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Fortune-teller  作者: marimo
3.プロキオン
13/266

プロキオン4

「お前の場合はいろいろあり過ぎそうだ。恋愛にしても勉強のほうもね。これから、かなり苦労しそうだな。今までも色々あったようだし。でも、占いにくい」

「どうして? 出てるじゃない。私の場合は経験不足に尽きるって。それから、人間関係がかなり影響があるって。出会う人とのつながりが重要でしょ」

「どこでそう思う?」東条さんに聞かれて、

「説明しなくて、カードに出てるじゃない」

「ふーん」東条さんがそう言った。

「恋愛も波乱含みだな。初恋は実らないって言うのだけは分かるけど」

「え?」と驚いた。

「どうして?」

「驚くことないだろ」といわれたけれど、納得できなくて、

「お前は恋愛関係は相当弱いな」

「みんなに言われるからやめてよ」

「経験積まないと難しいぞ。その辺で差が出るし」

「そう言われても、初恋は実らないって、どこに出てるの」

「自分で考えろ」とそっけなかった。


「よく分からない」

「お前のほうが分からないね」家まで送ってもらいながら考えていた。

「お姉さんには本当のことは言うなよ」

「なにを?」

「恋愛でことごとく失敗するって」

「そこまで出てたっけ? 確かにうまくいきそうもないってことは私でも分かったけど」

「彼女は将来幸せにはなれないよ。誰とも結婚できないかもしれないな」

「そこまで言い切るの?」

「総合的に判断するとそうなる」

「本人には言わなかったじゃない」

「お客様だから当然だろ。全部伝えられないよ。相手が望んでいないことはね」

「どういう意味?」

「相手はお客さま。いい気分で帰ってもらうには言葉も選ばないといけないし、言わなくてもいいことまでは伝えないこともあるさ。二度と来てもらえなくなるのは困るし。口が軽い女性だと言いふらされても困るから」

「そこまで考えるの?」

「前にいたんだよ。はっきり言い過ぎて問題が起きてね。相手が何度も苦情の電話を掛けてきた。結婚がうまくいかなかったのは占い師のせいだって。でも、占い結果もうまくいかなくなるって出ていたから、それが面白くなかったこともあったんだろうな。だから、そういうので気をつけているだけだ。評判も大切だろう」と言われて、考えた。確かに正直に全部姉に伝えたところで、姉は信じるどころか怒るかもしれないな。

「だから、相手には必要以上教えなかったんだ?」

「お客様を不快にさせる必要はないからな。だから、お前も言わないように」

「そう」そこまで考えたこともなかった。こいつはそこまで考えて占いをしてるのかという驚きと、自分の未熟さと、でも、面白くないのがごちゃ混ぜで

「あなたって分からない」としか言えなかった。

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