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拍手をするシクラメン。
「見事な戦いぶりを見せてもらった」
シクラメンはアネモネの肩に手を置くが振り払われる。
「あんたら本当に六武隊か? スターマンが現れただけで驚いて」
アネモネの言葉が癪に障った隊士は襲いかかろうとするがイバラが必死に止める。
「まあまあ隊士だって、スターマンが現れたら驚くでしょ」
シクラメンたちがゆっくりと会話している間にもまたディオエナたちが近づいてきていた。奴らは待ってはくれない。
「死にたくなければ、今すぐにここから散れ」
めんどくさいと思いながらも、シクラメンが戦いに参戦しようとしたところでイバラが前に出る。
「僕に任せてください! シクラメン隊長」
「よろしくー」
あっさりとイバラに任せるシクラメン。彼の行動に不信感を抱くアネモネ。
イバラの腕に纏う炎を見て目を大きく開くアネモネ。
「炎を燃やせ……炎を燃やせ……炎を燃やせ!」
強力な炎がイバラの腕から放たれ、ディオエナたちが一瞬にして枯草化する。アネモネもイバラに負けじと風でディオエナたちを倒す。
「あなたの力が必要なんです。アネモネさん」
「だから、俺は……」
「話だけでも聞いてもらえませんか?」
イバラの言葉には耳を傾けるアネモネ。シクラメンは交渉をイバラに任せる。
「今回の任務は超危険なんです。爆葉樹を利用します」
爆葉樹の危険性を知っていたアネモネは六武隊に力を貸すことを反対した。
「僕は目の前で強い人が死んだのを見た。二武の隊長は強い方ですけど、一人で大勢のスターマンを相手にするのは無茶すぎると思っています」
アネモネの脳内にフラッシュバックする血だらけの女性は微笑んで彼に謝る。
シクラメンが口を開く。
「お前が来ない場合でも作戦は実行される。爆葉樹は防壁で囲んである。第二武隊の隊長ローズはより多くのスターマンを倒すために防壁の中で長いこと戦い続ける」
またディオエナが現れて近づいてくる。
「話の途中だ!」
イバラはディオエナに向かって炎を放った。アネモネも同じタイミングで風を起こし、イバラの炎とアネモネの風が合わさって炎の竜巻がディオエナを襲った。
「アネモネさんの風と僕の炎がマッチしたら強いと思いますけど」
イバラは笑顔をアネモネに見せた。シクラメンに顔を向けたアネモネ。
「あんたの話を聞く限り、もう作戦は実行されている。爆葉樹は危険だ。。その危険を回避できるのは俺だけだ」
「その通り!」
シクラメンは指をさした。
「俺は誰にも従わない。自分の意思で動く。そこの炎、背中に乗れ」
「イバラです」
イバラはアネモネの背中に掴まる。彼の風でアルプラントへ急ぐ。