転校の時間・後編
『教え子に手を出したら股間がイオナ〇ンするってだけだから。』
二度も言うな! なんだ、股間がイオナズ〇って、爆裂系最強呪文じゃねーか!
『攻撃対象が全体なので、玉にも棒にもダメージがいっちゃうね、ぷぷぷ』
っざけんな! ……いや、大丈夫。手を出すわけなんてない。
『あ、ちなみに、好意を持って触られたらイ〇、抱きつかれたらイ〇ラでーす』
っっっっざあけんなあああああああ! こっちからじゃなくて向こうからも警戒しなきゃいけないのかよ! なんだ、このトンデモ縛りは! 女子校だけは断固拒否だな!
『あ、ちなみに昨今の状況を鑑みましてLGBTにも配慮し、教え子であればだれでもあうとー』
アウトおおおおおお! どうすりゃいいんだよ! なんだ、その地獄みたいなスクールライフ!
『やなんだよ! モテモテなチート野郎の人生を見守るの! 腹立つんだよっ! 苦労しろ! 爆発しろ!』
思いっきり私的な理由じゃねーか! 爆発するんだろうが! リアルに!
『まあ、すごい力を手に入れるためには条件とかリスクを付けるのが一番手っ取り早いですしー。普通、ノーリスクノーリターンハイリスクハイリターンよ。昨今のチート系作品はちょっといいことしたらチート能力が無条件で手に入っちゃうからって勘違いしないでほしい。よそはよそ! うちはうち!』
大阪のおかんみたいに力説する二朗。
じゃあ、リスクがあれば能力は得られるんだよな。
『ん? ん~まあ、リスクあっていいならつけようと思えばつけられるよ。ただ、出来るだけ適応率の高いものにしたほうがいいかも』
どういうことだ?
『例えば、ギンに付け加えた教師としての能力底上げは、君が教師だから上がりやすいのね。つまりスキルと言えるレベルになる。これが戦士~とか魔法使い~とか言われるとほんのちょっとしか上がらないってこともあるのよ』
なるほど、それで適応率か。つまり、教師的なものであればいい、と。
『そうね、あとは名前とかかな。君だと『金』や『八』が使われたスキルとかのほうが適応率があがっちゃうわけよ』
名前、か……。じゃあ、例えば、『八』秒間だけ『八』倍の力が出せるとかは?
『ほう……それなら出来るよ。こんな感じかな?』
と、光り輝く壁のようなモノが現れたかと思ったら、そこに文字が。
なるほど、ゲームのメニュー画面みたいなもんか。
能力:身体の限界を解除する力
効果:通常能力値の八倍
リスク:能力使用後反動による圧縮負荷
制約:使用時間八秒
『うむうむ。これなら大丈夫そうだね。いけるいけるー』
待て。八秒後すぐ反動はキツイ。戦闘中ってこともあり得るからな。『八』時間後に反動ってのは。
『いいねえ。君はほんとに勘がいい。勘がいい子は嫌いだよ。』
ほんと油断するとぶっこんでくるなあ! テメエは! 等価交換かもしれんけど!
『錬成! では、八秒間自分の能力が八倍に。リスクは八時間後に使用時の負荷が発動。これならハイリスクハイリターンでこのままつけられることが出来るよ。はいはーい』
特殊性質【黄金時間】《ゴールデンタイム》
効果:金色の光に包まれ自分の能力が八倍に
リスク・制限:八秒間のみ使用可。また、使用八時間後に使用時の圧縮負荷が発動。
『多分、君の意図するところでは分かりやすいエフェクトがあったほうがいいだろうから。金色にひかりまーす』
ああ、ありがたい。それと…
『え?まだあんの?』
小一時間ほど経過し、
『も、もういいかな。もういいよね。もういいとす』
その後色々と追加でいじくりまわさせてもらった。恐らくこれで準備は万端だろう。
(お前、結構えげつねーな。こんなに要望出すとは……)
いや、何事も万事尽くして天命を待つべきよ。俺、意外と指導案とかめっちゃ細かく作るタイプ。
(知らねーよ!)
『で、君に行ってもらう世界についてなんだけど、ちょっともう説明する時間がないので自分で頑張ってください』
はあ!? なんでだよ!
『ごめ~ん。もうちょっと次の予定があんのね。かぞくとご飯食べる予定が』
ふっざけんな! こっち優先しろ!
『かぞくは何よりも優先すべきだと思います! それに、召喚中に呼び出してるけど、これ、時間止めてるわけじゃないから。あくまで限りなく時間を遅くしてるだけだから。向こうでは、あれ? 全然出てこないじゃんみたいになってるから』
いやいやいや、待たせておけばいいって! それより、説明を……
『あー、元居た世界の知識分くらいは勝手に次の世界の知識に変換されるし、ギンもいるわけなので、大丈夫なのだー。ま、というわけでがんばってねー。さよならさよならさよなら。』
お、おい! てめえふざ…!
佐藤〇朗が明後日の方向見ながら手を振っている。それに対し叫ぼうとしたところで、再び光が世界を包んだ。くっそ、あの神、いつかぶっとばす。
そして、俺は、異世界召喚された。
お読みくださりありがとうございます。
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この作品の為に、長編や短編で修業兼世界観作りしているので更新間隔は序章終了後は、かなり空くと思われますが、それでもよければブックマークよろしくお願いします。
改めて、お読みくださりありがとうございます。