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Fortune-teller  作者: marimo
勘の強い人
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勘の強い人4

 灰野さんが占ってくれて、占ってくれた内容が、あまりに当たりすぎて怖くなり、東条さんにしがみついた。親とのけんか、姉と私との関係。育った環境など、言い当てられて、驚いていたら、

「今までにない気だわ。ちょっとすごいわね」と言われてしまった。

「灰野さん、あいかわらずですね。当たってますよ。俺が知ってる限りね」東条さんが返事をしていて、

「あのね、あまりよくない気が近づいてきているわ」と言われて驚いた。

「気を付けて。狙われているわ」

「え?」

「だれがですか?」と東条さんが聞き返した。灰野さんは私を見ていた。


。灰野さんが立ち上がって、何かを持って戻ってきた。

「それなんですか?」と思わず聞いてしまった。灰野さんは優しく、

塗香ずこうよ」と教えてくれたけれど、

「図工?」と驚いたら、東条さんが呆れたように、

「宗教などで使うけれど、穢れを払ったり集中力を高めたりする物だよ。身体に塗るお香だから」と教えてくれた。

「へえ、うちと違うね」

「お前のところは塩専門だろ」

「違います。塩意外にもハーブのお香とか色々あります」と言ったら、灰野さんに笑われてしまった。

「人によって邪気払いのやり方も色々あるんだよ」

「手を出して」と言われて、驚いたけれど出したら、灰野さんが塗香を塗ってくれた。

「これでどこまで効き目があるかは分からないけれど、一応、厄除けだから」と言われて驚いた。

「脅かさないでくださいよ」これ以上何かあっても困るなあと思ったら、手を離した瞬間に、

「あ!」と言ったら、灰野さんがうなずいて、

「気をつけてね」と言われてうなずいた。


「疎外感」店を出てすぐに東条さんに言われて、ボーとなっていたら、

「を感じるよ」と続けていた。

「二人で分かってるって感じだけど、一応説明しろよ」

「なにが?」ぼんやりしながらも東条さんを見た。

「『あ!!』の続き」

「ああ、あれね。前に説明したじゃない。車だと思う。黒い車が見えた」

「漠然としてるなあ。せめて運転手ぐらいは見えたらいいのにな」

「そこまでは無理。超能力者じゃないんだから。でも、気のせいだと思うよ」

「どこがだ。普通の人間にはそういうものは見えない。お前達は特別だ。面白くないよな」

「え、なんで?」

「占い師として選ばれた人間って感じが嫌だ。だから、疎外感を感じるんだよ」

「逆じゃないかな。こういうものが見えない分からない人のほうが幸せなんだよ」と言ったら黙ってしまった。しばらくしてから、

「……ごめん」と謝ってくれた。

「私もお父さんがああいうことがなければ、出てこなかったと思うの、こういう部分が」

「どういう意味だ?」

「人間ってもともとの能力は高い物があるらしいの。雪人さんに教えてもらったの。人間の本来持っている能力のほとんどは使われていなくて、抑えられている、もしくは表面に出てきてないだけなんだって。でも、目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったり、すると別の能力がその部分を補おうとするから、そう言うときに出てくるんだと思う。もし、東条さんにも似たようなことが起きていたら、多分……」

「そうかもしれないな。そう言われたら、確かに何かあったりしたら、感覚が研ぎ澄まされるかもしれない。もしかすると、あの人もな……」とお店のほうを振り返っていた。そうかもしれないなあ。とぼんやり考えていた。


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