森と沈もう
葉擦れの音もしない深い森のなか
不純物が森の記憶の海となり
底に沈んでく
音のない映像がずっと映る
何の生命の音もしない
暗い底
ふっと
頭上から不意に光が降る
それは万華鏡の模様みたいに
くっついたり離れたり引っ張り合ったりする
あぁなるほど
あなたが夢見る記憶なのね
森よゆっくりお眠り
そっと抱き締め
底へ底へ
自らも沈む
斑な光が迷う
光と光が出逢う
寒いから重ね着で一息つきましょっ
どれほど長くかかってもいい
森よ沈め
また一緒にいつか......