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Fortune-teller  作者: marimo
松島
228/266

松島3

 次の日は家にいた。怖くて、閉じこもっていた。恐れていたことが現実になった『車に気を付けて、黒い車』せっかく、警告してもらったのに。

「真珠、ご飯、食べたのか?」とおじさんに聞かれて、うなずいた。おじさんのところでは畑の手入れがあるのか、朝が早い。

「おじさん、私、狙われたのかな?」

「狙う?」おじさんに、占い師に言われたことを教えた。

「気のせいだろう」

「この頃、変なの。よくわからないことが頭に浮かぶ。あの人と会った時も、変なものが見えちゃった。怖いね」おじさんは頭をポンポンと叩いてきて、

「大丈夫だ」と言ってくれた。

「松島の遊覧船に乗せてやりたかったな」とおじさんに言われて、

「いいよ。寒いし。あそこはお父さんは行ってない。高台から見渡せた、あちらの方に思いが残っている気がする。お父さんが行きたかった場所なのか、それとも実際に行った場所なのかは分からないけれど」

「コースは分からないからな。メモに書いてあっても、どう廻ったのか。車で移動はしてなさそうだし。古すぎて足取りは分からないだろうし」

「バスか電車で移動したんだろうね、きっと」

「それか、ヒッチハイクというのもあるからね」

「え?」

「バス停で待っている人を乗せていく場合もあるから」

「すごい親切なんだね。こっちの人」

「交通の便がいいとは限らないからだよ。病院や買い物で待っているのなら、少しぐらい遠回りでも乗せていくかもしれない」

「あ、じゃあ、この間の場所は?」おじさんがしばらく考えて、バスや電車の路線の地図を見ていた。

「そう言われたら、おかしな場所だな。乗り換えではないかもしれないな。車で乗せてくれる人がいたんだろう。バス停があの喫茶店の前にあったから、あそこまで歩いたのかもしれないな」地元の人が目的地途中まで乗せてくれたんだろうか? だから、あんな変な場所で。

「良くわからない。旅行なんてしたことがないから。東京とは違うみたいだし」

「ああ、それはあるよ。バス停の時刻表を見たら、驚くかもしれないな」と言われてしまった。

「あれ、そう言えば見てない」

「本数がとても少ないんだ」

「え、だとしたら、おじさんのところに行こうとしてたってことかな?」

「どうだろうな」

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