立ち直り早いよね。
お久しぶりでございます。
本気でスランプに苦しんでおりました(:3 )rz
私のスランプは立ち直り早くなかったよ…←
展開が決まっているのに書けない。
文章をこねくり回しまくって、やっと更新に至ると言う体たらく。反省(´・ω・`)
それから休憩を挟みつつ1時間ほどダンスの練習をした。
ヴィルフリートは伊織の運動が終わると城に帰っていき、伊織はクタクタになりながら部屋に戻る。部屋に備えられた浴室で汗を流してゆったりとお湯に浸かり、マッサージもしてもらってから、初めてじっくりと部屋の中を見渡す。
部屋は淡い色でまとめられていて、ベッドには天蓋が付いているし、ドレッサーなどもある。女性仕様にされたこの部屋は、伊織の為に整えたとお茶会の時にレティツィアが言っていたので、わざわざ内装を変えてくれたのだろう。家具の配置などが城にある伊織の部屋と似ていて、居心地が良さそうだった。尤も、城にある伊織の部屋の寝室は、最近めっきり使っていないのだが。
「はぁ、疲れた…でも、よく寝れそぅ…」
意外とハードな運動をしていた為か身体は休息を求めていて、伊織はベッドに倒れ込むようにして転がる。柔らかいが程よく反発のあるマットレスが、伊織の身体を押し返してくる。
伊織はもそもそとベッドの真ん中まで這っていき、そこでぱたりと力尽きて布団も被らず目を閉じた。
いつもより早く就寝した為か、翌朝の早朝に目が覚める。空は白みかけていて、まだアニエッタやフランツィスカも寝ている時間だろう。
身体の下敷きにしていた布団が掛けられているので、アニエッタかフランツィスカが掛けてくれたのだろう。
頭はすっきりしているし、疲れもそれほど感じない。
流石に起すのは憚られて、テーブルの上に置いてある手芸セットを取り出してあみぐるみの続きをする。今の時間からなら、アニエッタやフランツィスカが起こしに来る時には残りは完成するだろう。作った4つのあみぐるみは朝食の時にでも子供達にあげればいい。
(ん…これでいっかな?)
色違いの猫のあみぐるみの首元に色違いのリボンを巻いて結う。テーブルの上に4つのあみぐるみを並べて、伊織は満足顔で頷いた。
そこに丁度アニエッタとフランツィスカが入ってきて、既に起きている伊織を見て驚く。それからテーブルの上のあみぐるみを見て微笑んで、頭を下げた。
「おはようございます、イオリ様。お目覚めになられていたのですね。呼んで下されば宜しかったですのに。」
「うん。ちょっと早く起き過ぎちゃって…。これ作ってたから、大丈夫だよ。」
アニエッタに苦笑い混じりに言われて、眉を下げる。
随分慣らされたとはいえ、未だに人を遣うと言う事に躊躇が先立つ。それにここは城ではない為、アニエッタやフランツィスカの控えの部屋は伊織の部屋と繋がっていないので、魔道具を使う事になる。実は伊織は呼び出す為の魔道具を使い慣れていなかった。
呼び出しの魔道具は魔力のほぼない者でも使えるように微量の魔力でも反応するのだが、逆に魔力を流し過ぎると反応しない。魔力の調節が下手な伊織には使いにくい魔道具だった。
「では準備いたしましょう。朝食後に迎えの馬車が来ますので、ウラ様と一緒に城に帰る事になります。」
「うん。…動きやすい服がいいなぁ。」
アニエッタの手に持たれているどう見ても動きやすそうとは言えないドレスを見て思わず呟く。アニエッタは苦笑いしつつもドレスを広げた。
「このドレスはウルリヒ様がお作りになられたドレスですので、見た目ほど動きにくくはないかと思いますわ。」
「…それなら、それでいい…」
伊織の下着なども含めた衣装の内、4割ほどがウルリヒの作った物で、伊織も着心地などを気に入ってウルリヒ作の衣服を好んで着ている。そもそもウルリヒの衣装を着るようになったのは、ヴィルフリートがウルリヒを呼んで伊織にプレゼントしたドレスを伊織が気に入り、それをヴィルフリートに言った事で、その後の伊織のドレスは全てウルリヒの工房で作られる事になるのだが、伊織は知る由もない。
もちろん伊織が運動する時に着ている物もウルリヒの工房の物だ。
正直なところ、ウルリヒの工房自体が皇族の専属になりつつある。アニエッタとフランツィスカが着ている侍女服もウルリヒの工房で作られた物で、他の侍女とは意匠が違う。城で働く者なら、一眼で伊織の専属侍女だと判る様になっている。
その為、専用の侍女服を身に纏う伊織の侍女は有能な証拠であり、他の侍女からの憧れの的であったりする。
フランツィスカに促されてナイトドレスを脱いで、着替えを済ませる。髪もいつもの様に結われ、薄く化粧が施されて準備を終えた。
朝食の時間には少し早いが、編みぐるみを手に持ってサロンに向かう。廊下ですれ違う使用人に挨拶をしながらサロンの前に行くと、ニコラウスがサロンから出てきた。
何やら落ち込んだ様子で溜め息を吐いていて、伊織が近付いている事にも気がついていない様だ。
「パパ、おはようございます。……どうかしたの?」
伊織が声を掛けると、大袈裟なまでに驚いて肩をビクつかせる。
伊織は普段と違い、元気のないニコラウスに首を傾げて問い掛けた。
「あ、あぁ…おはよう、イオリ…。…いや、何でもないんだ…」
どうにも伊織が城に帰る事に落ち込んでいる訳ではなさそうで、ニコラウスは伊織の横をすり抜けて幾つか並んだ扉の一つに入っていく。伊織は首を傾げながらもサロンの扉を開けて中に入った。
サロンにはレティツィアとコルネリウス、それにモニカの子供のフィリーネとハルトヴィンがいる。
「おはようございます。…さっきパパと扉の前ですれ違って…なんか元気なかったけど、何かあったの?」
「んふふ…大したことじゃないのよ?」
「わたくしがお祖父様にあんなこと言ったからいけないのですわ…」
「姉上の所為ではないと思います。祖父上が些細な事で落ち込むのはいつもの事です。」
しょんぼりとしているフィリーネに、ハルトヴィンが年に似合わない淡々とした口調で、肩を落とすフィリーネを励ます。
来たばかりの伊織にはどう言うことか分からないが、フィリーネの発言がニコラウスを落ち込ませる一因であるらしい。
伊織はフィリーネとハルトヴィンの前に編みぐるみを差し出して微笑んだ。
「何があったかは知らないけど、元気だして?ね!」
「あらあら。可愛らしいわね。」
フィリーネは目の前に突き出された編みぐるみを反射的に受け取り、ハルトヴィンはフィリーネが受け取ったのを見ておずおずと受け取る。
レティツィアが微笑ましそうに笑って、フィリーネの頭を撫でている。ハルトヴィンもなんとなくだが嬉しそうにしている様で、伊織は目を細めた。
「それで、どうしてパパは落ち込んでたの?」
「それは…」
「フィリーネがアロイス兄さんの次に陛下がカッコいいと言ったからなんですよ。以前は自分が2番だったのに、と拗ねたんです。くだらないでしょう?」
コルネリウスが呆れ気味に言って、やれやれと首を振る。レティツィアが途端に吹き出して、肩を震わせながら笑い出す。対照的にフィリーネは貰ったばかりの自分の手ほどの大きさしかない小さな編みぐるみを大事に抱えてしょんぼりと肩を落とした。
伊織は反応に困って、笑えばいいのか、呆れればいいのか微妙な表情で皆を見渡す。とりあえずレティツィアは止めた方がいいかと、声を掛けようとしたところでサロンの扉が開き、モニカと末弟のフィリップ、それにウラとカルステンも同じくして入って来る。
相変わらずカルステンは居心地が悪そうだが、昨日よりも質の良い衣服を身に纏い、容姿も整えられたのかさっぱりとしていた。
「おはようございますわ。遅くなったかしら?」
モニカが空いたソファに座りながら小首を傾げて尋ねて来る。モニカに笑顔で否定の言葉を告げ、ウラとフィリップに編みぐるみをあげたところで、グスタフが食事の用意が整ったと報せに来た。
いつもの事だから、とニコラウスは放って置く事にして、食堂に移動する。だが意外な事に、食堂には既にニコラウスが先程落ち込んでいたとは思えない表情で、にこやかに自分の席について居た。
あまりの変わり身の速さに伊織が目を白黒させていると、モニカが後ろから笑いを含んだ声をこっそりと掛けて来る。
「先程、廊下でお見かけした時に、ウラちゃんがお義父様に向かって、優しいから大好き、と言っておりましたの。」
なるほど、それでこの調子なのか。と納得すると同時に、なんとなくニコラウスが可愛らしく思えて来る。
じわじわと込み上げてくる笑いを抑えて、伊織は席についた。
何気なくレティツィアを見ると、笑いを抑えるのが必死なのか、綺麗な顔が歪んで肩が震えている。ニコラウスは隣に座るそんなレティツィアには気がついていない様だ。ウラに向かって、頬を緩めて手を振っている。
(…何と言うか…やっぱりここの人って…)
伊織は目の前で繰り広げられる光景に、思わず苦笑いを零した。
いつも読んで頂き、ありがとうございます♪
みなさんが待ってくれていると言う事を心の励みに頑張ります。
スランプなんて、スランプなんて…吹き飛ばすんだあああああああ(叫
午前0時に、スランプ中の息抜きに書いたお月様をアップ(予定)です。
ディーゲルマン家訪問前夜のお話でございます。
ちょっとテイストを変えてみたつもりなのですが、あんまり変わってなかったです←




