ストーリー 1,15
第1章のエピローグ的なやつです。
戦闘から数日後、俺と俺のゴーレムは暫定的に戦力としてここの部隊―――第四隷兵団に組み込まれた。このことは俺も希望した。明日にでも王都に報告の手紙が送られることになっている。
「とは言っても、軍上層部が俺みたいなのを認めるかな?」
「こちらからお願いした以上、やっぱりダメでしたというのはちょっと……傭兵の扱いで個人的に雇う方法もあるにはあります。お支払い出来るものはあまりありませんが」
その辺は求めてないからいいとしてだ。今までのような不明瞭な立場から、ある程度しっかりした立場に変わるのは大きい。ここ何日かで兵の皆とも大分仲良くなれたし。
「今は『ライドゴーレム』の量産化を進めておくよ。協力者の選定は?」
俺の創った有人式ゴーレムは既存のものと区別する為に『ライドゴーレム』の名称が付けられた。ていうか俺がそう名付けた。せっかくならオリジナリティ出さなきゃ。 ちなみに、俺の第1号機は『アスカロン』と名付けてみた。あんまりよく覚えてないけど、確かキリスト教神話の剣の名前だ。実にファンタジックじゃないか。
「希望されてた通りに、魔力の多い者から3人選抜しました」
渡された資料には、ロー、トハク、イールと3人分の名前があり、それぞれ狼人、兎人、鳥人とある。ローだけが男で後の2人が女性だ。
「獣人ばっかりだな」
「魔力の多い種族なので。魔力量で選ぶとどうしても偏りが出てしまいます」
なるほど。だけど、この前は同じ狼人でも魔力切れになっていた。やっぱり調整は必要か。
「よし、今日は顔合わせと『アスカロン』の実戦用カスタムだな」
親睦会も兼ねて、趣味と実益を両立させようじゃないか。
「3人ともゴーレム用倉庫にいるはずです。では、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく、ミリア団長」