↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fortune-teller  作者: marimo
ため息
PR
94/266

ため息4

 東条さんが学校に来てしまい、先生が近くにいたために、仕方なく、東条さんのところに行った。

「来てくれたんだな」

「行こう。ここだと人目があるから」と言ったら、

「そうだな」と言った顔がかなり元気がなかった。

「どうかしたの? 自信満々だった人が変だね」

「占いができない」と言ったので、噴出した。

「ありえないでしょ」

「声が聞こえてくるから」

「声って?」

「『さようなら』って」

「誰が言ったの?」

「お前」と言われて考えてしまった。この人は今まで、そういう言葉を言われたことがないのかもしれない。

「あなたって、自信満々の塊みたいな人だと思ってたけれど、意外と打たれ弱かったね」

「お前にだけは言われたくない」

「こっちも同じよ」とそっぽを向いた。


 ケーキセットを奢ってもらいながら、カフェの個室で話をしていた。ここのカフェは区切りがいっぱいあって、個室が多くなっている。

「謝るよ」何度目かのその言葉を、しらけた顔で見たら、

「冷たい目線で見るなよ」

「魅力がないもので」

「完全に根に持ってるだろ」

「当たり前でしょ。好みじゃないとか言われるなら分かるけど、魅力がないって聞き捨てならない。たとえ思っていても口に出さなくてもいいでしょ。こっちだって思っててもそこまで言わないわよ。相手が失礼な人じゃない限りね」

「ごめん」珍しく素直に謝ってきた。

「どうかしたの? 自信満々の服はどこかに脱いできた?」

「俺、無神経だったかもしれないな」

「今更、言わないでしょ」

「浅木に怒られた」

「なんて?」

「気づいてないだけだってさ。俺には何も言わずにそばから離れる人も多いって言ってた。はっきり嫌いな部分を言葉に出してから別れるよりは、そっとしておきたい人もいるから、気づいてないだけらしい」

「浅木さんもそう思ってたんじゃない」

「希恵《きえ》はそういうところで、言わない女だから」

「呼び捨てにしてるんだ?」

「時々ね。ただ、返事してくれない時があるけど」

「だったら、嫌なんだろうね。未練もなさそうね。他に好きな人がいるだろうし」

「噂を聞かないぞ」

「大学の人に内緒にしてるだけでしょ。社会人かも知れないね。大人っぽい人だし、美人だから、誰かいるに決まってるでしょ。あなたとだけ付き合ったとは、とても思えないからね」

「失礼だな」

「人には散々言っておいて、自分が言われると怒るの?」

「そうだったな。悪かった。謝るよ」

「ふーん」

「けんかしたままは嫌だし、お前がそばにいないと落ち着かないし」

「怒らせておいて、それは無理でしょ。そばになんていたくない」

「無理だったんだよ」

「なにが?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。