転校の時間・前編
『おお! カヌチエイトよ! 死んでしまうとは何事か!』
ドラクエかよ!
と、思わず身体を起こして突っ込んだが、見えた景色は学校ではなかった。
真っ白な空間。
見たことない空間だった。
強いて言うならば精神と〇の部屋みたいだ。
多分、ここは天国的なところなのだろう。俺が天国に行ける気がしないので、死後の世界のほうが正しいか。
そして、そんな真っ白な空間に一人の男が立っていた。
佐藤〇朗だ。
9〇人の壁とかでおなじみの。
そうか、佐藤〇朗も死んだのか。
『死んでないっつーの! ちょっと、死んでないのに死んだとか言われるなんてちょっと、なんか、傷つくー』
ちょっと、佐藤二〇っぽいじゃん。え? 何? 神様とか?
『的なね。そういう的な存在。んで、この姿は仮の姿であり、お前の、神様的なののイメージが、なんでか佐〇二朗のせいで、こうなったんですー。正直、キムタ〇がよかった』
なんでだろ。ヨシヒ〇のせいかな。〇シヒコの仏様のイメージが俺の神様のイメージなのか。
『もう! 〇シヒコ、〇シヒコ言わないでほしい! さっきからお前の心の中が伏字ばっかりで、おじさんいけない気分になりそうなんですけど』
くそう、なんで俺は佐藤〇朗をイメージしてしまったんだ。
正直、めちゃくちゃめんどくさい。
『はいはーい、自業自得。ま、それはいいんですけど。とりあえず、やることやって、私も大東建〇のお家に帰って、ほろよ〇飲んで、酔っ払いツ〇ートしたいのよ』
お前も伏字満載じゃねーか! まあ、いいや。で、何をどうすれば?
『ん? ああ、んん! カヌチエイトよ、死んでしまうとは何事か!』
そっからやるんだ。というか、やっぱり俺は死んだのか。
『なーんて、うっそぴょーん! 死んでませんでしたー。生きてまーす!』
殴りてえ。こいつも頭の中の神様を佐藤〇朗にしてしまった自分も。
『はい、じゃあ、血なまぐさいヤングキン〇的展開になる前に本題に入りましょう。あなたは今、異世界召喚されかけています』
異世界召喚? ラノベでよくある?
『わお。話早くて大助かり。そう! とある世界に、君は召喚されようとしている! あの雷はそういう雷だったのね! まあ、ほぼ死んだも同然だけど。んで、召喚の、こう、移動中に、私が、ちょっと次元いじって、君を呼んだわけです。あ、大体あるのよ。こういうの。で、この時間のうちに、チート能力を与えたりしてんのね』
なるほど。じゃあ、俺は死ぬわけじゃなく、今から異世界に行くのか。
『その通り! 結構こういうのね、多いのよ。で、召喚したいですーって。で、そうなったら、はいはーい。で、我々が適切な人を探して、ってマッチングアプリ的なことをやってんのね。んで、今回は君に白羽の矢がたったわけなのよ』
なんで、俺が?
『まあ、多くは語らないけれど。君に行ってもらいたい世界は、教育が呪われた世界と言われているんですね。で、教育なら先生じゃない? というわけで、厳選なる抽選の結果、君に決定しました! ぱんぱかぱーん』
俺は、教師なんてやっていいような人間じゃ……
『はいはーい、そういうのはいいので。そういうのを言うのはさ、もう一回頑張ってみてからでいいんじゃないの。私はね、結構、君という教師好きだよ』
……神様。
『へ、へへ! ば、ばっきゃろーい! 神様なんて呼ぶんじゃーねえよう! なんだよこのぽわぽわな空気! 気恥ずかしいぜ。というわけで、異世界で君が活躍してくれることを願いまして、君にチート能力みたいなのあげたいんだけれども何が欲しい?』
え、じゃあ
********
『はい! じゃあ、がんばってください!』
……え? あの、まだ何も言ってないよね?
『……』
……
『……く! さっきの『*********』で誤魔化せるかと思ったのに!』
んなわけねーだろ! 不思議空間だからってメタな話すんな!
『あーごめーん。なんかー今月の魔素使用制限がいっぱいになっちゃってたみたいー。それダウンロードしたせいで』
携帯電話の使用量みたいに言うな! っていうか、魔素ってなんだよ! それって、どれだよ!
(魔素ってのは、魔法の源みてーなもんだな!)
うわ! びっくりした! なんだ、急に声が頭の中に。
(これは〔念話〕スキルだ。これも魔素をつかって使う技みたいなもんだな)
え? 何なに一方的にしゃべんないで。どこにいるの?
(お前さんの左腕だよ)
左腕?
見れば、いつの間にか、左腕に銀色に輝く石みたいな、にしては、尖っていて、これは…黒い紐に銀の牙?がついたブレスレットのようなものが巻かれていた。
(いよお。俺様の名前は銀牙。よろしくな)
『高橋よし〇ろ先生のほうじゃないからな! 銀牙っていう名前だけども! なので、ギンって呼んであげてね☆』
言っちゃうとめんどくさいから、言わなきゃいいのに。あと、『あげてね☆』じゃねーよ。で、なにこれ?
(こんな風にお前さんの知りたいことを教えてやれるガイドみてーなもんだ。)
『ま、言わばSir〇的なね。へいギン〇〇について教えて、みたいなね。』
おお、それはありがたいな。
『ま、今から行く先の言語とか簡単な一般常識は君自身の頭の中に入ってはいるんだけどねスターターパックで。でも、一人は寂しいだろうから相談や疑問をぶつけるといいよ。あと、ギンが少しではあるけれど教師としての能力を底上げしてくれます。』
そっか。思った以上に便利なやつなんだな。ありがとう。
『ああ、おっけーおっけー気にしないで。その分のリスクもあるから。』
は? リスク? ナニソレ?
『あ、でも、大丈夫よ。教え子に手を出したら股間がイオナ〇ンするってだけだから。』
うおおおおおおおいい! 爆裂系最強呪文じゃねえかああああ!
お読みくださりありがとうございます。
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この作品の為に、長編や短編で修業兼世界観作りしているので更新間隔は序章終了後は、かなり空くと思われますが、それでもよければブックマークよろしくお願いします。
改めて、お読みくださりありがとうございます。