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Fortune-teller  作者: marimo
6.リサーチ
21/266

リサーチ1

 エッグシェルの帰りに本屋に寄ったり、買い物をして帰ったら、家の前に見慣れた車が見えた。うーん、困った。母が怒り出しそう。車をトントンと叩いて、車で寝ていた東条さんが起きて、運転席の窓は開いていたので、

「ああ、何だ。今帰ったのか? 今日は遅いな」が言ったのが聞こえた。

「ちょっと寄るところがあって。それより、何か用? さすがに困るんだけど」

「なんで?」

「説明したでしょ。あなたは我が家では出入り禁止だから」

「ふーん。親とは関係ないだろ。俺たちの問題だし」

「坊主も袈裟も苦手なんでしょ」

「俺は袈裟なのか? まあ、いいや。確認しに来ただけだから」

「なにを?」

「お前の相手」

「何で、そんなことを確認する必要があるのよ」

「一応、見ておきたかっただけ。強い女が好きになるタイプをね」

「強い?」

「ひょっとして、あれか?」と聞かれて、東条さんが見たほうを見てみたら、雪人さんが歩いてこちらにくるところで、勘がいいやつと思いながら、

「別にいいでしょ。さっさと帰ってよ」と言ったら、

「ふーん」と言って、わざわざ車から降りてきた。

「呆れるなあ。早く帰ってよ」

「あれだけ言われて面白くないし。俺とどこが違うと言うのか見ておかないと」

「見なくていい。雪人さんが穢れる」

「雪人さんねえ。あれじゃあ、無理かもな」と言っていたら、雪人さんがそばに来てしまい、

「ああ、真珠ちゃん」と挨拶してくれて、頭を下げた。東条さんもなぜか頭を下げていて、

「お前は子供だ。憧れと恋を間違えてるタイプだね」と、意味深に笑って、

「失礼な」と怒ったら、

「なんだ。まだまだだね。いつまで経っても進展しそうもないな。占いは当たったな」

「当たらないわよ」と怒っていたら、雪人さんが不思議そうな顔をしていて、

「じゃあ、自分の目で確かめて見ろよ」と意味不明なことを言っていて、思わず雪人さんを見たら、東条さんがそばに寄ってきて、いきなり首の後ろを持たれて、

「きゃあ」と言い終える前に、勝手に唇を重ねてきた。さすがに驚いたけど、東条さんを突き飛ばし、

「威勢はいいよな。でも、まだまだ子供だけどな。恋愛するにはまだ早いね」

「信じられない。何するのよ」

「じゃあな。後で反応を見たら分かるさ」東条さんが雪人さんを意味深に見てから、さっさと車に乗ってしまい、

「え?」と考えている間に、

「じゃあ、頑張れよ」と言い残して行ってしまった。

「真珠。あれは何?」母がすごい勢いでお店から出てきたけど、それどころじゃなくて、思わず雪人さんに抱きついて、その後、泣いていた。母がその後ろで、「塩をまくわ」と怒っていたけれど、それどころじゃなかった。


 朝、お弁当をつめ終えて、出かける用意をしていたら、姉が二階から降りてきて、

「お姉ちゃん、ゆっくりだね」と言ったけど、元気が出なくて、

「お母さんから聞いたよ。東条圭吾の息子とできたんだって? お金持ちなんだから、せいぜい貢がせなさいね」とすごいことを言っていて、

「朝ごはんは?」と聞いた。

「いらない。ダイエット中」

「また、振られたね?」と聞いたら、

「振ったのよ」と言ったので、やはりうまくいかなかったらしい。東条さんが言ったとおりになりそうだ。中々結婚できないかもしれないなあとぼんやりした後、首を振って、あいつだけは許さないとまた思った。

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