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Fortune-teller  作者: marimo
1.サバト
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サバト1

著作権はmarimoにあります。無断転載禁止です

 「サバト」の占い師募集会場は熱気に包まれていた。あちこちで占っている。それを近くで何人かの人が採点しているけれど、誰も笑いもしない。もっと、楽しくやればいいのにと思いながら、移動していた。


「えっと、どこだっけ」と言いながら、私の番号の場所を探していた。渡された紙には、相談者のことは書かれていない。時間が決まっていて、自分で相手に聞きながら占いを進める必要があるらしいと言うことは、秋子さんから聞かされていた。彼女は「サバト」の情報をいくつか教えてくれた。日本で今、一番有名な占いの団体。代表の東条圭吾と言う人は、テレビに何度も出ているような有名占い師、日本で一番予約が取れない占い師としても有名だった。ただ、よほどのVIP以外は占わないと聞いている。そのため、何人もいる弟子が占いを行っているらしく、整理券を配っているぐらい人気があると聞いている。母が聞いたら怒り出しそうだ。母は昔テレビにも出てはいた。現在は雑誌に占いコーナーをいくつか持っているけれど、昔より注目されていないらしく、お客さんの数はそこまで多くない。昔、占いカフェをしていた時代もあったけれど、今はしていない。


 途中で人が大勢いるところを通りかかった。若い女性が占ってもらっている。人だかりだったので、占っている人のほうは良く見えなかったけれど、若い男性のようだった。珍しいな。「サバト占い師募集」に応募している人は女性が多く、年齢もバラバラではあったけれど、若い人が目立った。そこを通り過ぎてから、

「ああ、ここだ」と座ろうとしたら、相談者役の人がもう座って待っていた。相談者役はあらかじめ応募してきた人がくじ引きで決められている。名前も何も知らない人を占わないといけない。制限時間が決まっているから、難しいなと思いながら、いつものように占っていた。


 占い方法は自分の得意なものを披露する。中には変わったものもあるとは聞いているけれど、多くは西洋占星術やタロットに手相など、多くの人が知っている占い方を選択する。人によってはタロットに西洋占星術など一人で複数の占いをこなす人もいるけれど、私はタロットしかできない。通り過ぎながらチラッと見たら、タロットの人も多かった。タロットは大アルカナ、小アルカナのカードで占う。カードはそれぞれ名前がつけられており、それぞれ意味を持っている。その意味から解釈していき、様々なことを占う。


 相手の悩み事を聞いて、占いを始める。じっくり聞きたいところだけれど、時間が少ないので、短い時間で手短に要点を抑えなくてはいけない。母の弟子である赤井秋子さん、占い師としての名前はルビームーン。彼女に母には内緒で特訓をしてもらっていた。ただ、時間がなくて、自信がつくほどは準備はできていなかった。


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