天上にいる人達 その3
天上会
NO1「万能」 ウリカ
NO2「賢者」 マーリン
NO3「進化」 マナン
NO4「存在」 オイゲン
以上四名が天上会の総数。私が集めた人間の形した化け物達だ。
「今日も来てくれてありがとう。新年一回目の集会ですね。
やることは今年の活動方針と予定を話し合おう。」
「新年ってもう三月じゃないかー」
はいそこうるさーい。いいの。三月でもまだ九か月あるんだから。
「この三か月何やってたんだー」マナンが次々と口を挟む。
朝ご飯を作ってくれなかったことを根に持っているのか。
「今日はどんな話題があるのですか。」マーリンが話題を振ってくれる。
気を取り直して
「たくさんありますよ。
・奴隷解放軍の結成。
・商人の連続不審死
・異様に情報が早い新聞社。
・ダス監獄の大火事
・謎の家畜大量死
などですかね。」
私と子供たちが集めた情報を開示する。
得た情報を私の持つ思考系能力と記録能力で精査し、不審に思った情報や興味を持った情報だ。
「奴隷解放軍かぁ」オイゲンが口走る。
やはり注目するのはその話題だ。
「またすぐに無くなってしまうんじゃない。」マナンがクッキーを見ながら言い一口で食べる。
今までこのような組織は出来ては消えを繰り返してきた。一時期は話題になるがすぐに国からの圧力で消滅する。だから注目はするがそこまで期待はしていないのだ。私を除いて。
「今回の組織は期待できるわ。この資料を見て。」
私が用意した資料を配る。その資料は解放軍の構成員とその素性、結成場所と今までの活動記録。
団長はバドルという男。世界有数の奴隷市場アンブローから突如として現れ、売られていた奴隷を開放。奴隷達の暴動により、市場の関係者達が大勢死亡。暴動と言われているが実際に手をかけたのはあの男だろう。そこから多くの同志を集め、南に向かっている。
「この男本気ですね。」マーリンが冷静に分析する。
「今までは一国の奴隷制度を廃止しようと動くこと組織がほとんどだったが、この人たちは世界を変えるつもりだ。」
「南に向かっているのも、民族主義のマウンティア帝国に助力を得るためだろーねー。」
「マウンティア帝国も植民地時代の名残で協力する可能性が最も高いでしょう。」
「西側諸国もそれがわかって徹底的に潰しにかかるだろうな。」
資料に目を通して途端態度を急変した。
「その為の戦力も十分にあるわ。特に”烏”にいた男と左派の元大臣。他にも強力な能力者を有している。」
「この子なんてきっと神器能力者よ。バドルもそう。ウリカ欲しいんじゃない?宝の山よ。」
確かに強力な能力者を見つけてはコピーするために出向いていた。今でも行っている。
だがこれは
「私は今回、この組織を賭けようと思う。世界に多大な影響を与えると踏んでいる。」
能力ではなく能力者本人に興味を持っている。だからただコピーするのではなく、彼らの成長性を観察することに決めた。
「俺は構わないが、研究施設には近づけないでほしい。」
「あたしはどうでもいいからお好きに」
オイゲンとマナンは賛成する姿勢だ。予想外なのはマーリンだ。即答すると思っていた。
少しの沈黙の後
「私も一枚かませてNO1「万能」 ウリカ
NO2「賢者」 マーリン
NO3「進化」 マナン
NO4「存在」 オイゲン
以上四名が天上会の総数。私が集めた人間の形した化け物達だ。
「今日も来てくれてありがとう。新年一回目の集会ですね。
やることは今年の活動方針と予定を話し合おう。」
「新年ってもう三月じゃないかー」
はいそこうるさーい。いいの。三月でもまだ九か月あるんだから。
「この三か月何やってたんだー」マナンが次々と口を挟む。
朝ご飯を作ってくれなかったことを根に持っているのか。
「今日はどんな話題があるのですか。」マーリンが話題を振ってくれる。
気を取り直して
「たくさんありますよ。
・奴隷解放軍の結成。
・商人の連続不審死
・異様に情報が早い新聞社。
・ダス監獄の大火事
・謎の家畜大量死
などですかね。」
私と子供たちが集めた情報を開示する。
得た情報を私の持つ思考系能力と記録能力で精査し、不審に思った情報や興味を持った情報だ。
「奴隷解放軍かぁ」オイゲンが口走る。
やはり注目するのはその話題だ。
「またすぐに無くなってしまうんじゃない。」マナンがクッキーを見ながら言い一口で食べる。
今までこのような組織は出来ては消えを繰り返してきた。一時期は話題になるがすぐに国からの圧力で消滅する。だから注目はするがそこまで期待はしていないのだ。私を除いて。
「今回の組織は期待できるわ。この資料を見て。」
私が用意した資料を配る。その資料は解放軍の構成員とその素性、結成場所と今までの活動記録。
団長はバドルという男。世界有数の奴隷市場アンブローから突如として現れ、売られていた奴隷を開放。奴隷達の暴動により、市場の関係者達が大勢死亡。暴動と言われているが実際に手をかけたのはあの男だろう。そこから多くの同志を集め、南に向かっている。
「この男本気ですね。」マーリンが冷静に分析する。
「今までは一国の奴隷制度を廃止しようと動くこと組織がほとんどだったが、この人たちは世界を変えるつもりだ。」
「南に向かっているのも、民族主義のマウンティア帝国に助力を得るためだろーねー。」
「マウンティア帝国も植民地時代の名残で協力する可能性が最も高いでしょう。」
「西側諸国もそれがわかって徹底的に潰しにかかるだろうな。」
資料に目を通して途端態度を急変した。
「その為の戦力も十分にあるわ。特に”烏”にいた男と左派の元大臣。他にも強力な能力者を有している。」
「この子なんてきっと神器能力者よ。バドルもそう。ウリカ欲しいんじゃない?宝の山よ。」
確かに強力な能力者を見つけてはコピーするために出向いていた。今でも行っている。
だがこれは
「私は今回、この組織を賭けようと思う。世界に多大な影響を与えると踏んでいる。」
能力ではなく能力者本人に興味を持っている。だからただコピーするのではなく、彼らの成長性を観察することに決めた。
「俺は構わないが、研究施設には近づけないでほしい。」
「あたしはどうでもいいからお好きに」
オイゲンとマナンは賛成する姿勢だ。予想外なのはマーリンだ。即答すると思っていた。
少しの沈黙の後
「私も一枚噛むでもよろしいですか?ウリカ。」
挙手し冷静に私を見つめる。
「構いませんが何をなさるのですか?」
マーリンの活動は主に教育だ。国や民族関係なく来訪し、教えを説く。それは宗教的意図ではなく、人はみな教育を受けるべきという彼の信念によるものだ。
「ウリカ程関わることはありません。ただ然るべき時に尋ねるでしょう。」
これ以上聞いても何も答えないだろう。彼は至って穏やかで友好的だが、謎が多く秘密主義だ。
私が能力を併用しても彼の意図を図ることはできない。
それから話は続き、このような結論に至った。
「例の新聞社は私の知人がいるので調べてみましょう。」
マーリンが新聞社を調べ
「家畜の大量死はマナンが調べなさい。おそらくあなたにしかできないわ。」
大量死の件はマナンにお願いした。
そしてダス監獄の大火事は
「俺が警戒しておこう。ダス監獄はうちの近くだからな。」
オイゲンが進言したがおそらく触れないだろう。警戒するだけ。私を含め他二人も同じだろう。
対処しなければならないができない。それほど危険な案件なのだ。
「そういえば目撃情報から大火事の犯人を”火の鳥”と呼称するってうちの国は言ってた。」
火の鳥か。お似合いだね。奴隷解放軍とはまた異質の種。世界を炎で飲み込む火種だ。
「それじゃあ解散。またいつか。」
こうして天上会の集会は終了した。