小話 フランツィスカのシングルマザー計画②
割烹に載せていた小話です。
私は今、神殿にいます。イオリ様と陛下も15刻のお茶を飲んでから、アニーのお見舞いに来ると言ってましたし、早くしなければ。
アニーもリタもすっかり治ったようで、早ければ明後日にも復帰するそうですわ。
アニーとリタには悪いけれど、協力して貰わなくっちゃ。
「アニー、リタ。お加減はどう?」
「あら、フラン。イオリ様はどうなさったの?」
「今日は陛下とお出かけですわ。私もイオリ様がお戻りになるまでお休みなの。」
アニーが首を傾げて問い掛けて来るので、簡潔に説明します。今重要なのは、幸せなイオリ様の心配より、私の乳母計画ですわ!
さっそくアニーとリタに事情を説明して、協力をお願いする。
アニーは呆れながらも協力してくれるようだわ。リタは顔を赤くしていたけど、頷いてくれたし。
「じゃあ、私、気分が悪いと言う事にして…」
「ちょっとお待ちなさいな。ヴォルフガング様のお母様もいらっしゃるの。きちんと説明しておいた方がいいと思うけれど。」
寝耳に水ですわ!アニーに先に協力を要請してよかったですわ。
とにかく、そうと決まればヴォルフガング様のお母様を呼んでもらわなくっちゃ。
リタが歩行訓練ついでに呼んでくれると言うので、アニーとおしゃべりしながら待つことになりました。
「フラン、普通に結婚すればいいじゃないの。貴女は家柄もいいし、向こうも快くお話を受けてくれると思うけれど。」
「結婚ではダメなの!だって私、仕事を辞めたくないんですもの。」
お母様に言われた事と同じことをアニーに言われて、ムッとする。私の生きがいを取り上げないで頂きたいわ。
お喋りしている内に、リタがヴォルフガング様のお母様を連れて戻ってきました。神官をしているようで、純白の神官服を召されていますわね。
でも…お母様?お姉様ではなくて?
「カロッサ家のフランツィスカでございます。…折り入ってお願いが…」
「はい、ヴォルフガングの母のシャルロッテですわ。それで、話と言うのは?残念だけれど、恋愛は当人達に任せておりますの。」
にっこりと優しげな微笑みと共に先手を打たれてしまいました。目が笑っていない様な感じもお見受けして、勢いを削がれてしまいましたわ。
「…恋愛と呼ぶのはちょっと違うんです。…実は…」
「ふむふむ…まぁ!…それで?ええ。」
簡潔に事情を説明して協力してください、とお願いして見ました。シャルロッテ様がふふっと笑って、手をギュッと握ってきます。柔らかくてきれいな手です。
「面白そうですから、協力いたしますわ。実は私も困っておりましたの。ヴォルフってば、研究と訓練に夢中でご令嬢のアプローチにも全然気が付かなくて。」
お母様の協力も取り付けたましたし、今度こそ気分が悪いと言う事にして別室で2人きりにさせてもらう事になりましたわ。
これで乳母計画の第一歩ですわ!
to be continued...
お母様の許可を取り付けて、ますます暴走気味のフランツィスカさんw




