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Fortune-teller  作者: marimo
10.バイトの理由
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41/266

バイトの理由3

 久しぶりに橋添先生のところに寄った。あいかわらず汚かったけど、

「看板を持ってきました」と言ったら、

「なんだ、気を使わなくて良かったのに」と言われたけれど、新聞紙に包んであったボードを取り出した。

「かわいい感じだね」と先生が笑った。

「エッグシェルって感じで頼んだら、これです。うちのムーンフェイスは丸顔って意味もあるから、それで丸顔の女の子の絵が入ってるの。妖精だから、かわいいでしょ」卵の殻から飛び出した妖精の絵が描かれていて、その横にエッグシェルと書いてある。

「でも、この看板で入られたら、詐欺と言われそうだ」と先生が言ったので、

「きっと……大丈夫です」と言って、看板をどこに飾ろうか相談していた。


「エッグシェルって、どうしてつけたんですか?」最初に聞いたけど教えてくれなかったので、再度聞いたけれど、

「そうだね、色々な意味があるよ」と笑っていた。その後、電話が鳴った。先生が出て、お客さんだと思っていたら、

「え、また?」と親しそうに話していた。でも、様子が変で、

「今すぐは無理だよ。そこまですぐには、……しかし、……しょうがないな」と言って電話を切っていた。先生は、

「出かけてくるよ。すぐに戻るから」と言って、一度2階に上がってから外に出かけてしまった。


「先生遅い」フラッと遊びに来た近所のおばさんが、

「まあ、ここは開店休業状態だし」と笑っていて、一緒にお茶を飲んでいた。

「慣れたの?」と聞かれて、世間話をしていたら、

「用意できたの?」と女の子が入って来て、驚いた。化粧が濃い。どこまでが目か分からないぐらい塗っている。服装は派手で、ここにお客としてくるような人には見えなくて、

「先生は今、留守ですが」と言ったら、

「あのジジイ。待たせやがって」と怒っていた。

「早くしやがれ」と言って、テーブルを蹴ったので、

「なにするんですか?」と怒ったら、意外にも近所のおばさんが止めてきて、

「うるさいね。あんたは引っ込んでろ」とすごんでいた。おばさんが小声で、

「お孫さんだよ」と、教えてくれた。さすがに驚いてしまった。先生は何も教えてくれていなかった。

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