表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fortune-teller  作者: marimo
13.頼む子
52/266

頼む子2

 紹介を頼まれてもそれほど知らない子で、違うクラスの子だし、そのまま流そうと思っていたら、更にしつこく言ってきたので、仕方なく、東条さんに電話したら、

「いいよ、でも、かわいくないと俺が怒られるから、その辺はどうだ?」と聞かれて、

「さあねえ。自分で確かめたら」と言ったら、

「紹介するならそれなりの子じゃないと怒るやつらもいるからな。制約が厳しくないのでもいいならいいけど、条件が下がるぞ」と言われて、驚いた。

「どうして?」

「条件がいいやつはそれなりにプライドが高いのも多いからね。とにかく出会いたいって心境のやつでもいいなら、いいけど」

「それだと怒られちゃうよ」

「じゃあ、それなりのランクにしておくよ」

「やけに慣れてるね」

「紹介したことが何度かあるからだよ。頼まれることも多くてね」

「合コンにも行くんだ?」

「それなりにしか行かない。営業を兼ねていく場合もあるけど、それを出すと必ずその場で『占って』とか言い出す子がいるから、うるさくてね」

「いいじゃない、占ってあげれば」

「ただで『占って』としつこく言う子は苦手でね。そういう子に限って文句を言う確率が高いから、適当に逃げてる」そう言われて、割と気軽に頼んでくるけど、「そのうちお礼するね」と言って、未だに何もない子がいたのを思い出した。こちらが用事を頼んだら逃げられたことがある。しかも、占い結果が気に入らなくて裏で文句を言っていたらしくて、それ以来、その子に何度頼まれても占えなくなった。そういうのが分かると途端にしらけて、相手のことが見えなくなるから占いもできない。でも、かなりしつこくて、怜奈ちゃんが怒ってくれた。

「お互い色々あるんだね」

「お前もどうせ頼まれる口だろ。これからは全部お店に来てもらえよ。それでも来るなら占ってやれよ。文句を言うような子はお金を払ってまで来ないからな」

「そういう人がいたんだ?」

「当たり。それから、お前も少しはおしゃれしろよ。バイト代は入っただろ」

「ははは」と笑ってごまかしたら、

「ほらな。来ないだろ。お金払ってまで来るなら本物。奢ってもらう程度なら素人なんだよ」

「はいはい。十分分かったから」

「まだまだ、俺のライバルにはなれそうもないね」

「ライバルになる気も恋人になる気もないからね」と怒ったけれど笑って電話を切っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ