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Fortune-teller  作者: marimo
17.芸能学校
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芸能学校4

 母のお客さんの紹介で客室乗務員をしていて、今はマナー教室を開いている人のところに話を聞きに行ったり、有名スポーツ選手が通うスポーツジムにトレーナーをしているスタッフに話を聞いて、業界の事情を教えてもらった。話は面白いものから大変な苦労話まで色々あったけれど、どこも想像していたのよりははるかに大変だと思い知らされた。


「面白そうだね。私も一緒に聞きに行けばよかった」怜奈ちゃんがデートの帰りに家に遊びに来て、色々あったことを相談した後に言われてしまった。

「デートのほうが楽しいよ。苦労話って尽きないんだね。客室乗務員って、立ち仕事で時間が不規則で腰痛がひどくなることもあるし、体力がないと難しいんだって。楽しいことばかりじゃないらしいの。女性が多い職場だと色々あるって」

「そうだろうね。芸能界と同じじゃないの?」

「それに、スポーツ選手もドラフトとかで鳴り物入りで入っても、2~3年以上残る人があまりに少ないんだって。小学生から始めて、高校や大学に来るまでに体を酷使しているから、故障に悩まされたりする。それをマッサージしてもらったり、針や温泉治療したり、身体のケアには人一倍気を使うような人じゃないと無理だって。一流選手ほど、練習時間が長いし、ノートを何冊も持っていて勉強していたり、身体も道具も大切に扱うんだって」

「そうかもしれないね。夜遊びばかりしてたって、強くなれないだろうし」

「息抜きはするかもしれないけれど、程々だと思うって言ってた。息抜きも大事なんだって。身体をきちんと休めてあげるのも大事だと言っていたし、気持ちを切り替えられるような人のほうがいいって。野次は飛ばされるし、街を歩いていて試合の勝ち負けやフォームや采配などで、知ったかぶって色々言われるらしいの。そういうのもあしらわないといけないから大変なんだって」

「へえ、そういう話までしてくれたんだ? 真珠が高校生だからかもね」

「え、どうして?」

「だって、真面目に聞きに行ってるから、相手も教えてくれるんだと思うよ。ミーハーな聞きたがりなだけだったら、そこまで教えてくれないよ」そう言われたら、教えてくれなかった人も多かったけれど、割と親切に教えてくれたかもしれないなと考えていた。

「真珠って、真面目だよね」

「本を読んだって分からないもの。聞いたほうが早いじゃない」

「そういうところの行動は早いのに、何で恋愛になると躊躇するのか。神宮寺と仲直りしたの?」

「家まで行った」

「あ、何だ、行ったんだ?」

「さすがにあのままじゃ嫌だからね。だから、バイトの帰りに行った」

「それで?」

「牛丼で許してもらった」

「安上がりだなあ」

「大盛り2杯食べてた。男って良く食べるね」

「いいじゃないの、それぐらいで仲直りできるならね。神宮寺って意外と単純なのかも」

「でも、ほっとした」

「神宮寺とデートしてあげたら?」と聞かれてむせた。

「なに?」

「今度、一緒に勉強はするけどね」

「それはデートとは言わない」と呆れられてしまった。


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