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紫水晶の回帰  作者: 秋雨
紫水晶の記憶
10/94

確信(ヴィルフリート視点)

難産!

何か伊織ちゃんの観察日記の様になってしまいました…補足回なので見逃してくださいね( ˘•ω•˘ )



目覚めが悪い。

起きる時間もいつもより早く、外は朝靄が立ち込めていた。

起き上がって自分の掌を見る。何故かそこに血が着いている様な気がした。

剣が肉を突き破る感触と、頬を撫でる柔らかな手の感触。あれは何の夢だったのか。内容はまったく思い出せなかった。

ヴィルフリートは眺めていた自分の手を握り込む。血には慣れたと思っていた。

衣装部屋を突っ切り、湯殿に向う。早く不快な汗を流したかった。

手早く湯浴みを済ませて適当な服に袖を通す。基本的に色は黒、紺、濃紫、赤黒。正式な場では白なども着るが、基本的には黒味が多い。

寝室に戻るとギルベルトが頭を下げて待っていた。いつも起こしに来る時間より早かった。ヴィルフリートが起床したのを察知したのだろう。

ギルベルトを一瞥して寝室から居室に移動し、ソファに腰を掛けた。


「陛下、おはようございます。本日は宰相補佐より謁見の申請が入っておりますが、如何致しましょうか。」


「どうせアレに関する事だろう。断れ。」


ギルベルトが頭を下げるのを見て、肘掛けにもたれかかった。


「アレと朝食を取る。報せておけ。」


ギルベルトの補佐の侍従が紅茶を淹れ、ヴィルフリートの前に置いた。その侍従は頭を下げてすぐに部屋を出て行く。報せに行ったのだろう。いつもより早い時間な為、朝食までは時間がある。

ヴィルフリートは淹れられた紅茶に口を付け、半分ほど飲んで目を閉じた。


(余にとって、アレは何なのか。)


自問してみるが、答えは出そうにはない。ただあるのは、今度こそ喪ってはならないと言う忌避感と、自分の身の内の狂気。

自分の事の筈なのに釈然としない不快感に、眉間に皺が寄る。

不快感を振り払う様にグッと拳を握り、深く息を吐いた。


「ギルベルト、昨夜報告があった書類を出せ。」


伊織を迎えに行くまでの時間潰しには丁度いいだろうと、未処理の報告を片付けた。



----------------------------------------------------------------



「陛下、そろそろ朝食の時間ですが。」


ギルベルトに声を掛けられ、顔を上げる。確かにもう半刻もせずに朝食の準備が整うだろう。


「アレを迎えに行く。」


ソファから立ち上がり、書類をギルベルトに渡して部屋を出た。伊織の部屋の前に着くと騎士が敬礼し、扉を開けた。


「ご苦労。」


「はっ!」


労いの言葉に敬礼する騎士に鷹揚に頷く。ギルベルトが寝室の扉を開け、ヴィルフリートは部屋に入った。


「陛下!」


「申し訳御座いません」


侍女が慌てた様子で頭を下げ、後ろに下がる。


「ごめんなさい。僕がもたもたしてたから…あの、二人を怒らないで…」


伊織が頭を下げて謝った。


「良い。怒っていない。…綺麗になったな。」


伊織が躊躇いながら頭を上げ、ヴィルフリートを見る。伊織の頬を撫でてやると、恥じる様に頬を染めた。伊織を見ていると、伊織が頬を染めたままじっと見つめてくる。何かあるのかと様子を伺っていると、ギルベルトが声を掛けて来た。


「…陛下、朝食の準備が整っております。」


伊織が勢いよく顔を背けて、頬を押さえていた。ギルベルトに促され、食堂に向う。

ヴィルフリートは後ろに追ってくる伊織に少し歩調を緩める。食堂に着くと伊織はキョロキョロとあちこち眺めていた。


「ここは余しか使わないから狭いだろう。大食堂の方が良いか?」


「いいえ、ここで大丈夫です。あんまり広すぎると緊張しちゃうし…いただきます。」


伊織が誤魔化す様に手を振っている間に、目の前に料理が並べられる。イオリの前に並べられた量はヴィルフリートの半分以下だ。

伊織が妙な作法で頭を下げた。ヴィルフリートは疑問に思いつつも料理を口に運ぶ。


「これおいしい!…摩り下ろした果物が入ってるのかな?」


どうやら料理には興味があるらしい。ヴィルフリートは食べられればそれでいいと思っているので、うまい、まずいはあっても基本的に何でも食べるし、感想も言わない。

伊織の顔が綻ぶのを見て、食事がいつもより美味い気がした。


「興味があるなら後で料理長に聞くが良い。」


食後の紅茶を飲みながら笑顔で料理を食べる伊織にヴィルフリートは頷いた。

伊織の前にデザートが置かれ、先程にも増して顔を輝かせている。甘い物が好きらしい。


「おいしかった。ごちそうさまでした」


伊織がまた妙な作法で頭を下げた。


(…感知できる魔力の量にしては食べる量が少ない)


腹をさすっていると言うことは、満腹なのだろう。伊織に関して調べることが増えた。

伊織と過ごす時間は気分がよく、ゆっくりと流れる。

ヴィルフリートがそろそろ執務に行こうか、と思ったところで入り口が騒がしくなった。緊急の用事なのだろう。ギルベルトが伺いに行く。


「何事だ。」


わざわざ食堂まで来て報告する以前に対処出来ぬのか。気に障る。苛々と一気に機嫌が低下したヴィルフリートにギルベルトが戻って来て耳打ちする。


「聖なる泉に異常があった様で」


聖なる泉、と聞いて眉間に皺が寄った。ギルベルトは尚も続ける。


「泉周辺が結晶化しており、魔力の奔流があると。」


伊織が心配そうにこちらを窺っているのを見て、余計に顔を顰める。


「…イオリ、ゆっくりしていると良い。余は所用が出来た。」


伊織のところに行き、髪を梳き、宥める意図で頭を軽く叩いた。そのまま踵を返し食堂を出て泉に向う。



----------------------------------------------------------------



泉に着くと泉の周囲一面結晶化しており、濃い魔力が充満していた。範囲は泉の2倍ほどだろうか。

元よりあった聖水の効果も上がっているらしい。弱い魔物なら触れるだけで浄化されて灼ける程の様だ。他にももともと確認されていた効果が強化されている、と報告された。詳しくはこれから調べるようだ。


「…アレの影響と考えるのが普通であろうな。」


「これ程までの魔力とは、あの方は神の祝福でも持っておられるのでしょうか。」


ギルベルトが充満する魔力に慄きながら、呟いた。


「そうやも知れぬな。…アレの魔力量であの量の食事とは少なすぎるとは思わぬか?」


聖水を小瓶に採取して泉をあとにする。本来あの泉は神官と皇帝の他、許可された者にしか近寄ることすら許されていない。箝口令を敷く事にして、城に戻っていると、風魔法による伝令が伊織の状況を告げる。

急ぎ伊織の部屋に向かうと、叫ぶ様な聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「…〜〜〜〜ぅを呼びながら図々しい!」


廊下を曲がるとローゼンクランツの娘が伊織に詰め寄っているのが見えた。歩き寄ると侍女がこちらに向かって頭を下げるが、伊織とローゼンクランツの娘は気がついていない。


「何を笑ってますの!?」


娘が伊織に向かって振り上げた腕を掴む。娘はこちらを振り返って血の気の失せた様に顔色を無くした。


「何の騒ぎだ。」


「何にもないよ。」


伊織が間髪を入れずに返答して、ローゼンクランツの娘の腕を引いて自分の背に庇う。


「余にはローゼンクランツ嬢がイオリに手を上げている様に見えたが。」


「僕が言っちゃいけないこと言ったから。彼女は怒って当然だよ」


眉を顰めて伊織の真意を探る。自然と眼つきが鋭くなった。伊織は怯えを滲ませながらも真っ直ぐ見つめ返してくる。


「お、女の争いに、男が口を出すと、余計にややこしくなるんだよ」


震える声で言い募りつつ、目尻には涙が浮かんでいる。知らずに溜め息が漏れる。伊織の目尻に溜まった涙を拭い、ヴィルフリートは折れることにした。


「…そうか。悪かった。」


後ろにいるローゼンクランツの娘が今にも泣き出しそうに顔を歪めているのが見え、そのまま立ち去る。


「執務に戻る。ローゼンクランツ嬢が去ったら報せよ。」


執務室に行き、先程採取した聖水を魔法院に届けさせると朝の続きの報告書をもう一度見る。伊織に付けている侍女の詳細な情報が書かれている。


(…とりあえずは合格だろう。アレにも身を守る術が必要だな)


報告書を置いたと同時にノックの音が執務室に響く。


「陛下、ローゼンクランツ令嬢がお帰りになられました。」


「そうか。暫し休む。」


伊織の様子が気になり、急いで部屋に向かい、扉を開ける。

ソファに座る伊織の様子を見る限り、すこぶる機嫌が良さそうだ。

ヴィルフリートはソファに座り、訝しく思いながら伊織の様子を窺う。


「…何もされなかったか」


伊織は首を傾げている。侍女がすぐさま紅茶を淹れ、目の前に置いた。

侍女としては優秀そうだ、と頭の端で考えた。


「何かって、何を?」


「先程、手を挙げられそうになっていたではないか。」


思い出したのか口を微かに開け、首を振った。


「あれは僕が悪いんだよ。だからヴィルさんは余計なことしないでね。」


「イオリが良いのならば構わぬが。」


思わず溜め息が出る。紅茶を口に運んで気を落ち着かせた。伊織はヴィルフリートの気も知らず機嫌良く笑っている。


「何か良いことがあったのか?」


「ううん。でもアーデルハイトちゃん?と仲良くなりたいと思って。」


言われた内容が予想外すぎて、お茶を口に運ぶヴィルフリートの手が止まる。


「…争っていたのではないのか?」


つくづく不思議な少女だ。伊織に視線を向けると何か考えて口を開いた。


「彼女、裏表がなくて分かり易いし…それに昔飼ってた猫に似てて、可愛いんだよね」


弾んだ声に、頭が痛くなった様な気がした。確かに伊織の方が悪い気がしてきた。


「ヴィルさん、どうかしたの?」


「…いや、何もない。」


伊織は本当に何もわかっていないのか首を傾げて瞬きをし、すぐに顔に笑顔を浮かべた。


(何やら良からぬ事を考えておるな…)


気の抜けるような笑顔を見て、ヴィルフリートは自分の直感が間違っていないだろうと溜め息を飲み込んだ。



「イオリ、余は仕事に戻る。食事は共に取ろう。」


「あ、はい。態々心配してきてくれたんだよね?それとさっきも…ありがとうございます」


「良い。」


頭を下げる伊織の頬を一撫でして部屋から出た。



----------------------------------------------------------------



その後、伊織が昼も食べ過ぎたと報せが来た為、食事の時間をずらす様指示を出し、午前に進まなかった決裁などを進める。

ふと時の魔道具を見れば、ちょうど約束した時間の四半刻前を指している。ノックの音に立ち上がり、執務室を出た。



部屋に入ると伊織はソファに座っていた。


「待たせたか。」


「ううん、図った様にぴったり。」


綺麗に整えられた髪に触れる。ピクリとした伊織の反応に幾分か気を良くして、手を差し出した


「行くぞ。」


そっと重ねられた手を引いて立たせる。そのまま手を引いて食堂に向かった。

隣から視線を感じて見てみると、伊織が頬を染めて上目遣いに見詰めていて、愛らしさに頬が弛む。視線が合うとすぐに逸らされた。

食堂に到着して、立ち止まっても伊織の反応がない。何やら放心している様に見えた。


「イオリ、着いたが」


ヴィルフリートが声を掛けると赤い顔のまま慌てて椅子に座る。咄嗟に噛み殺しきれなかった笑みが漏れた。伊織の顔を窺うが一向に目を合わせてくれない。仕方なくヴィルフリートも椅子に座った。

ヴィルフリートが座るのを待っていたように、料理が続々運ばれてきた。

伊織は目を輝かせながら料理に釘付けになっている。


「すごく美味しそう」


きちんとした夕食はあまり食べないが、料理長が張り切ったのだろう。手の込んだ見た目にも美しい料理が並んでいる。伊織が手を合わせるのが見えた。


「いただきます。」


「イオリ、朝もやっていたが、それはなんなのだ」


「んーと、確か食材と作ってくれた人への感謝…だったかな。…昔、神様に御供えしていた物をもらう時に頭上に上げて、いただきますって言ってたんだって。それがそのまま、食事を出された時に食材と料理人への感謝の気持ちを伝える言葉になったみたい。」


「なるほど…奥が深いのだな。では、頂こう」


確かに感謝は必要だと、頷いて手を合わせてみたが、伊織からブフッという音が聞こえてきた。疑問に思い視線をやると、伊織は口許を覆い、肩を震わせてわらっている。


(…可笑しなことでもしたか?)


「…うん、いただきます。」


やはり伊織は魔力の割に少食だ。低燃費と言ってもいいかもしれない。騎士を目指すものなら10歳くらいの子供でも伊織の倍量は食べるだろう。


「これ美味しい。…あ、このソース、醤油っぽい!」


「…イオリ、いつでも構わぬが記憶を視せて貰いたい」


「記憶?」


問い返されて頷く。伊織が興味を持つように、毒に蜜を混ぜる様に、続ける。


「魔法以外の技術があると言っていたであろう。“聞く”より“視る”方が早いからな。それに、そなたの好みの料理も再現出来るやもしれぬぞ。」


伊織は頷くのを途中で止め、不安そうな顔をしている。心なしか顔色も悪く見えた。


「…それって何でも視えちゃうの?」


「視えるが…魔道具に移し、記録してから視る。視られたくない物があるならその部分を消す事も可能だが…」


真面目な顔を作り、伊織の不安を払拭する様に、真実の中に嘘を紛れさせて、疑心を抱かせないように。


「じゃあ、視てもいいけど可能なら機械とか料理だけにして欲しいなぁ。人との思い出や夢とかは恥ずかしいし…」


伊織は何か隠している様だ。ヴィルフリートはそれに気が付かないふりをして頷く。


「良かろう。そなたが良い時に言うがいい。」


「わかった。」


どうやら伊織にはヴィルフリートの嘘を見抜けなかったらしい。気付かれるなど有り得ない事だが。

何気ない風で食事を再開する。伊織は食事ですでに満腹近いか、デザートを前に悩んでいる。


「美味しそう…だけどお腹が…!それに肥りそう…」


「イオリはもう少し肥った方が良いと思うが」


伊織の呟きに真面目に答える。抱いた時に骨が刺さるほど細い女は好みではない。今も十分感触はいいが、もう少し肥ればもっと良くなりそうだ。

伊織が苦笑して、出されたデザートを食べ始める。


「…!おいしいっ!」


どうやら気に召したらしい。残せばいいものをすべて食べて、苦しそうにしている。さすがに食事への執着に少し呆れる。


「無理せずとも良かろうに。」


「おいしくって、つい…」


悄然としている顔が怒られた幼子のようで庇護欲を誘う。

出されたお茶を飲み、これからの事を考える。伊織の後ろ盾とこの国の常識などを知るためには教師も必要だろう。護衛も侍女だけでは心許ない。だが、伊織の周りに男を寄せたくはない。女騎士を登用するのがいいか。

お茶も飲み干したところで立ち上がる。伊織の前に行き、頬を撫でた。


「余はもう少し執務の続きをする。そなたはもう休むが良い。」


「…うん。ヴィルさんも無理しないで休んでね。」


返事の代わりに、頭を軽く一度叩いて食堂を後にした。



----------------------------------------------------------------



「ギルベルト、お前の眼鏡に適う魔法を含めた教育ができる女の教師はいるか?」


執務室に着くと、早速切り出す。この男なら知っているだろう。


「おりますが…彼女は大変な変わり者で王立学園の研究室に籠っています。」


「変わり者だろうが何だろうが、安全で総合的に指南できるなら構わぬ。」


ギルベルトは蟀谷(こめかみ)を指で叩く。この男が何かを考える時の癖だ。


「…マナーの指導ならアニエッタとフランツィスカが適任かと思われますが。彼女は教えることは出来るでしょうがあまり頓着しないようですので。」


「分かった。その者に報せを。…喰い付かぬ様なら、伊織の事を多少教えても良い。それから、女騎士を登用する。帝国全土に試験の報せを。」


「畏まりました。」


ギルベルトから視線を外して手元の書類を確認する。搾取されていた地方領地の食糧不足による嘆願書だ。近い内に視察に向かわねばならないだろう。

暫くして集中力が切れた。時を示す魔道具を見れば、もう夜半と言っていい時間になっている。

ヴィルフリートは眉間を揉んで立ち上がり、執務室を出る。


「余はアレの部屋に寄る。其方はもう下がって良い。」


廊下でギルベルトに指示を出した。命令するまでいつまでも待ち続ける、頭の固い男だ。


「何かあればお呼び下さい。」


頭を下げるのを流し見て、傍を通り抜ける。扉の前に立つ騎士を労い部屋に入る。寝室の扉を開けたところですすり泣く声が聞こえた。


「イオリはよく泣く。」


知らずの内に声が出ていた。天蓋の布を捲って寝台の囲いの中に入ると、伊織は背中を向けて小さく丸まっていた。

ヴィルフリートはベッドに腰を掛けて宥める様に頭を撫でた。


「眠るまでここにいてやろう。安心して眠るが良い。…それとも添い寝が必要か?」


「…うん。」


少しでも落ち着けばいいと思い、冗談のつもりで尋ねれば、意外な返事が返る。伊織はすぐに振り返って否定するが、本心では淋しいのだろう。無意識にか、否定した直後に泣きそうな顔をした。


「添い寝が必要なのだろう?少し待っているが良い。」


とりあえず着替えようと一度私室に戻り、いつもは着ない寝衣に着替えた。適当にボタンを留めて、伊織の部屋に引き返す。

自分が伊織の部屋で寝る事を騎士に侍女に報せるように言いつけた。

寝室に入り、寝台に乗り上げて伊織を見ると先程と同じ体勢のままヴィルフリートを見ている。

布団に潜り込んで伊織を抱き寄せる。


「もう休め」


「うん。…おやすみなさい」


抱き込んで暫らくは身体を固くしていたが、眠気が訪れたのか、身体が弛緩した。

伊織が先程より密着して腕に顔を摺り寄せてくる。どうやら完全に眠りに入った様で、額に口付けるが反応はなかった。


「許せ、嘘を言った。」


額に口付けたまま喋り、口から魔力を伊織の身体に通して記憶を覗き視る。

視えた記憶と、思い出した記憶。そして、確信。


(伊織(コレ)は、余のモノだ。)


そっと伊織の唇へ己のそれを合わせる。伊織の顔を見詰めるヴィルフリートの瞳は真紅に染まっていた。




こっそり伊織ちゃんのファーストキスを奪う変態紳士ヴィルフリートさん。

いや、紳士ではないですね!(◦`꒳´◦)


そういえば評価とかお気に入りとかもらって置いて今更なんですが、この小説って面白いですか?

すっごい自己満足的に書いているのでその辺がもう不安で不安で…!

あ、別に感想書いてくれって言うわけじゃないので流して下さい。

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