プロローグ
これから話すのは、僕、柊泰斗がこれから出会う、彼女たちの話、その中でも、最初の話は、彼女が成長し、僕が成長する話、
彼女、椎名巴、彼女は本を読む、本が好きなのか、授業中でも、体育の時も、肌身離さず持ち歩いてる、まるで二宮金次郎のように、本を読みながら歩く、だからと言って図書室に行くことはなく、教室の自分の席で1人本を読む、とある日、授業中に担任の先生が、
「椎名、この公式解いてみろ。」
と授業を聞かない椎名巴にキレて、まだ習っていない公式を当て、当てられた椎名巴は無言で立ちあがり黒板に向かい、あっさりと問題の答えを書き席に戻る、他の授業でも同じで、以来担任も椎名巴の、本を読む行動には、目を瞑った、人と関わりたくないのか、クラスの誰とも話しをしない、誰も近づけさせない、だから入学以来誰も彼女の声を聞いたことがない、話しかけても一方通行、椎名巴は返事をしない、故に誰も、彼女、椎名巴と関わろうとしない、彼女もクラスの誰とも関わろうとしない、なので彼女、椎名巴は今日も1人教室の片隅で本を読む、だが、ボクは、そんな彼女の姿を、儚く綺麗だと思った、
これは、そんな彼女の話、彼女と僕の話、