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第三話 英雄と新人冒険者3

 村唯一の宿屋の一階で甘い飲み物を頼み、テーブルに向かい合う形で女性と座る。

 ゴブリンと戦った時よりも随分落ち着いたが、まだ表情が暗い。

 まぁ、死に掛ければそれも当然か。トラウマにならないと良いけど。

 なんだか喋りかけれる雰囲気でもないので、向かい合ったまま無言で飲み物が届くのを待つ。

 それは女性の方も同じようで、どこか所在無さげにモジモジしている。

 そんな仕草がちょっと可愛いと思ってしまうのは、不謹慎だろうか?

 皮の胸当ては装備したままなので、そのギャップがまた――。


『お前は……本当に女には見境が無いな』


 すっごい呆れ声だった。

 俺にしか聞こえないとはいえ、ちょっと落ち込んでしまいそうになる。

 まぁ、実際はそんなヤワな精神はしてないが。

 異世界で生きていくとなると、嫌でも精神的に鍛えられるもんだ。


「あの、ありがとうございました」


 そんな事を考えていたら、向かい合って座る女性からお礼を言われた。

 頭を下げると、蜂蜜色の髪が垂れて、その表情を隠してしまう。

 その垂れた髪を指で押さえながら、女性の視線がおずおずと言った感じでこちらに向く。

 あれ? なんだか怯えられてる?


『ゴブリンとはいえ、一人で四匹も殺せばな』


 ああ、と。

 不意打ちとはいえ、頑張り過ぎた訳だ。

 一対四など、不意打ちとはいえやり過ぎた。

 こんな田舎のギルドに、それほど戦える冒険者が居るとは思ってなかったのだろう。

 実際は、運が良かっただけだが。

 ダガーがまっすぐ飛んだこと、ゴブリンの攻撃を防げたこと、不意打ちに相手が混乱していた事。

 そんな運が重なって、上手に勝てただけだ。


『アレだけ暴れれば、素人からは怖がられるのも道理だ』


「うっさい」


「?」


 つい反射的に応えてしまい、エルメンヒルデの声が聞こえない女性は首を傾げる。

 傍から見たら、いきなり独り言を言い出す男だからな。

 むしろ警戒せずに不思議そうな顔をするあたり、この女性の方が肝が据わっているのかもしれない。

 今度からは、助ける時はもっと穏便に、戦うではなく逃げるとかの手段を取ろうと胸に誓う。

 まぁ、この一年で人助けは何度かやったが、その度に失敗していたりするが。

 そんな事を考えていたら、宿屋の女将さんが果物の搾り汁(ジュース)を持ってきてくれた。

 ちなみに、俺にはミルクである。頼んでいないのに、一番安いものを持ってきてくれた。

 俺の懐具合をよく理解してくれていて、とてもありがたい。

 ありがとうございます、視線でそう伝えると親指を立てられた。


『……なんか情けないぞ』


「ミルクは身体に良いから、俺は大好きなんだ」


『一番好きなのは、あまり体に良くない酒だがな』


 否定はしない。

 今日は懐が温かいから、優しい気持ちになれる気がする。


「……あの」


「飲んでいいよ。疲れてる時は、甘い物を飲むのが一番だ」


 銅貨二十四枚。それが今日の稼ぎの結果だ。一日銅貨八枚で生活するとして、三日は楽が出来る。

 これくらいの出費は問題無い。

 贅沢は心を豊かにするという事だろうか。

 そんな哲学的な事を考えてしまう。哲学で正しいかどうかは知らないが。


「ありがとう、ございます」


 木製のコップを両手で持って、少しずつ飲んでいく。

 本人は気付いていなかったのかもしれないが、身体は糖分を欲していたようで、すぐに飲み終わってしまった。

 美味しそうな表情で飲むなぁ、と。その表情を楽しみながら、俺もミルクを飲む。

 現代日本のように味を調えられていない牛乳(ミルク)は、正直生臭い。

 それでも頑張って飲む。残すなんてとんでもない。勿体無いじゃないか。

 ……ミルクが子供に不人気な理由がよく判る。


「それで、えーっと……まず、名前を聞いて良いかな?」


 ミルクの生臭さに少し気分が悪くなったが、糖分を摂取して女性の雰囲気は少し和らいだような気がする。

 なので、話を聞いてみる事にした。

 この冒険初心者の女性が、どうして魔物討伐に拘っていたのかを。

 深入りするつもりは無いが、何か理由があるなら少し手を貸すのも(やぶさ)かではない。

 美人だし。女の子とお知り合いになるのに、理由なんて必要無い。


『ミルクで髭が……プッ』


 おっと。服の袖で口元を拭う。

 ナイスだエルメンヒルデ。


『……情けない』


 ほっとけ。


「私、フランシェスカと申します。フランシェスカ・バートンです」


「バートン……」


『何だ、やはり貴族か』


 苗字(ファミリーネーム)持ち。この世界では、一般の村人などは苗字(ファミリーネーム)を持たない。

 名前(ファーストネーム)の後に苗字(ファミリーネーム)が来るのはアメリカなんかと共通しているが、この世界だと苗字(ファミリーネーム)を持つ事が許されるのは貴族か騎士の家系だけだ。

 この女性の雰囲気から、貴族ではないかと思っていたが、本当に貴族だとは思わなかった。

 貴族が冒険者になる事は珍しい。

 ほとんど無いとも言える。

 一部の貴族は刺激を求めて冒険者になる事もあるが、それは家を継ぐことが出来ない次男や三男だ。

 それも、冒険の過酷さにすぐに辞めてしまう場合が多い。

 何度か一緒にパーティを組んだことがあるが、連中は野宿すら抵抗があるのだ。

 冒険者に何を求めてるのだろうか、とその度に考えてしまったのもいい思い出だ。

 その次男や三男も、大体は家の金を元手に店を開いたりして、経営で生計を立てる。

 基本的に金に困っていないし、なにより冒険者として活動するよりも、安全で楽に稼げる方法を持っているのだ。

 経営学やら、学ばないといけない事も多いが、命を賭けるよりは安全で楽だろうと俺は思う。

 なので、貴族が冒険者になるのは珍しい。特に、こんな若くて綺麗な女性だと尚の事だ。

 そんな貴族を知っているだけに、目の前の女性は正直、騙されて借金でも背負わされたのかと心配してしまう。

 なんか、人が良さそうだし。

 この場合だと、バートン家の御令嬢という事になるんだろうが……聞かない名前だ。

 多分下級貴族なんだろうな。


「俺はレンジ。冒険者三年目になる」


 ここで名前だけ名乗るのがミソである。

 蓮司という名前は珍しいが、決して無いわけではない。

 山田蓮司。この世界では、蓮司よりも山田の方が珍しい。

 というよりも、多分俺以外に山田などこの世界には居ないだろう。

 なので俺は、何者なのかを気付かれないようにレンジとだけ名乗ることにしていた。


「三年目……」


 可愛らしく首を傾げられる。

 まぁ、言いたい事は判る。

 冒険者三年目といったら、中級程度だ。

 その程度のレベルでゴブリン相手に一人で無双したというのが不思議なんだろう。

 実際は異世界補正の身体能力のお蔭なんだが。あとチート(エルメンヒルデ)

 それが無ければ、俺は本当に村人Cくらいの存在感しかない。


「それで、貴族がどうして冒険者なんか……」


 しかも、魔物討伐なんてしようとしたのか。

 貴族と言われて、表情を曇らせるフランシェスカさん。

 もしかしたら、あんまり貴族という肩書が好きではないのかもしれない。


「少し、事情がありまして」


「ふぅん」


 ミルクを一口飲む。相変わらず生臭い。


「その事情が、魔物討伐に拘ってた理由?」


「はい」


 貴族だとかなんとか、肩書は俺としてはどうでもいい。

 それよりも、その事情とやらが命を捨てるほどのものなのか、というのが気になった。

 そう、命を捨てる。

 彼女の今日の行動は、命を賭けるではなく、命を捨てる行動だ。

 それほどの事情に、興味が湧いた。

 聞くだけなら無料(タダ)だし。

 あと、カネの匂いがした。彼女は貴族で、新米冒険者だ。手助けをしたら、もしかしたら報酬が……と考えてみたり。

 それも、内容によるが。危険な事は勘弁だし。

 ミルクをもう一口飲んで、先を促す事にした。

 聞くだけ聞いて、危なそうなら……まぁ、少しくらいなら手助けしても、とは思う。


「実は、今度学院の方で実技試験(テスト)がありまして……」


「……ん?」


「その実技試験(テスト)の点数が悪いと、退学に」


 なんだか、思っていた以上に軽い内容だった。

 何でテストと冒険者が関係してるんだろうか。

 テストなら机に齧り付いて勉強しろよ。


「教科書を読もうか」


 実技の試験が不安だから魔物(モンスター)で練習しようとして襲われました。

 そんな理由で死んだら、親御さんも泣くに泣けないぞ。

 最終的には泣くだろうけど。


「ぅ……筆記は得意なんですが、実技は……」


『典型的な頭でっかちか』


 言ってやるなよ。

 無言でポケットの上からメダルを殴る。太腿(ふともも)が少し痛い。


「まぁ、運動は苦手そうだわな」


「うっ」


 気にしていたのだろう、小さく呻いて下を向く。

 ちょっと小動物っぽい。

 あと、正面に居るので胸の谷間が……確かにこんな立派な物を持っていては、運動は苦手だろう。

 フランシェスカの運動が苦手な理由に思い当たり、どうしようもないだろ、と思ってしまう。

 むしろ、そんな立派な物を持っている方が悪い。何を食べたらそんなになるのか。

 昔の仲間に、俺と歳の近いの女性が居た。

 彼女は、それはもう……アレだった。言葉にしたら、居場所を突き止められてヤられそうだからしないが。

 ちなみに、この場合のヤるは()るである。

 その彼女に、日頃何を食べているか教えてやってほしい。


「運動なんて、身体を動かすしかないだろ。魔物討伐なんかやめておいた方が良い」


 向いていない、とはさすがに言えなかった。

 まぁ、言ってもいいのかもしれないけど。実際向いてないだろうし。

 事情を聴いた今、魔物討伐は勧められない。

 それでも行こうとするなら、言うしかないだろう。


「その……実技試験(テスト)内容が魔物討伐なんです」


「…………」


『落ちるな、この娘』


 俺も思った。

 というか、生徒に魔物討伐をさせる学校ってどうなんだろうか。

 普通に死人が出るだろ。学校としてダメだろ。色々と。


「学校ってどこなんだ?」


「この村から馬車で三日ほどの、魔術都市の学院です」


 滅茶苦茶イイトコの学校だった。

 魔術都市とはその名の通り、都市全体で魔術の研究をしているような魔導師が集う街である。

 似たようなところに戦術都市や商学都市、鋼学都市などがある。

 戦術都市は魔力を持たない連中が集まって、剣や槍とかの使い方や、戦術を学んだりしている。

 この町から出た連中は、王都の方で騎士や兵士になったりしてるんだとか。

 この町には、学校というよりも道場のような物が多い。つまり、脳みそ筋肉。脳筋ばかり。

 勉強は文字の読み書きや最低限の計算だけという所も多い。

 商学都市はその名の通り、商業が盛んな街で、人間の国『イムネジア』最大の都市と言われている。

 実際、王都よりも活気があると俺は思っている。

 あと、この町では商業の事を学ぶ学校がある。

 金回りも良いが、その分暗い部分もあったりするので治安が良いとはお世辞にも言えない。

 鋼学都市は鍛冶の町だ。

 獣人の国『エルフレイム』からエルフやドワーフを招いて、魔術付与の武具や、精霊銀(ミスリル)製の武具の制作が行われている。

 『イムネジア』全土で売られている魔術武具やミスリル武具はこの町でしか生産されていない。

 あまり効率的ではないが、国の政策とか、流通問題とか、色々とあるんだとか。

 少し大きな村にも学び舎はあるが、本格的に何かを学ぶとなったらどこかの都市に行くのが普通だ。

 といっても、そういった所に行くのは金持ちの貴族か、神童とか天才とか言われて、都市の連中に目を付けられた学費を出してもらえる子供くらいだろうが。

 田舎の子供じゃ、学費が払えなくなって帰ってくるのがオチだ。

 そういう意味では、この女性は本当に貴族で、金持ちの所のお嬢様なんだろう。

 魔術都市。

 魔導師の学校……そんな所が、魔物討伐の実技試験ねぇ。

 研究のレポートとかの方が魔導師らしいと思うのは、俺の偏見だろうか。


「同級生とかとパーティを組まなかったのか?」


「本当は学友(クラスメイト)と組む予定でしたのですが、皆さん私を避けられまして……」


「なんだそりゃ」


『本当にな』


 呆れるしかない。

 理由は判らないが、魔物討伐という危険な試験を、この女性を一人で向かわせたクラスメイトも学校もどうかしている。

 魔物討伐の危険性(現実)を知らないのか、それとも何か裏であったのか。

 階級は知らないが、仮にも貴族の令嬢だ。問題があったら学校にも責任が行くだろうに。

 面倒そうだな、と。


「その、お願いが――」


 あ、やっぱりか、と。

 次の言葉の予想は出来ている。

 問題は、乗るかどうかだ。

 俺としては、問題は無い。それよりも、この女性が貴族だというなら、報酬もそれなりに期待できる。

 だが問題は、どうしてこの女性は一人で魔物討伐(モンスター退治)をすることになったのか、だ。

 俺の考え過ぎならいいが、何かあったとなると事だ。

 面倒は勘弁してほしい。貴族の女性に冒険者のなんたるかを教えるのは問題無い。

 こちらとしても、こんな綺麗な女性とお近付きになれるなら、二つ返事で頷くだろう。

 だが、面倒はごめんだ。

 俺も訳有りの身だ。面倒も、目立つ事も、勘弁してほしい。

 けど、先立つ物は欲しい。凄く欲しい。

 貴族からの報酬なら、もしかしたら金貨――いや、銀貨くらい……。


「私に戦い方を教えていただけないでしょうか?」


「ああ、判った」


 身を乗り出しながら、真摯な視線を俺に向けてくる。

 そう、乗り出して。

 そうする事で、皮の胸当てに押さえつけられた、豊かな実りが確かに揺れた。

 そして気付いたら俺は、二つ返事で頷いてしまっていた。


『怒らないから、今どこを見て返事をした? 言ってみろ』


「君の眼は嘘を言ってないようだし、構わない……かな」


 視線を逸らす。

 別に、罪悪感を覚えた訳でも、ポケットの中のメダル(エルメンヒルデ)の怒りが怖かった訳でもない。

 窓の外は、憎らしいくらいに快晴だった。






 ギルドに戻ると、熊面の冒険者の姿は無かった。

 おそらく、新人連中を連れて、狩りの方法を教えているのだろう。

 こういう田舎の村では、若者は貴重な戦力だ。

 きちんと基本から仕込み、次代へと伝えていくのが習わしなのだとか。

 受付の少年が、驚いた顔でこっちを見る。


「驚いた……レンジさんが女連れだなんて」


「ふ――俺だってやる時はやるさ」


『いつもやらないけどな』


 うっさい。

 ポケットの中からの呆れ交じりのツッコミに、心中で毒づく。

 だがそれでも、その声が何処か嬉しそうに感じるのは、俺が真面目に仕事をしようとしているからか。

 しかも、いつもは頼まれてもしない魔物討伐を。

 これを機に、もっと真面目にやれという小言が増えない事を願う。

 まぁ、この依頼の報酬を得たら、しばらく楽が出来そうだが。


「しかし、魔術都市ねぇ。ずいぶん遠くまで獲物を探しに来たんだな」


 あの辺りは確かにギルドが張り切り過ぎて、試験内容の魔物を探すのが面倒かもしれないが、危険も少ないはずだ。

 だというのに、三日も掛けてこんな片田舎まで来るなんて、と思わなくもない。

 本人に聞いたら、魔術都市からここに来るまで、対象となっている魔物の討伐依頼が出ていなかったらしい。

 そういう事もあるのか、と思う。

 学生が狩るとしたらゴブリンかコボルト程度だろう。

 それも、プロの冒険者が付き添って。


「さて、それでどの魔物(モンスター)を探してるんだ?」


 戦い方を教えてほしいと頼まれたが、目標が何者か判らないと教えようもない。

 魔神討伐時代に大体の魔物とは戦っているので、特性とかは少しは理解している。

 田舎で討伐依頼が出る様な魔物なら、俺でも十分教えられるだろう。

 そう、甘い考えがあった。

 そんな簡単な依頼で、報酬がガッポリ貰えるのだ、と。


「オークです」


「豚か」


『上手く行けば、豪勢な食事にありつけるな』


 オーク。

 実際は豚ではなく、豚のような鼻に牙を持った魔物だ。そもそもこの世界に豚は居ないので、豚という言葉は通じない。

 俺の言葉に、不思議そうに首を傾げているフランシェスカを見ると、なんか和んだ。

 そのオーク。

 大きさは大体二メートル前後、特筆すべきは腕力と体力、身体が大きいので異常にタフだという事。

 動きは見た目の通り鈍重なので、油断しなければ何とかなる……かもしれない。

 フランシェスカを見る。

 ……仕留めるまで、体力が持たないだろうなぁ。


「試験に期間とか(もう)けられてるのか?」


「一月です。もう一週間ほど使いましたから、あと二十日ほどかと」


「なら、十分余裕があるな」


 オーク討伐の依頼が来ていないか探すが、無い。

 まぁ、そういう時もあるだろう、と思う事にする。

 ゴブリンやコボルトは森や草原に湧くが、オークは森か洞窟に集まる。

 もしくは田舎の畑を漁るために人里に下りてくるか。

 オークは基本的に何でも食う。野菜も、肉も、人間も。

 なので、もし村に現れたらすぐに討伐依頼が出る。そして狩りやすいのですぐに狩られてしまう。

 そこそこ強いが鈍重(ノロ)いし、その肉は食用として売りに出せるので旨味が大きい。

 討伐報酬とオーク肉の売り上げ。俺なら、その収入だけで十日は楽ができる。

 この辺りに洞窟は無かったはずだから、森の奥深くまで進むか、最悪どこか洞窟が近くにある村に移動する事になるだろう。

 この村に腰を落ち着けて一月。

 そろそろ移動するのも悪くないかもしれないな、と思う。

 フランシェスカと会ったのも、良い機会かもしれない。


「そろそろ旅の続きでも始めるとするか」


「旅、ですか?」


「取り敢えずの目標は、オーク探しだな」


『なんとも微妙な目的の旅だな……』


 まったくだ。

 でもそれが俺たちらしい、と。

 相棒(エルメンヒルデ)と二人で小さく笑う。

 そんな俺を、新しい旅の仲間は不思議そうに見上げていた。


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― 新着の感想 ―
現代日本でも給食で出てるような普通の成分無調整の牛乳はホモジナイズド処理と殺菌をしてるくらいで特に味の調整はしてませんよ。
2024/12/16 05:00 通りすがり
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