表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fortune-teller  作者: marimo
13.頼む子
53/266

頼む子3

 電話を切った後に、

「あいつか?」後ろから声を掛けられて振り向いたら神宮寺がいて、

「デートどうだった?」と聞いた。聞かないのもおかしいかなと思って気軽に聞いたけど、苦い顔をしていた。

「ごめん」

「強引に呼ばれてね。それで行ってみた。でも、会話が続かなかった」

「残念」

「今度で何度目か」

「そう? 神宮寺なら合わせられるでしょ」

「合わせられても、自分が楽しいかどうかは別」と言ったので、

「なるほどね」と言ったら、こっちを見ていて、

「ごめん」と謝った。

「謝るなよ。お前にそんな顔をしてほしくて申し込んだんじゃないぞ」

「分かってる。ただ、もっと気軽にデートぐらいできたら良かったなと思って」

「お前は占いしている割には堅いからな」

「お父さんにちゃんと紹介できるようになってからって、どこかで思ってるからね」

「そうか」

「お金を貯めないと」

「貯まりそうか?」

「まだまだ、営業努力が足りなくて」

「気長に頑張れよ。卒業するまでに貯めるんだろ」

「夏休みに行けたらいいけどね。多分、無理。思い立ったのが遅すぎた」ここまで本格的にお金を貯めたいと思ったのはサバトの受験前だった。その前は漠然といつか行けたらいいなと思っていた。でも、雪人さんを好きになったことをちゃんと報告したいと思って、それでバイトを始めた。学校には最初、母子家庭でお金が足りないからと説明したけれど、それだけだと姉が働いていることもあって納得してくれそうもなかったので、しょうがなく父の話も加えた。それで先生も渋々認めてくれた。バイトの許可をもらっているのは親が病気になってやむを得ず生活費の足しにするためとか、母子家庭で色々とお金が掛かるとか、進学のための学費を稼ぐためと言う人が多い。

「ゆっくり頑張ればいいさ。俺も一緒に探してやりたいけどな」

「いいよ、神宮寺は大学に行ったら、誘いが増えるだろうし」

「卒業したって、真珠とは友達だからな」と言ってくれてうれしかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ