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紫水晶の回帰  作者: 秋雨
紫水晶と石榴石
53/94

隠し事。

気が付けば500,000PVと79,000ユニークを頂いておりましたΣ(・ω・ノ)ノ!

皆様、稚拙な私の作品を読んでくださり、誠にありがとうございます。

これからも頑張って更新していくので、よろしくお願いしますね・.*:+:(*´ェ`*):+:*.・


この話の前にお月様の方に間の話を1話あげております。が、読まなくても本編には影響の無い様にしておりますので、嫌いな方は飛ばしていただいても大丈夫です(*-∀-)ゞ


ヴィルフリートを探して部屋を見渡すが、ヴィルフリートは居室には居なかった。伊織が寝室の扉を開けて中に入ると、ヴィルフリートが布で頭を拭きながら衣装部屋から出てくる。

ヴィルフリートの身体はうっすらと濡れて水が滴っていてた。どうやら入浴していた様で、引き締まった上半身を惜しげも無く晒している。

伊織の視線に気が付き、ヴィルフリートが顔を上げる。伊織の顔が瞬時に赤く染まり、顔を背けた。


「…自分から素直に来るとは。」


ヴィルフリートが喉で笑い、窓際にある椅子に座る。伊織は視線を外しつつも、ヴィルフリートの動きを意識し、動く度に反応してしまう。


「イオリ。その様な所に立っておらず、こちらに来ぬか。」


ヴィルフリートが布を肩にかけ、伊織に手を差し出す。ヴィルフリートの髪からはまだちゃんと拭けていないのか、水が滴って肩や胸を濡らしている。


(…水も滴る、いい男…ってこういう人の事、ね…)


伊織はヴィルフリートの顔を見ないように後ろに回り、布を手に髪を拭く。髪はしっとりと濡れていて、手触りがいい。ついでにヘッドマッサージもしてみる。


(ヘッドマッサージ、藍によくさせられたなぁ…)


「…心地良い。が、それで誤魔化せるとも思っていまい?」


ヴィルフリートが伊織の手を取り、顔を上に向けて伊織を見た。ヴィルフリートの視線に、また顔が熱くなったのが分かった。ヴィルフリートの腕が伊織の後頭部を回り、そのまま引き寄せられる。伊織とヴィルフリートの唇が近付き、伊織は思わずギュッと目を閉じた。

月明りで浮かび上がる二人の影が重なる。まだ、月は沈みそうになかった。



----------------------------------------------------------------




翌日、伊織は眩しさを感じて目を覚ました。ヴィルフリートはとっくに起きていて、太陽の位置も中天に近い。

もそりと布団から身体を起こす。僅かなダルさは感じるが、不調と言うほどの物でもない。恐らく、前と同じ様にヴィルフリートが治癒してくれたのだろう。


「…ゔぃるさん、おはようございます。」


「ああ。…声が出にくいか。」


伊織の声は掠れていて、喉に違和感がある。

ヴィルフリートが伊織にコップを差し出す。コップの中身からは、柑橘の様な爽やかな香りがする。飲んでみると、レモンの様な風味と少しの甘さが口に残った。蜂蜜レモン水に近い。


「もうちょっと。」


ヴィルフリートにコップを差し出し、お代わりをねだる。ヴィルフリートは無言でコップを受け取り、サイドテーブルの水差しからコップに並々と注いで、伊織に渡してくれた。


「…ぷは…おいし。」


一気に飲み干して、口を拭う。

ヴィルフリートが伊織からコップを取り上げて、伊織に口付けた。


「…まだ、日中…」


伊織が頬を染め、拗ねて顔を背ける。

ヴィルフリートが機嫌を取る様に伊織の髪を撫でた。


「…どこか辛い所はないか?」


「大丈夫。多分、動き回っても平気。」


伊織の身体を気遣う言葉に拗ねるのをやめて頷くと、ヴィルフリートがベッドから立ち上がってギルベルトを呼ぶ。

直ぐにノックの音が扉から聞こえて、ヴィルフリートが即座に返事をして部屋にギルベルトを入れる。伊織はなんとなく恥ずかしさを感じて、布団に潜り込んだ。


「身支度したのち食事を取る。用意いたせ。」


「畏まりました。」


ギルベルトが頭を下げて出て行き、伊織が布団から顔を出す。ヴィルフリートが伊織を布団から出るように促した。伊織がベッドの縁に座ると、肩にガウンを掛けられる。


「イオリは余の部屋を使うと良い。仕度を終えたら食事にしよう。」


ノックの音にヴィルフリートが伊織の頬を撫で、扉から出ていく。入れ替わりにフランツィスカと昨日も入浴を手伝ってくれた臨時の侍女が入ってきて、いつもの様に着替えさせられた。


「…イオリ様は、本当にどこもかしこもお綺麗ですわねぇ…」


臨時の侍女がほぅ、と感嘆の吐息を吐いて、伊織の髪を梳く。

侍女の名前はエリーゼと言うらしく、田舎貴族の三女らしい。エリーゼの故郷の話や、帝都に出て来てからの苦労などで盛り上がる。気が付けば結構な時間ヴィルフリートを待たせており、伊織が慌てて居室の扉をくぐった。

ヴィルフリートがソファに腰掛け、肘を立てながら書類を見ている。伊織が扉から出てきた事に顔を上げ、書類をギルベルトに渡す。


「ごめんなさい。ちょっと話に盛り上がっちゃって…」


「良い。食事にしよう。こちらへ。」


ヴィルフリートに呼ばれてソファに座る。食事を取る時は行儀が悪いのと、伊織が頼んだので膝の上には座らない。テーブルの上に所狭しと料理が並べられた。


「何か、したい事はあるか?」


「んー…アニーとリタのお見舞いと…あっ!遊びに行きたい!」


食事をしている途中に問い掛けられ、首を傾げて考える。今なら頼んだら行けそうな気がして、顔を輝かせてヴィルフリートを見た。

ヴィルフリートが眉を寄せ、伊織を見返す。伊織はドキドキしながらヴィルフリートの返事を待った。


「…遊びに行くとは、どのように。」


「前みたいに城下に行きたいなぁ…ダメ?」


ヴィルフリートの眉が更に寄り、ちらりとギルベルトに視線を送る。ギルベルトも(いささ)か難しい顔をしていて、伊織は不安になってヴィルフリートとギルベルトを交互に見た。


「…忘れている様だが、つい先日危険な目に遭ったばかりだろう。」


「…そういえば…」


まだ一月も経っていないはずなのに、遠い昔の記憶の様に感じられて、伊織が目を瞬かせた。ヴィルフリートが残った食事に手をつけ、伊織も仕方なく食事を続ける。

食べ終わってお茶が出され、ちょっと残念に思いながらお茶を飲んだ。それが顔に出ていたらしく、ギルベルトが苦笑いする。


「陛下はイオリ様を心配しておいでなのですよ。まだイオリ様を拐かす様に指示した者も捕まっておりませんし…陛下が傍におられて間違いなどはないでしょうが、用心するに越した事はありませんから。」


「…うん。わがまま言ってごめんなさい。」


ギルベルトに諭すように言われ、伊織がしょんぼりと肩を落とす。ヴィルフリートが溜め息を吐く音にピクリと反応してしまう。


「…良い。イオリが城を退屈だと思うのも、仕方のない事だ。…本日中に裏で糸を引く者が判明したのなら、明日出かけるとしよう。」


思わぬ返答に、伊織が勢いよく顔を上げる。憮然とした表情のヴィルフリートの後ろで、ギルベルトが苦笑いを浮かべている。


「…いいの?」


「…イオリが大人しくしておるなら、な。」


伊織が上目遣いにヴィルフリートの顔色を窺う。ヴィルフリートが再度ため息を吐いて立ち上がると、伊織を膝に乗せた。ハーフアップにされた髪を崩さない様に梳かれ、背中に腕を回す。ギルベルトが静かに部屋を出ていき、ヴィルフリートが伊織に口付ける。伊織はギルベルトが出て行ったことにも気付かず、慌ててヴィルフリートの口を手で覆った。


「…ヴィルさん、ダメだよ。ギルベルトさんが…」


「ギルベルトはもうおらぬ。…駄目ではなかろう。」


伊織がヴィルフリートの言葉に部屋を見渡す。部屋には誰もおらず、ヴィルフリートと二人きりだ。

ヴィルフリートの指が伊織の顎に掛かり、伊織の吐息はヴィルフリートの呼吸と混ざった。




「…そういえば、あの箱は?」


「…ああ、あれは研究室だ。」


居室でヴィルフリートに甘やかされながらだらだらと過ごしている時に、不意に思い出して伊織が尋ねる。ヴィルフリートが一瞬、虚を衝かれたというような顔で伊織を見て、すぐに思い当ったのか返事を返す。ヴィルフリートの普段見れない顔が見れ、伊織がにんまりとした。


「…あれは開くのか。」


「…うーん…。どうだろ…多分、開くと思うけど…聞いて見なきゃ。」


伊織は表情を一変させて唸りながら考え込む。


「誰に聞くのだ。」


「イレーネに…あっ!」


伊織は慌てて口を押さえ、ヴィルフリートを見る。ヴィルフリートは難しい顔で伊織を見た。その顔は心なしか険しく、伊織は身を竦ませる。


「イオリ、まだ余に隠している事があるようだな?」





今日の夜、アップできるかなぁorz

更新できる内は、更新するのですが!

誰かネタ提供してくれないかな←


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いつでもウェルカムです!


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