小話 騎士詰所にて。
割烹に乗せていた小話です。
「肩ハメてくれ…」
ゴロツキの男の一人が弱々しく言ってくるのを無視して俺はゴロツキ3人を床に座らせた。
先程見たゴロツキを伸した男が頭から離れない。何処かで見たことがある。
「うるせぇよ、ちょっと待ってろ」
とりあえず、返事をして俺は調書を取りに行った。
「なぁ、さっきの可愛い嬢ちゃん連れた、すげーいい男、お前どっかで見たことねぇ?」
同僚も気になっていたらしく、俺の横に来て聞いてきた。
「見たことあるよな。何処だったかな…あんだけ目立つなら覚えてると思うんだが。」
ゴロツキの気絶してた最後の1人が呻きながら目を覚ました。3人中2人は連行中に目を覚ましたが、1人は目を覚まさなかったのだ。
「…ヒィッ!ここ何処だよ…!」
騎士に囲まれた状況に男が悲鳴を上げた。
とりあえず、先程の男は一旦忘れて調書を取ることにした。
「…それで、お嬢さんに触ったら気絶してたと?」
呆れた。気絶しただけで済んでよかったじゃないか。
相当怒ってたし、腕を切り飛ばされても文句言えなかったぞ。まぁ、そこまでしたら流石に先程の男にも一緒に詰め所に来てもらう事になってただろうけど。
「他には?」
「あ…気絶する直前に見た、男の目が真っ赤だった!」
「真っ赤?見間違いじゃないのか?」
そんなはずはない。自分が見た時は青かったはずだし、魔力を使ったとしてもそう時間が経ってないなら色は残るはずだ。
「確かに赤かったんだよ!な?お前も見たよな!?」
「見間違いかもしれないけど俺も見た…悪魔の様な強さだったぜ…」
それが本当なら該当するのは1人しか居ない。そして俺たち新人騎士はついこの間着任する時に見た。同僚も俺も一気に真っ青になって、ゴロツキに10日間の強制労働を言い渡した。
「なぁ、あの痛めつけろって、命令だと思うか?」
「さあ…でもあいつらよく殺されなかったな。」
「噂の寵姫が一緒だったからじゃないか?…確かに可愛かったよな…」
同僚が思い出して呟くのを嗜める。誰かに聞かれてたらお前も危ないぞ。
fin
この新人騎士の苦労はまだ始まったばかりだぜ!




