相談の数々2
「電話はしてみた。謝ったけれど、何だかそっけなくて」
「面白くないんだと思うよ。学園祭の打ち合わせって大義名分があっても、デートしたと思ってるんだろうから。自分とのデートは断られて、東条さんのは後からの誘いで行ってしまった。男の面子があるから、怒り出して引っ込みがつかないとか、色々あるんでしょ」
「嫌われちゃったのかな?」
「違うよ。真珠のことが心配だったから、それで怒れただけ。そのうち、仲直りできるよ。それより、東条さんは?」
「誘われても全部断った。神宮寺と仲直りしてからじゃないと」
「律儀だね」
「だって、怒らせたままでは」
「神宮寺だって、仲直りしたいと思ってると思う。ただ、きっかけがつかめないと言うか、言い出せないだけでしょ。そのうち、きっかけができるよ。バイト代は溜まったの?」怜奈ちゃんが話を変えた。
「それなりに」
「そう。雪人さんのほうは?」
「勉強が忙しいみたいで、時々見かける程度」
「早くしないと地元に帰っちゃうよ」
「分かってるけどね」とため息をついた。
知り合いの紹介だと言って、占いに来てくれた中学生がいたけれど、わがままだった。「紹介だからタダにしてくれ」から始まって、占い結果が良くないから、いちいち、「えー!」と言ったり、
「もっといいことを言ってよ」とぼやいたり、挙句が、
「えー、こんな結果なの? これじゃあ、払いたくない」と言い張ったときは、最初に断ればよかったなと思った。知り合いは誰なのか聞いても答えられなかったので、その子の顔をつぶすのもいけないからと渋々だったのに、そう言い出して、
「だって、当たらないじゃない。こんなことなら他に行けばよかった」と言い出して、「じゃあ、いいです」と言おうとしたら、
「お待ちください、お客様」と母が寄ってきた。