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Fortune-teller  作者: marimo
1.サバト
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サバト3

発表が行われていて、周りが騒いでいた。絶対に入りたいという人が多く、少しでも前に出たいのか押し合っていたけれど、私はその後ろで、なんだか疲れてしまった。

「余裕だね」と女の子の声が聞こえた。そちらを見たら、さっきのカップルだった。なんだかそばにいたくなくて離れようとしたら、

「結果を聞かなくてもいいのか」と言う声が聞こえて見たら、かっこつけた態度のさっきの背の高い男がこちらを見ていた。

「悪くなかったけど、言葉遣いは悪いし、相手とのやり取りもお粗末。ここに来れるレベルじゃないね」と言われて、思わずにらんだ。

「あなたねえ」

「失礼な子ね。あなたにそういう態度をしてね。ねえ、あなたの正体知ってたら、そんな態度取れないわよねえ」相手の女の子の態度を見て、怒りたかったけど、さすがに場所を考えて我慢した。

「ねえ、尚毅なおき」甘えるように女の子が聞いて。

「受かるのは尚毅だけよ」

「どうして?」

「だって、尚毅は東条圭吾の息子だものね」

「やめろ」尚毅と呼ばれた人は止めていたけれど、

「ふーん」と見てから、そこから逃げ出した。親のコネで受かる人とは関わりたくなかった。そういう人は苦手。違うクラスの女の子が親が有力者だから、PTA会長をしているからと言う理由で、何かと威張っている。でも、綺麗な子だから、周りはちやほやしている。そういう雰囲気が苦手で、わたしはそばに寄っていない。私のことも呼び出して占いをさせようとした。命令口調で言われたために、嫌でしょうがなくて、そんな気持ちでは占えるはずもなく逃げ出したけれど、後で、「この私を占える自信がないからよ」と言っていたらしい。「何様のつもりなんだろう」と友達が怒ってくれたけれど、私はそれより近寄りたくもなかった。その雰囲気にそっくりのさっきの男は一番苦手な男だ。有名占い師の息子だかなんだか知らないけど、今後、二度と会わないことを願おうと思った。

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