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Fortune-teller  作者: marimo
虫の知らせ
208/266

虫の知らせ3

 冬休みが近いこともあり、周りは楽しそうだった。私はただ、ぼんやりすることが多い。この頃、変な夢ばかり見るからだ。

「おーい、月野。占ってくれ」例によって高津が寄ってきた。

「ダメだって」とそばの女の子たちが止めてくれた。

「ごめん」とだけ言って机に伏せた。

「もう、無神経だな。真珠だって、いつもいつも占えないってことぐらい知ってるでしょ」

「え、ああ、そういえばそうだったな」

「高津はすぐそれだ。前に分かっていることなのに、すっかり忘れて、また頼んでくる。普通さ、それぐらい覚えて」

「ああ、分かったから」女の子たちにこれ以上責められたくないらしく、高津が逃げ出しているようで声が聞こえなくなった。

「あれだから、いつまで経っても同じような相手と同じように失敗するのよ」

「もういいじゃない。高津のことは忘れて違う彼氏を見つけたら」そばで言い合っていた。伏せているとはいえ、そばにいるから聞こえてしまうんだけど。そういうのにも気づいていないのか、

「あいつ、つくづく無神経」

「わかったってば。それだとあいつ、気づかないよ」

「別に好きな訳じゃないんだからね」未練たっぷりな声でそばで話している。

「わかった、分かった。いいよ、言い訳は。好きならそれで」

「違うってば」

「でも、高津、この間、気に入った女が見つかったみたいだぞ」誰か、男子の声が聞こえた。そういう情報は言わないほうがいいと思う。

「痛いなあ」教えた男子を叩いたらしくて、

「俺に八つ当たりするなよ」とやりあっていた。


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