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Fortune-teller  作者: marimo
15.分からない男
66/266

分からない男4

 一緒にウィンドウショッピングをしていた。当日、着る洋服のことで意見が合わなくて喧嘩したり、メイクをするのをどうするかで迷っていたら、お店のお姉さんにちゃっかり頼んで、メイクしてもらって、

「似合わないんだけど」とぼやいた。高校生だから軽いメイクにしてもらったけれど、

「もっと、色々試せばいいだろ。臆病者」と言われてしまった。休日に会った友達が目の大きさが激しく変わっていて、最初誰だか分からなかったということを教えたら、

「それでもいいだろ。その子はがんばってるんだから、かわいいじゃないか」

「そう言われるとそうだけれど、日頃の彼女とギャップがあったから」

「学校と親の前だけそうしてるだけ。そっちが彼女が本当にしたいほうだからな。それぐらい分かれよ。占い師のくせに女の子のそういう心理が分かってないな」

「おしゃれしてる時間とお金がなかったの」

「なんで?」

「小さなころから家の手伝いがあったし」

「ふーん」珍しく東条さんが何も言わなかった。

「あなたとは違うよ。おこづかいたっぷりもらって、ああいうお金持ちの子供と一緒に遊んでいる人とは価値観が違うの。あなたのほうこそ、そういう気持ち、分かってるの?」

「当然だろ。今まであらゆる女と付き合ってきた。大概、何考えているか分かるようになったね」

「あっそ」

「相手の言葉だけで、どういう心理か読めるだろ。この間もお前が紹介してくれって頼んだとき、かわいいかどうかを聞いたら、お前は自分で確かめろと言った」

「それがなによ?」

「かわいい子なら、そうは言わない。『かわいいよ』とすぐに答える。自分で確かめろってことは、お前はそれほどは思ってないってことだからな」

「違う。人によって好みが違うから、私がかわいいと思ってても、あなたは違うってことがあるでしょ。男子に人気がある子と女子に人気がある子の違いってことよ」

「ああ、あれは容姿と雰囲気で選んでいるのと、ライバルになりそうか、好きか嫌いかを本質で選んでいるかの違いだろ」

「本質?」

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