21 エルエル、泥棒をこらしめる!
「「待てやゴラアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」」
「あ、あいつらまだ追って来るでゲス……!!こうなったらこっちへ……!!」
頑張って追いかけているが基本的な運動神経が終わってる私とアルルは少しずつ少しずつ走って距離を離される。が、私達の怒りのボルテージはマックスなので一切諦めずに追いかける。
私のルピーが無くなったのは全部コイツのせいなので(そうだっけ?)こいつをとっつちめるまでは気がすまない。泥棒は私達の剣幕に恐れる様に狭い路地に入っていく。
「しめたっ!!エルエル!!挟み撃ちにするのよ!!」
「挟み撃ち?」
「そうよ!!狭い道に入って行ったなら1人向こう側に回り込めばこっち側の1人とで挟み撃ちに出来るわ!!!」
「………いや、違うな」
「え?」
私は走りながらアルルに顔を近づけヒソヒソ耳打ちする。
「え……ええええっ!?!?そ、そんな逃げ方するわけないでしょ!!!!」
「いいや絶対する!!!アルル頼みましたよおおおお!!!!!」
「えー……も、もうしょうがないわね~~~っ!!!」
アルルは飛び去り私とは別行動し始める。私はそのまま追いかける。
「まてええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」
「ゲッ!まだ追って来るでゲス!?!?」
私は狭い路地裏を追いかけていく。店の裏だったり建物と建物の隙間なので物や障害物がいっぱいある。
むっ。アイツこういうゴチャゴチャした場所も走りなれてるのかスイスイ進んでいくぞ。だが…。
「私も負けるかああああああああああああ!!!!!!!!」
「ゲゲッ!?」
私もゴチャゴチャした狭い道をスルスルと走って行く。木々が多い森の中に暮らしていたので複雑な道を走るのは結構得意なのだ。
ラピス様にイタズラをして逃げる時とかこういうごちゃついた道を走っていたな。たまに派手に転んでいたが。
私の方がこういう場所を走りなれていたのか少しずつ泥棒との距離を詰めていく。
「くぅーっ!!しつこすぎるでゲス!!!こうなったら上に逃げるでゲス!!!」
「あっ!!!!」
泥棒は身軽に建物の壁にある窓の縁や雨どいを足場にして建物の上の方にあがっていき、建物の屋上に手をかけた。
「ヒャッハー!!ここまでは追って来れないでゲス!!!!!………え?」
泥棒は屋上によじ登ろうとすると、目の前には黒髪のかわいらしい妖精が待っていた。
「行けええええええええ!!!!アルルーーーーーー!!!!!!!!!!!!」
「しねえええ!!!!!!魔法≪アルル式ドロップキーック≫!!!!!!!!!!!」
「なっ……!?なんだとおおおおおおげええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
アルルの蹴りが泥棒の顔面に思いっ切りヒットし、泥棒は屋上から突き落とされ通りのゴミ捨て場の袋の上に落ちた。泥棒は白目をむきながらピクピク動いてる。
「「やったああああああああああああああっ!!!!イエーイッ!!!」」
屋上から飛んで降りてきたアルルとハイタッチする。
「ほらね!やっぱり真っ直ぐ逃げないで上に逃げたでしょ?そこで飛べるアルルが待ち伏せして突き落とす作戦成功ですねー!!!!」
「エルエルアンタやるじゃない!!でも……どうして泥棒が上へ逃げるって分かったの?」
「フッフッフ……簡単な事ですよ……」
「な、なに……?」
「あれは私が幼かった頃……ラピス様のスカートをめくったイタズラをして逃げていた時だった……」
「……え」
「森の大人達から追いかけ回されていよいよ逃げ場がなくなった時、そうだ!木の上なら見つからない!と思って木に登り逃げてやり過ごせた過去があったんです!」
まぁ結局その後見つかってラピス様からこっぴどく怒られたけど。
「……」
「あの泥棒もおそらく逃げながらその時の私と同じメンタルをしていたと考えましてね。"追い詰められたら上に逃げる"と思ってね!!!!どう?私も結構やるでしょ?」
「……なんか感心してたのがアホくさくなったわ」
「なんでだよ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ゴソゴソ。
「「ん?」」
泥棒が落ちたゴミ袋の方を見るとコソコソと泥棒が逃げ出すのが見えた。
「「あーっ!!!逃げるなーっ!!!!」」
「い、いてて~……!クソッ!あんなバカガキ共に捕まるなんてあっちゃいけないってんでゲス……よ……」
「へぇ……お兄さん。何があっちゃいけないって?」
さっきの宝箱屋のお姉さんと大男達が泥棒の前に立ちふさがっていた。泥棒は口をあんぐり開けながら震え上がる。
「あ……いや……その……」
「私達の街で盗みを働こうなんてやって舐めたお兄さんだねぇ……。お前らやっておしまい!!」
「「「押忍、姉さん」」」
「ひいいいいい!!ごめんなさいでゲスうううう!!!!!!!!!!!!!」
お姉さんが指をパチンと鳴らすと大男達が泥棒を拘束し、建物の陰に連れ込んでいく。鈍い音と共に泥棒の悲鳴が聞こえてくる。
「……あの店にはもう近付かない様にしましょ」
「うん……」
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