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Fortune-teller  作者: marimo
13.頼む子
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頼む子1

 みんなにどうだったか聞かれて、

「ははは」と笑うしかなかった。

「ねえ、昨日、神宮寺見かけたけど大丈夫なの?」と違うクラスの女の子に聞かれた。

「さあ」としか言えなかった。お互いのプライベートまで深くは知らない。神宮寺は去年同じクラスだったから、良く勉強を教えてもらった。あいつは親切なところもあるから、クラスの女子に英語や数学を聞かれていた。私も何度も教えてくれて、それが縁でいつも話すようになって、友達になった。怜奈ちゃんは何度か神宮時は気があると言っていたけど、私はそれどころじゃなくて分かっていなかった。雪人さんばかり見ていた。父がいなくなり元気がなかった時期が続いて、あの人が優しく声を掛けてくれて、とてもうれしかった。それまでは時々見かける大学生としか知らなくて、それが縁で何度か夕食のおかずやお客さんからのもらい物の果物や野菜を届けるようになった。いつも優しくしてくれるけど、部屋に入ったのはこの間が初めてだった。本当はもっと話したいけれど、勉強で忙しそうで邪魔をしたらいけないと遠慮していた。デートに誘うなんて迷惑になりそうでできなかった。あの人しか見てなかったために、神宮寺の気持ちには気づかなかった。

「占ってもらいに行こうかなあ。夏休みに遊びに行きたいけど、彼氏ができなかったし」と言い合っていた。もうすぐ夏休みになるから、一部の人たちは浮かれている。

「真珠ちゃん、彼氏紹介して」と同じクラスの子と良く話している違うクラスの子に言われて、

「どうやって?」と聞き返した。そういう紹介ができるような子がクラスにいて、

「あの子に頼めば」とみんなに言われていた。

「違うって、宝陽。あそこは知り合いがいなかったから、ちょうどいいじゃない」

「無理。知り合いなんていないし」

「じゃあ、カロンさんにお願いできないかな」と言われて、

「えー!」と言ったら、

「いいじゃない。あの人ならいくらでも知り合いがいそうだし。お願い」と言われてしまった。

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