芸能学校2
「自分の魅力をわかって、セルフプロデュースする能力が必要だと思うわ。同じ実力なら魅力的な人のほうが印象に残るでしょ。いくら、歌が上手でもその人自身の持っているイメージが良くないと駄目でしょう? 自分が異性にモテると思うなら、そこの部分をアピールして演出しないといけないし、同性に応援してもらえるような歌手になりたいのなら、真似したいと思うようなファッションをしてみたり、自分の似合う髪形を色々試したり、自分で詩を書いて自分の世界をアピールするわけ」
「なるほど」
「そういう部分で自分が分かっていない子、状況判断ができない子だと、すぐにいなくなっちゃうからね。受け答え一つで色々言われてしまう世界だし。受け答えが下手な子だと、性格が分からないように露出を控えるという戦略も使うことがあるけれど、それだとある程度知名度が出ないと難しいし、それなりに魅力がないと固定客がつかないしね」
「固定客ですか?」
「そうね。アニメソングだと、それで注目してくれるお客がいるし、同性なら等身大の同年代の子に訴えられるような曲を作っていかないといけないしね」
「はあ」
「そういうので色々がんばってもね、中々売れないのよ。何年も売れなくて、そのうちプッシュしてもらえなくなるの。結果がいつまでも出ないとね。目をかけてもらえない子だっていくらでもいるしね」
「人間関係も大事でしょうか? 力を持っている人に取り入れるような」
「ああ、それね。確かにそれって大事なのよね。ただ、それだけだと長く続かない。自分の魅力を開花させてくれるような相手を見抜く力も必要だけれど、お客様が応援してくれるような子じゃないと難しいわよ。例えば、売れた途端にわがままになる子って、結構多いけれど、それで悪口ばかり言っていたり、傲慢な振る舞いをしていると、それが画面に出てくるからね」
「画面?」
「そう、裏表を使い分けていけば大丈夫だと思うじゃない? みんな、それなりにやっていることだけど、でも、女の人ってそういう部分で見抜くじゃない。見た目じゃなくて、何気ないしぐさや表情も良く見てる。それで、性格が分かってしまうからね。他の子を妬んで悪口を言ったり、自分のライバルが脚光を浴びているので文句を言ったりするより、自分を磨いて努力していける子がいいと思うわよ。どこのポジションに行っても、仕事は手を抜かない。挨拶も欠かさない。自分を見失わない。ああいう業界って、利権も絡んでくるから、よからぬ人もいっぱい寄って来るから、自分で気をつけないといけないのよ。友達の紹介でも危ないからね」
「え、そうなんですか?」




