18 エルエル、宝箱屋に行く!
≪エルエル 残金:50ルピー≫
ベンチで頭を抱え悩みこんでしばらく経った。
「これだけじゃもう何も買えない……。ど、どうにかしてお金を稼がないと……」
これじゃアルルの言う通りまともに買い物も出来ない奴みたいじゃないか。くそっ絶対バカにされる。
そんな風にどうしようかと悩んでいると表通りの建物の隙間からチラリと見える裏路地の建物がふと目に入る。
「な、なんだあの店……?」
建物自体は表通りに立つ他の建物と同じ様な作りだが、"宝箱屋"とだけ書かれた派手な看板が見えた。狭い通りを抜けて近付いてみると中から怪しげな音楽が漏れて聞こえてくる。
「宝箱屋……ってなんだ?箱を売ってるお店なのかな?……ん?」
扉には紙が貼ってあり、そこにはこう書かれていた。
≪「宝箱屋」:運試しで誰でも億万長者になれるチャンス!!そこのあなたの所持金もたった数分で100倍になるかもしれない!!!50ルピーから挑戦できます!!誰でもお気軽にどうぞ!!≫
「はぁ……」
私はその文言を見てひとつ溜め息をついた叫んだ。
「なんて良い店なんだ!!!!!今の私にピッタリの店じゃないですか!!!!!!!」
店名の意味はよく分からなかったがお金を増やせるという事ですぐに扉を開け店に入った。
●
店内は入るとすぐにカウンターがありそんな座り心地がよくなさそうなソファーが置いてある。部屋の中は気味の悪い色のランプで照らされ、薄っすら怪しい音楽が流れている。まぁなんというか……悪趣味な感じだな。
奥には小さい舞台がありその上に宝箱が意味深に2つ並んでいた。なんだろうアレは。
カウンターの中にはなんだか怪しげな雰囲気を持つお姉さんがいて"私の前に入店したお客さん"にこの店でどうやってルピーを増やせるのかを説明をしていた。丁度いいや。私もすぐ後ろで聞いておこう。
「ウフフ……まず、ルピーを賭けていただくのね。賭ける最低額は50ルピーよ」
店員らしきお姉さんがカウンターに肘を乗せ長い煙管を吹かしながら妖艶な態度で喋る。ふむふむ。良かった、ギリギリ50ルピーあるぞ。
「そしてあの奥の舞台の上にある2つの宝箱……。その内のひとつを選んで開けてもらうのね。
≪"当たり"だったら倍額のルピーが入ってるし、"外れ"だったら何も無し……≫
選ぶ前に一旦、袖の幕を閉めてこちらから見えなくなってる内にウチの従業員が"当たり"の箱に賞金を入れさせてもらうわね。」
なるほど『①2つある宝箱の当たりを当てるってゲーム』なんだ。
そして『②当たればルピーは倍に、外せばルピーは全没収』というわけか。ここはそういうゲームをするお店って事なんだな。
「当たりだった場合ダブルアップチャンスとしてその倍額のルピーを賭けて更に同じルールで挑戦できるわ。その回数に限度はないわ。いつ辞めてもいいし店が潰れるまで勝ち続けてくれても結構よ……ウフフフ……」
ふむふむふむ。当たりの宝箱を当て続ければ無限にルピーが手に入るって事か。……すごいな。森の外にはこんな都合のよいお店があるのか。
「「簡単にルピー稼げるじゃん!この店!」」
おっと。先に入ったお客さんとハモってしまった。声的には女性かな。私と息が合うなんてそうとう可愛くて良い子なんだろう。私はそのお客さんを見る。
そのお客さんは手の平にも乗りそうな小さい女の子で綺麗な羽ではためかせその場に飛んでいた。フェアロン族の女の子かな。黒髪ツインテールで私の知り合いそっくりだった。
その女の子は私がさっき食べてたのと同じイチゴクレープを片手に持ちもぐもぐ食べながら「ゲッまずい」と言った様な表情でこちらを見た。
……ていうかアルルだった。
「てんめええええええええ!!!!!クソアルル!!!!!!!私にあれだけ言っといてお前もルピー無駄遣いしてんじゃねええかあああああああああ!!!!!!!!!!」
「う、う、う、うっさいわねええええ!!!!!!!べ、べ、べ、別にそこまでの出費じゃないし良いでしょおおお!!!!!!!!」
「はあああ!?!?!450ルピーも使っといて何がそこまでの出費じゃないだ!!!!!!!!このクズめえええええ!!!!!!!!!」
「……ん?なんでこのイチゴクレープが450ルピーって知ってるのよ」
「あっ」
「あー!!!アンタも食べたわね!!!!!!!そういやなんかアンタからも甘い匂いがするわ!!!!!!!!」
「く、く、く、食ってねーわ!!!美少女だから良い匂いするだけですし!!!!はぁ!?!!!なに……なにお前!!はぁ!?!?!!」
「じゃあルピー入ってる袋見せなさいよ!!!残りの金額で分かるわ!!!!」
「……これから増やすからノーカンだし」
「やっぱり買ったのね!!?!?!このクズ!!!!!!!!!!!!」
「うるせええええええ!!!!!!!!!!お前もだろがああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
「お嬢ちゃん達……やるの?やらないの?」
店でまた言い争いをしているとお姉さんが苦笑いをしながら私達に問いて来る。
アルルと険しい顔のまま睨み合う。
「ど、どうすんだよ……」
「……や、やるしかないでしょ。50ルピーじゃ何も買えないし……」
「よ、よし……!!や、やりまーす!!!!!」
こうして私達は宝箱屋のゲームに挑戦する事になった。
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