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1 エルエル、アルルに出会う!

 魔法『ボディーブロー』の痛みがようやく引いて立ち上がろうかと思った瞬間、目の前をピカピカ光る小さい何かが通った。その光はラピス様の横で止まり喋り出した。


「全く…こんな"バカ"が私の相棒になるわけ…?」


 その光の正体はよく見ると手の平にも乗りそうな小さな女の子だった。

 私はあまり見た事ないけどたしか妖精族の…ええとなんて言ったっけな。


 フリフリふわふわな薄着の服を着て背中からはその小さい身体よりも大きな透明で綺麗な羽根が生えていた。妖精にしては珍しい黒髪をかわいく長いツインテールにしてある。

 その妖精の女の子は腰に手を当て「はぁ」とわざとらしく溜め息をついて呆れた様子でこちらを見ていた。


 って…。


「誰が"バカ"だゴラアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」


 なめやがって。私を馬鹿にした奴は許せない。この怒りはこのチビを殴るまで決して収まる事はないだろう。暴力が良くない?ふざけるな。私はムカつく奴は徹底的に潰す事にしています。そこに浮いてる小さい妖精に向かって拳を振り上げながら私は走って近付いた!


「よしなさいエルエル」


「はい」


 またしてもボディーブローを打つの体勢をしたラピス様に身の危険を感じ身体を急静止させる。怒りや争いは無駄な事ですよね。うん。


「彼女の名前は≪アルル≫、森の妖精フェアロン族の子ですよ」


 ラピス様の説明でやっと名前を思い出した。

 そうだ。エルリアの森から少し離れたフェアロンの森に住む妖精『フェアロン族』だ。

 エルリア族とも親交が深くて(私は引きこもってたから全く交流ないけど)ラピス様はフェアロンの森に住むあっちの女神様と仲良しらしい。


「フェアロンの一族も15歳になったら我々と同じ様に修行の旅を出る習わしになっているのは当然知っていますよね?」


「へぇ、そうなんですか?知らなかったです」


「…そうでしたね。貴方はいつも学校では居眠りしていましたからね。そりゃ知りませんか。そうですよね。聞いた私がバカでした。そうなんですよ。覚えてくださいね」


 くそっ。嫌味を言われた。答えなければ良かった。


「彼女もエルエルと同じ…理由があって15歳になってもまだ修行の旅に出ていなかったのです」


「ぷっwだっさwってかこんなチビが私と同い年とか嘘ですよねw?」


 私はこの生意気な妖精の弱みを見逃さずすかさず突く。私はさっきバカと言われた事をまだ許していないですよ。


「チ…チビですって!?!?!?」


 ははは。このアルルとか言う奴、顔を真っ赤にして怒ってやがる。ださい奴ですね。


「アンタも修行の旅出てなかったのに他人をバカにできる立場じゃないでしょ!!このバカ!!!」


「はああああ!?うるさいんですけど!!しかもまたバカって言いましたねこのクソチビがああああ!!」


 このアルルとか言うやつ人の弱みをつついてくるなんてなんて性格の悪い奴なんだ。思わず私は顔を真っ赤にしながら怒鳴り声をあげた。


「クソチビ…!?アンタ私を本気で怒らせたわね…!」


 アルルは綺麗な羽をパタパタさせながら空中を移動し私の目の前に小さい顔を突き出して来た。へっ、そんな幼くて小さい顔にいくら睨みつけられても怖くないですよ。しかし、私にそんな顔が出来るという事は私は舐められているという事なのか。腹が立ってきた。私もとびっきり怖い顔をして小さい顔をにらみ返す。


「なんですか!?!!!!!!?!?!」


「なによ!?!!?!?!?!!!!!」


「黙れガキ共!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「「はい」」


 お互い身の乗り出してギャーギャーと罵り合っているとラピス様がとんでもない表情で机を拳で叩き割り怒鳴り散らした。私もアルルもその声でピタっとケンカを止めた。こいつもラピス様には逆らえないようだ。


「いいですかエルエルにアルル」


「は…はい…ラピス様」


 私は聞く耳持とうとはしなかったが横でしゅんとした表情でちゃんと話を聞く態度を取るアルルがいるせいで空気的に私も真面目に聞かざるをえない。ちっ。このアルルとか言う奴、良い子ぶってんじゃないですよ。


「社会不適合者のあなた達では一人で外に出て普通の旅や冒険をするのはとても危険で難しいでしょう…というか無理でしょう」


 おい。随分ハッキリ言うな。もうガキ共に忖度(そんたく)して話すのがめんどくさくなったと言った表情をしながら続けた。


「そこで…」


 コホンと咳払いをすると満面の笑みを浮かべてラピス様はこういった。




「≪エルエル≫と≪アルル≫、"2人でコンビを組んで修行の旅に出てもらう"事にしましたー!」




 は…?




「はああああああああああああああああ?!!?!?!?!」

ここまで読んでくれてありがとうございます!

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