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Fortune-teller  作者: marimo
15.分からない男
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分からない男2

 結局、強引に連れ出されてしまった。「学園祭のことで打ち合わせもあるし」と言われて渋々だった。こんなことなら、神宮寺の誘いのほうに乗ればよかったなと思った。

「お前、家事やってるなんて、意外と苦労してるという俺の占いは、また、当ったな」

「またって、なによ?」

「初恋は実りそうもないからな」

「がんばっているわよ」

「見てるだけだろ。せいぜい、挨拶程度。それで、どうやって進展するって?」

「そう言われても、勉強の邪魔になったらいけないし」

「ほらな、言い訳をするんだよな。自分ができないことを言い訳してごまかすのはやめろよ。まず、やってみてから考えろ」

「他のことならそうするんだけど。雪人さんは高嶺の花だから」と言ったら、思いっきり笑っていて、

「失礼なやつ」

「憧れを恋と勘違いしているうちは無理だね。男の本性なんて、分かったもんじゃないぞ。あの男も意外としっかり恋人はいると思うけど」

「知らないよ。多分、いないんじゃないかな?」

「あいつの大学での様子を聞いたこと、あるか? あいつの知り合いにでも聞いてみろ。意外と、恋人と大学で会ってデートしてるかもよ」

「一番不安に思っていることを言わないで」

「臆病なやつ」

「あなたとは違うわよ。軽い付き合いばっかりしてるから、分からないのよ。相手がどう思うか怖いなんて思ったこともないでしょ」

「俺は自分がどう思うかが重要だね」

「自分本位」

「相手だって同じだろ。目的なんてね」

「どういう意味?」

「お前だって同じだと思うけど。相手のことを思っているような発言でごまかしているけど、結果がはっきりするのが嫌なだけだろ。振られたら怖いからだけだね」

「あなたって、絶対に二重人格だね。お客さんとかわいい子の前だけ、性格を変えてない?」

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