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Fortune-teller  作者: marimo
迷惑書留
254/266

迷惑書留3

「お前は呆れる」雪人さんと手紙をやり取りすると教えたら、東条さんに電話越しに言われてしまった。

「だって、とっさにどうしていいか分からなくて」

「まったく。しょうがないな。じゃあ、俺が教えてやるから、そこからやって行こう。お前は仕込み甲斐があるよ。色々と」

「ごめん」

「あの人と一緒にいても楽しくないかもしれないから、その前にお前が話題を提供するぐらいまで、成長しないと無理かもな」

「私が話題?」

「あの人はどういうことを言えば、女性が喜ぶとか、女性が楽しめるとか、そう言う視点はなしで会話をする人だ」

「あなたはそう言うことばかり考えていそうだね」

「それぐらい重要だろう。職業的に」

「そう言われたら、そうだけれど」

「手紙のやり取りも、お前だと面倒がって、そのうち、出さなくなるかもな」

「うるさいの」

「ま、俺が仕込んでやるさ」と嬉しそうだった。


 警察から電話があり、相手がかなり話し始めたと言う。父の荷物があの人の親せきの家の段ボールの中から見つかったと言う。親戚の人の家は平屋で広く、段ボールもかなりの数があって、整理したこともないぐらいの家だったと言う。そういうことから、そのまま置いておいたのだろうと警察の人が言っていたと言う。父のスケッチブックも見つかったそうで、それで観念したのか、お父さんを車で轢いてしまったと言っていると言う。

「お父さんは猫をかばったそうよ。『いきなり飛び出した』と相手は言っているようだけれど、遺体を隠して、それで何食わぬ顔でそのまま生活していたのだから、同情の余地はないわね」と母が怒っていた。蒲生さんは受験に失敗して、東北の大学に行くことになり、そのころから性格が暗くなっていたと言う。あの喫茶店は親せきがやっていて、たまに店番をしていたと言う。お店に行くとき、パチンコで負けたこともあり、かなりのスピードを出していたらしく、父をあの車ではねてしまい、誰も見ていなかったこともあり、父の遺体を隠した。しばらくは、あの場所を望遠鏡で確認することをしていて、でも、そのうち、忘れて、大学は留年し、そのまま中退してしまったけれど、埼玉の両親のところには戻らずに、そのまま、あそこの喫茶店で働いていたと言う。そうして、私たちが来た時の会話を聞いて驚いたと言う。私ははっきり覚えていなかったけれど、相手は、「スケッチ」「勝友」そう言う言葉を聞いて恐怖を覚えて、後をつけようと思ったと言う。でも、見失ってしまい、「松島に行く」という言葉を思い出して、松島で、私たちを探していた。そうして、私を見つけて、脅しから、車で襲ったと言う。

「脅したつもりが墓穴を掘ったみたいね」と母があきれていた。

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