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Fortune-teller  作者: marimo
蒲生さん
247/266

蒲生さん4

 正月前に大掃除ではなく、中から小ぐらいの掃除をやっていたら、

「ねえ、あなた」と毛皮を着た女性が店に入ってきた。ただ、体形が太かったので、「熊?」と驚きそうになったけれど、よく見たら、中年の女性で、化粧は濃かった。

「ねえ、あなたがそう?」いきなり聞かれて、

「あの、お客様ですか?」と聞いた。

「今日は予約は受け付けていないはずですが」今だと手紙の相談の数が増える。新年向けを顧客に発送したりして、母はその準備に追われている。そのため、コーヒーを頼まれていて、そろそろ作らないといけないなと思っていて、相手は店を見回して、

「汚い店ねえ」とバカにするような態度だった。

「あの、どちら様でしょう?」

「あら分からないの?」とバカにしていて、

「初めての方ですか?」

「失礼な子ね」どっちがなんだろうなと思えた。横柄な態度、飛び入りの客と言うわけでもなさそうで、

「蒲生よ」と名乗ったので驚いた。

「ああ、あの」と相手を見てから、

「私の首を絞めた」とつい、言ってしまった。それぐらい嫌な気分になった。

「なんですって?」相手が睨んでいたら、母がやってきた。

「真珠、コーヒーはまだ?」と言いながら、店に入ってきて、

「どなたなの?」と母に聞かれて、

「蒲生さん」

「あなた、母親?」蒲生さんの母親らしき人が聞いていた。

「そうですが」母が答えたら、上から下まで値踏みするように見て、馬鹿にする態度に変わった。母はカジュアルな格好をしていたからかもしれない。店を見回して、

「こういう家の人だと、言いがかりをつけてくるものなのねえ。嘘までついてね」と言ったので驚いた。

「お言葉ですが、あなたの息子さん、で、いいですよね?」母が聞いて、相手は顎を突き出していて、母を馬鹿にするような態度のままで、

「息子さんが娘を襲ったのは事実ですけれど」

「でっちあげでしょう?」と言い切った。呆れてしまった。すごい親かもしれない。

「うちの俊夫ちゃんに限って、そんなことをするわけがないわ。たちの悪い女に引っかかって、大方、金目当てなのね」

「お金?」と私が聞いたけれど、母が、

「言いがかりはそちらでしょう。映像をご覧になってからおいでください」

「それもでっち上げよ。そうに決まっているわ。そうでなければ、何かの間違いよ。訂正しなさい」と命令口調で驚いた。

「訂正?」私が驚いていたら、

「あら、訂正するのは、そちらになるかもしれないですよ。もしも、あなたの息子さんが」

「お母さん」と止めた。

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