神様に放り出された男
俺はキノ!見た目は女、頭脳は男、体も男な厄介者だ!
やあどうも。俺はしがない会社員、木乃 修。学生時代、ひたすらに惰眠を謳歌していたら、しょうもないFラン大学に進学し、見事ブラック企業への就職を決めた、負け組界のエリートだ。
ただし、その辺の人々と決定的に違うことが一つある。
それは容姿だ。
俺は、見た目が、かなり可愛い。
かなり女の子に近い見た目をしている。
<その辺の加工で女装を成立させているやつらとは違うぞ!>
俺のは本物だ。
更に言えば、声も高い。なんならネットで釣りができる程度には女だ。
つ ま り、俺は男にモテる。
何もしなくても男は「なんかちょっと気になるやつ」として寄ってくるんだ。
容姿グッド×天性の怠惰、これが合わさるとどうなるか?
そう、友達にひたすら頼るナニカヤバイ人が出来上がる。
そして自分で努力することを忘れた結果、ぶじ就活で死亡した。<納得はしていない>
あああああああああああ
俺は一体何をやっているんだ!!!!!!
そう思いながら帰った出勤1日目。
おれはついうっかりSNSに夢中になりながら、帰り道を歩いていた。
ちょうど、
新入社員出勤だるすぎ萎えた
と投稿した時だろうか。<俺にはフォロワーが13000人ほどいた>
家の前の交差点で赤なのに俺は渡ってしまっていた。
キキィーーーー
トラックのブレーキ音が聞こえたと思ったら俺の体は宙高く舞い、命が終わった。
えっこれ異世界転生するんじゃない???
そう思ったら、目の前にものすごくわかりやすい爺さんが居た。
長く白い髭を蓄え、眉が太く目を隠している爺さん。
マジで異世界転生してる!それでもっていやもう目の前の爺さん絶対神だ!
「キノ…キノよ。お主は運命の子。この世界を滅ぼさんとしている魔王ジャアックを倒すのじゃ…」
キターーーーーーーこれこのあとステータス設定画面とかに行くやつだ!
そう思いながら俺は真面目な顔をして
「わかりました、神様。その運命受け入れましょう!!!」
カッコつけた。
「うむ、意識が高くてよろしい。ではそなたに授けるステータスじゃが…」
よっしゃきたぞ!これは絶対チートスキルがくるやつだ!もしくは庭師とか一見弱そうなのに、仕様の穴を突いたり、職業を拡大解釈して最強になるやつかもしれない!
「うーーーん。キミ前世が何もないな…しいて言えば…ひとまかせ!」
「はあ?な、何をいってるんですか????」
ひとまかせってなんだよ、神ふざけるなよ!
と思う間もなく、俺は最初の街に飛ばされていた。
最初の街、ビギンタウン。牧畜も盛んな農業都市。
どう考えても建設者が3秒で考えた名前の街で、俺はどうすればいいのか?
わからないが、まずはこういう時ありがちな場所、冒険者ギルドにいこう。<在ればだが>
予告、とんでもなく雑な設定で作られた街、ビギンタウン。キノはここで一人の騎士と出会う。彼には何か秘密があるようで…?
次回 守護騎士、やっぱり守れない
さて、次はどうしましょっかねえ