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第五章 いつかまた来る悲しみ
『お父さん!待って!行かないで!』
棺の前で泣きわめく私と、ハンカチを手にしたお母さんがいる。
『お父さああん!』
火の中へ、棺が入れられていく。
『やだ!やだあ!』
ばたばた暴れる私を抱き締めながらも、お母さんは泣いていた。
『うわあああん!』
なんて、悲しい夢なんだろう。
もしかして、棺の中に入れられていたのは…。私のお父さん?
『ひっく…。ひっく…。お父さん…。』
『ごめんね。お父さんにはもう会えないの。ごめんね。』
『やだっ…。ひっく…。』
本当に、こうして亡くなったのだろうか。
この夢は、現実にあったことから写し出されているのかもしれない。
毎晩こんな夢を見るから、朝起きてもすっきりしない。
まだ、小さな私は泣いていた。
夢の中の私が、可哀想で仕方がなかった。
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