよー!!」

「に、忍法土遁の術でござるか……ぶべっ!?」

「おげっ!!土が口に入った!ぺっ!ぺっ!!お、お、お、お前ら絶対黒焦げにしてやるわああああ!!!」


 スコップで穴に土を放り込み続けていると中から負け犬共の遠吠えが聞こえてきたので、私はこれ見よがしにさっき勇者が穴に落ちそうな時に盗んだ剣を取り出す。


「へーw 電撃が出るこの伝説の剣が無くてどうやって黒焦げにするつもりなんですかぁ?w」


「あっ!!わ、私の剣!!!か、返せーっ!!!」


「うるせええええー!!!!!!さっきはよくもやってくれたな!!!

 伝説の剣がなんぼのもんじゃーーーい!!!!!!」

「えっ」


 私は剣を思いっ切り振りかぶる。


「あっ!!!ちょやめ………!!!!!!」



 パキィーーーン!!



 刃を横にして近くにあった適当な岩に刀身を思いっ切り叩きつけてやると伝説の剣は簡単に折れた。強く叩きすぎて手が少ししびれる。


「わはははは!!!!どうだーっ!!!ざまあないですねぇ!!!!」


「ぬわーーーっ!!!何してくれてるんだあああああああ!!!?!?!」

「えーっ!!伝説の剣折れちゃったーっ!!」

「じょ、浄化の剣が……」


「ちょ……!!エルエルアンタ……!?それ折って良い物なの!?!なんか凄い剣なんじゃないの!?!?」

「えっ……?駄目だった……?」


「それは唯一"魔王"に対抗できると言われるこの世界に一つしかない≪伝説の剣≫なんだぞおおお!!!?!!どうしてくれるんだああああああああ!!?!!?」


「………」


 魔王だの伝説だのはよく分からないが……。どうもとてつもなく価値のある剣だった様子だ。

……なんかとんでもない事をしてしまった気がしたのでとりあえず折れた剣を穴の中に放り投げる。


「ごめん……やっぱ返すわ……」


「今更返すなああああああ!!!!!!……うわっ電撃が出ない!!やっぱり使えなくなってる!!!」


 穴の中の勇者は折れた剣を持ってあたふたしている。

 私はアルルと「どうしよ……」と言った顔を見合わせる。


「……ど、どうするのよ?」

「……アルル、逃げる準備できてますか?」

「……そうね逃げましょうか……って、ん……?」

「「ひいいいいいいっ!?!!」」


 騒いでいた音に反応したのか落とし穴の向こう側から"ある物"が私達に真っ直ぐに迫って来ているのが見えた。私とアルルは"それ"に恐怖し抱き着いて震え上がった。


「「ぎゃあああああっ!!!許してえええええ!!!」」


「……?は、はあああ!?何言ってんのよ!!今更謝ったって遅いわっ!!あんたら出たら絶対許さないんだから!!早くここから出しなさい!!!!」

「アルルー!おしおきだからねー!」

「我が妖刀の錆になるがよいでござる……!」


 勇者達は自分に許しを乞われていると勘違いをして穴の中から私達に向かって叫ぶ。そして穴の向こう側から真っ直ぐ私達に向かって来た"それ"は落とし穴にすっぽり落ちて勇者達の上に落ちた。


「ぎゃっ!?!?な、なによこれ………って……」


「「「ひいいいいいいいいいいいいいっ!?!?!!?」」」


 それはさっき見た触手植物モンスター≪プラント・ダンサー≫だった。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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